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5-6

 東京都心の六本木までは、ここから電車を乗り継いで1時間半から2時間くらいかかります。お姉さまと私、墨ちゃんと美雷さんに織姫さまの5人はその足で駅に行って電車に乗り込みました。善は急げです。


 最初のうちは空いていた車内でしたが、何駅も止まるにつれてだんだん混雑してきました。ちょっとこれはこれまで体験したことのないレベルの込み具合です。


 「雪、大丈夫?」

 「大丈夫です、お姉さま」

 「雪は電車初めてなんだから、気分が悪くなったらすぐに言ってね」

 「ありがとうございます」


 左右をお姉さまと墨ちゃんに囲まれていたのでそれほどでもなかったですが、ここに1人で乗ると精神的な圧迫感がきつそうです。それに時々男性のぶしつけな視線を感じることもあってそれも嫌な感じがしました。


 「今日は休日だからこんなものだけど、平日の朝は隙間もないほど人が乗ってくるのよ」

 「それはちょっと、耐えられそうにないです」

 「ふふ。雪ちゃんは可愛いから痴漢されちゃうかもね」


 いつの間にか織姫さまが前に立っていました。痴漢というのは知識だけはあるのですが、こんなところでそんなことをされたら怖くて動けなくなりそうです。


 「あたしの雪にそんなことをしたら、この車両の男全員まとめてもいでやるわ」

 「天さま、それはダメです」


 天さまの言葉に心なしか周りの男性がびくっとした気がしますが、天さまなら脅しではなく本当にやりかねなくて大変危険なので今すぐ逃げたほうがいいです。


 ともあれ、そんな話をしているうちにちょっと気持ちが楽になってきました。織姫さまが前に立って車内の様子を見えなくしてくれたのも圧迫感を減らしてくれた気がします。


 都心に来て地下鉄を乗り換えてようやく六本木に着きました。が、人も出口も多すぎて右も左もわかりません。都会になれた織姫さまに案内されてようやく空の見える場所まで出てくることができました。


 「ここからは敵の本拠地。うかうかしてるとやられるわ。気を引き締めていきましょう」


 円陣を組んで気合を入れます。道行く人はそんな私たちをちょっと遠巻きに避けて行ったり、スマホで写真を撮ったりしています。……どうして写真を撮るのでしょうか?


 六本木ヒルズレジデンスのほうへ歩いていくとどんどん人が増えてきて、最後には一歩も進めないほどの人だかりに巻き込まれてしまいました。


 「一体どういうことかしら?」

 「これよ、これ!」


 お姉さまが戸惑っていると、天さまがスマホを取り出してお姉さまに見せました。


 「見て見て! UR六本木ホルスタインちゃんが出たのよ!! これはマストだわ。ゲットしないで帰るなんてあり得ない!!!」

 「て、天さま、目的が変わっちゃってます」

 「七夕GOより優先される目的なんてないのよ」


 ゴツン


 「「あ、た」」

 「バカなこと言ってないで、行くわよ」

 「あ、あ、六本木ホルスタインちゃんが! 六本木ボインちゃんが!!」


 だから、私も痛いんですってば! 後、天さま、その略称は一体どういうことですか!?

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