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仙ちゃんと彦星さまは簡単に見つかりました。ビルの中に入った途端、墨ちゃんが仙ちゃんの気配を感じると言って先導していったのです。
たどり着いたのはプールでした。ビルの中にプールがあるんです。一体どうなっているのでしょう? 下の階に漏れたりしないんでしょうか?
スパの受付の人に呼び止められそうになったのですが、天さまが何かするとにこにこと通してくださいました。何をしたのかは怖いので聞いていません。
「仙ちゃん!」
「お姉ちゃん!?」
猫耳少女と狐耳少女がお互いに駆け寄ってひしっと抱き合います。感動的な光景に目頭が熱くなりました。
「……彦星」
「織姫……?」
プールサイドで寝ていた中年の小太りの男性が織姫さまの言葉に起き上がりました。あれが彦星さまなのでしょうか? ちょっとイメージと違うのですが……
「久しぶりだわね」
「そうだね。連絡とってなかったけど元気そうでよかった」
「まあね。私くらいになるとあちこち引く手あまたでもう忙しくって」
「そうなんだ。そういえば、最近こんなの見たんだけど」
彦星さまはそういって置いてあったスマホをちょいちょいと操作し始めました。何だろうと織姫さまも私たちも覗き込んでみると、七夕動画にアクセスして織姫のお色気道場を開きました。
「これ、織姫だよね」
織姫さまの顔色がまるで音でもするようにさーっと青ざめていきます。
「この間動画を見てたら見つけたんだよね。せっかくなのにアクセスが少なかったから社報で紹介しておいたんだよ」
あ、口から魂が……
「もしかして最近アクセスが増えたって言ってらっしゃったのは……?」
「社員のみんなも知り合いに薦めてくれたりしたみたいだよ」
にこにこしている彦星さまとは対照的に織姫さまは生気を抜かれたように膝ががくがくしてとうとう倒れてしまいました。
慌てて私たちは織姫さまを抱えてプールを出て、とりあえず彦星さまの部屋へと行きました。
「織姫は?」
「大丈夫よ。今は落ち着いて寝てるわ。ま、自業自得よね」
織姫さまを彦星のベッドに寝かせて戻ってきたお姉さまがちょっとS気のある笑顔で言いました。織姫さまには申し訳ないですが、私もそう思います。
「というか、今更恥ずかしがるならネットアイドルなんてやらなきゃいいのに」
「僕は案外売れると思うんだけどね」
彦星さまは顎に指をあてながらそんなことを言っています。この人は元(?)彼女がネットアイドルをしていたことにショックを受けたりはしないんでしょうか?
「そんなことより、彦星。おねがぶっ」
「天は後」
「姫ちゃん、ひどいぃっ」
隙ありと天さまが彦星さまにおねだりをしようとしたところで、お姉さまが唇を引っ張って話を遮りました。ですから、どうして私がとばっちりを?




