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三度目の異世界で夫婦は何をする?  作者: 小鳥遊詩音
第一章 クロウ王国編
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森での出来事

ブクマ、評価などしていただけるとありがたいです。

フェンが待つ王都の近くと言っても歩いて二時間程かかる森にやって来た久遠達三人はフェンを探していた。


「フェンは、何処に居るんだ?」

「見当たらないね?」

「普通は森の入口で待っているものではないのですか?」


と、会話から分かるように三人はフェンは待ち合わせ場所である森の入口に居なかったため森に入りフェンを探していた。


「久遠君、気配察知か魔力察知した方がいいんじゃない?なんか、この森嫌な感じがするよ?」


華音の言葉通り、森にはただならぬ気配がしていた。華音の言葉を受け久遠はすぐに気配察知と魔力察知を開始しようとした。


「兄さん、姉さん。あっちからフェンさんの気配と魔力を感じます。」


華音の言葉を聞いた直後に亜里沙は気配察知と魔力察知を開始していた。そのため、久遠より早くフェンを見つけたのである。久遠と華音は、亜里沙の言葉を信じないわけではないが自ら確認のため察知をした。


「確かに亜里沙の言う方角にフェンが居るみたいだな。だが・・・。」

「うん。でも、周りにある気配は・・・魔物だよね?」

「魔物ですか?私にはまだそこまでわかりませんが・・・。」

「気にしなくて良いよ。そのうち、分かるようになるから。」


と、亜里沙を励ます華音。


「流石にこの数だといくらエルフでも助けに行った方がいいな。」

「そうだね。」


と、言うと三人は頷きフェンの元へと走り始めた。



一方、フェンはと言うと・・・。


(何故じゃ?何故、こんなにもゴブリンがこの森にいるのじゃ?しかも、ゴブリンの上位種であるゴブリンジェネラルがいるのじゃ?確か、最初は一匹だったはずじゃが・・・。)


そう、最初は一匹だった。フェンは、偶々見つけた一匹のゴブリンを狩るつもりでいた。しかし、気付けば自分が狩られる立場になっていた。


一匹ならフェン一人でも奇襲をかければ勝てる相手である。フェンは、奇襲をかけるためゴブリンの後を追ったのだが・・・逆に罠にかかったのである。


そう、この世界クロウディアでは魔物にもランクが存在する。魔物の頂点に君臨するのは言わずと知れた龍種である。もちろん、ランクはSである。ただ、古代龍になるとSランクではなくなり更に上のランクになる。ただ、Sより上のランクがないため扱いとしてはSランクになる。ちなみに、龍種でもランクはある。古代龍を頂点に各属性龍がおり、その下に竜種でワイバーンなどがいる。属性龍以上は人の言葉を理解し話すことも出来るし、人化も出来る。


龍(竜)の次にくるランクの魔物がゴブリンである。ゴブリンの頂点は、ゴブリンエンペラーて、次にゴブリンキングにクイーン。そして、ゴブリンジェネラルといった順になる。ジェネラルぐらいになると言葉を話すことも出来る。ただし、流暢に話せるのはキングとエンペラーだけである。


ちなみに、ジェネラルの下にはゴブリンソードやゴブリンメイジなどがおり、最下級のゴブリンでもオーガやオークと言った魔物を複数相手にしても単騎で勝ってしまう程の実力を持っている。


オークやオーガにもキングは居るがゴブリンソードにすら勝てない。


今まで述べた魔物を以外にも居るが今は割愛する。



よって、フェンの今の状況が如何に最悪の状況かがわかる。フェンとて冒険者ランクはBである。それでも、勝てない。ゴブリンジェネラルはAランク、最下級のゴブリンでもCランクである。それが三十体近く居るのである。


そんな時、三匹のゴブリンがフェンに襲いかかる。「グギャ」「ギギィ」「ギャァ」と掛け声をかけて。


フェンは、既に戦意がなくなりかけていた。そんな時に襲い掛かられれば対応が出来ない。


三匹のゴブリンがフェンに棍棒を降り下ろした瞬間、何処からともなく現れた魔法の槍がゴブリンに命中する。


「「「グギャぁぁぁぁぁぁ」」」


魔法がゴブリンに命中し、ゴブリンは消滅した。その瞬間、空から三人の人影が見え次の瞬間、フェンの前に降り立った。


「フェンさん、大丈夫ですか?」


降り立ったのは久遠、華音、亜里沙である。フェンを心配する亜里沙をよそに未だに状況が飲み込めていないフェン。


「フェン?大丈夫?」


華音の言葉にすら反応しないため、久遠はフェンの頭にチョップをかます。


「痛いのじゃぁぁぁ!何をするのじゃ、クオン。」

「フェンが戻ってこないから戻してやったんだろ?感謝してほしいぐらいだ。」

「はっ!そうじゃ、ワシに襲いかかって来たゴブリンは「消滅したよ?」はぁぁぁぁぁ?消滅したじゃと?何をどうすれば消滅するのじゃ?」


と、ゴブリンが消滅したことに驚くフェン。しかし、華音はあっけらかんと答えた。


「魔法で消滅したよ?もちろん、一撃で。」

「い、一撃じゃと?有り得ん、有り得なさすぎる!」


何処をどう突っ込んでいいか分からなくなりつつあるフェン。フェンをよそに久遠が華音と亜里沙に言う。


「流石にこの数は骨が折れるな。しかも、ジェネラルまで居やがる。」

「兄さん、ゴブリンは最弱ではないのですか?」


亜里沙の意見も最もなのだが・・・。


「いや、この世界のゴブリンは龍(竜)種に次ぐ強さを持っているぞ?日本(むこう)で呼んだラノベを基準にしない方がいい。ちなみに、ゴブリンジェネラルのランクはAだ。」

「そう・・・なんですね。一発の魔法で消滅してしまったので最弱だと思ってました。」


敵を前にして悠長に会話をしている久遠と亜里沙にゴブリンジェネラルが声を発した。


「ニンゲン、ワレラニタテツクツモリカ?」


ジェネラルが喋ったことにより亜里沙が驚く。


「兄さん、ゴブリンが喋りましたよ!初めて聞きました!」

「そりゃそうだ。上位種になれば話すことも可能だからな。」


明らかに舐めている二人にジェネラルは更に言う。


「オマエタチヲコロシテ、オレハキングニナル。」

「クオン、カノン、アリサ!逃げるのじゃ。この数ではワシらでも勝てん。」


と、逃げるようにフェンが諭すが、当の本人達は逃げることすらせず戦う気満々である。


「華音、亜里沙。俺に殺らせてくれないか?」

「いいですけど・・・何か方法があるのですか?」

「久遠君、まさか・・・喚ぶの?」


華音の言葉に久遠はニヤリと微笑んだ。


「あぁ、あいつらを喚ぶ。どうせフェンの言っていたことを聞きたいしな。」

「わかったよ。じゃぁ、フェンを連れて亜里沙と少し下がるね!」

「頼む。」


華音は「うん」と答えて亜里沙とフェンと共に後退した。後退するなかフェンが「ワシも戦うのじゃぁぁぁ!」と言うが問答無用に華音と亜里沙に両手を持たれ引きずられて言った。


「さて、アイツらを喚ぶのも二十年・・・いや、五年ぶりか。はてさて応えてくれるかな?」


そんなことを言いながらも笑っている久遠。


「ナニヲスルツモリダ?」


ジェネラルが言うが久遠は無視をした。


「さて、喚ぶかな。『召喚(こい)、四大精霊王!』」


久遠の声に反応して周りがざわめきだす。その瞬間、四体の精霊が現れた。


『ようやく喚びやがったな、クオン!』

『お待ちしておりました、マスター。』

『お兄ちゃん、久し振りぃぃぃ!』

『ご主人様・・・待ってた。』


それぞれに皆答えるがしっかりと膝をつき主である久遠に敬意をはらっていた。


「五年ぶりだな。グレン、セシリア、シルフィ、ガイア、元気にしていたか?」

「「「「もちろん(です)!!」」」」

「そっか。早速で悪いんだがゴブリンを殲滅する。力を借りるぞ?」

「「「「仰せのままに!!」」」」


と、返事をすると精霊王達は立ち上がり久遠の後ろに立つ。その行動を見てから久遠は右手を掲げ力ある言葉を発した。


『エレメンタルレイン!』


と、同時に四属性の槍が出現したと思ったら直ぐ様ゴブリンに降り注いだ。


「「「グギァァァァァァ」」」


ゴブリン達の断末魔が響き渡る。ちなみに、ゴブリンジェネラルは久遠と話をしていたため真っ先に餌食になった。


こうして、久遠&四大精霊王VSゴブリン集団の戦闘は呆気なく終わりを告げた。


ちなみに、華音と亜里沙は四大精霊王が現れた時点で何処からともなく出したお菓子を食べていた。フェンはと言うと・・・精霊王達が召喚された時点で気を失っていた。


結果、久遠がフェンを背負い王都に帰還することになったのだった。


『私達の出番はこれだけですか?』

『俺達はほとんど何もしてないぞ?』

『私はお兄ちゃんに会えたから別に気にしない。』

『シルフィに同意。』


まぁ、この後久遠に酒盛での説教が待っているよ。頑張れ!


『『『『イヤだぁぁぁぁぁ』』』』




龍に次ぐ力の持ち主に成り上がったゴブリンです。でも、久遠に瞬殺(笑)冒険者にとっは最強です。


読んで頂きありがとうございます。

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