第一印象よりも一言目が大事
……訳がない。
そんなラブコメ展開まるで無しだから!!!
俺だってそんな感じの期待してたから!!!
だけどオマエラ、本当に三百六十五日二十四時間、色っぽいオネーサンやツンデレ妹と一緒にいて耐えられるか!?
朝起きる度に半裸な姉が居てみろ。理想の女像がどんどん虚像にしか見えなくなって、大人の女性の身体の魅力を感じられなくなるぞ。
内気で笑うと可愛い?ああ可愛いですとも。あのどす黒いオーラと言葉がなければな!ヤンデレなんて存在誰が考えたああああ……!!!!!!
ツンデレのツンが多いほど萌えるだと。あのくっそ生意気な態度を一日の半分取られりゃストレス溜まるだけだ!!!デレって何それ美味しいの???
え、末っ子?…あれは天使だ。何も言うまい。
……とにかく、夢のようなハーレム生活を描いていた俺だが、現実は地獄だった。
いくら男の萌えが詰まった女子が目の前にいても、それは自分の都合の良い時、自分が萌えを求めている時だからこそ心が満たされる訳で。
まだ俺の話が信じられない奴はこの先を読むが良い。
俺の貴重な十七歳の青春の一ページを、悪魔な姉妹たちに塗り潰されていくこの三十一日間。
そう、これは俺が世間の“萌え”に対する新たな議論として記した記録帳である。
……夏休みの日記だって?まさか。