表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/50

5-7

 とにかく、私たちは身動きの取れない人込みを避けて一旦人の少ないところに退避して作戦を立て直すことにしました。


 「この人込みじゃレジデンスにはとても近づけそうにないわ。それに、たどり着いたとしても中に入れてはくれない可能性が高いと思うの」

 「これは仙狐さまを守るための彦星さまの策略でしょうか?」

 「可能性はあるわ」


 確かにこの状態なら彦星さまのところにたどり着くのは至難の業です。それに、七夕GOは彦星さまの会社で作ったゲームなので、レア牛の出現場所を調整するのは難しいことではないに違いありません。


 「とにかく、地上から行くのは無理だわ。だったら空から行きましょう」

 「空ですか? でも、どうやって?」

 「天に頼めばいいわ」

 「嫌!」


 軽く言ったお姉さまの言葉に、天さまは強く拒絶しました。声が大きかったので周囲の人が一斉に振り向きましたが、すぐに何もなかったように歩き去っていきました。都心の人はクールです。


 「あたしはボインちゃんを捕まえに来たの。彦星を捕まえに来たんじゃないのよ」

 「彦星を捕まえに来たのよ!」

 「ダメ。ボインちゃん、ボインちゃん」


 また周囲の人が振り向きました。今度はなかなか立ち去ろうとはしません。


 「て、天さま、ちょっと声のトーンを……」

 「天、よく考えてみなさい。これから会うのは彦星なのよ。七夕GOの会社のCEOなのよ。レア牛の1つや2つ、頼み方によっては簡単にもらえると思わないかしら?」


 天さまの目が大きく開きました。


 「た、確かに。姫ちゃん、頭いい!」

 「じゃ、お願い」

 「ぶ・ラジャー!」


 天さまが指を軽く振ると、私たちの体は急速に浮き上がり空へと飛び立ちました。地上の人たちはいきなり目の前で人が消えてびっくりしています。


 「どれ?」

 「んー、どれだろう?」

 「家賃が一番高いビルよ」

 「じゃあ、きっとあれね」


 私たちはお姉さまが指さしたビルの屋上に降り立ちました。


 「墨、中からドアを開けてきて」


 そして、簡単にビルの中へと侵入に成功したのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この小説は、一定の条件の下、改変、再配布自由です。詳しくはこちらをお読みください。

作者のサイトをチェック
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ