三十、罠の発動
その瞬間、崖の上から矢が放たれた。
シュッ、シュッ、シュッ。
二十名の弓兵が、一斉に矢を射る。
矢が、雨のように降り注いだ。
「うわあっ!」
「何だ!」
松永軍は、完全に不意を突かれた。
矢が、次々と兵たちに突き刺さる。
「敵襲だ! 伏兵がいるぞ!」
松永が叫んだ。
だが、もう遅かった。
次の瞬間、谷の入り口と出口で、大きな音がした。
ゴロゴロゴロ。
丸太が転がり落ちる音だ。
そして、ドスン、ドスンと、石が落ちる音。
谷の入り口が、丸太と石で塞がれた。
出口も、同様に塞がれた。
「しまった、罠だ!」
松永が、ようやく気づいた。
だが、もう逃げ場はない。
前にも後ろにも、道は塞がれている。
そして、両側の崖からは、容赦なく矢が降り注ぐ。
「盾を上げろ!」
松永が叫ぶ。
だが、持っている兵は少ない。
矢は、次々と兵たちを倒していく。
「くそっ、崖を登れ! 伏兵を討て!」
松永の命令で、何人かの兵が崖を登ろうとした。
だが、その時、崖の上から石が落とされた。
大きな石が、ドスンドスンと落ちてくる。
「ぐあっ!」
崖を登ろうとしていた兵たちが、石に打たれて倒れる。
松永軍は、完全に混乱していた。
どこに逃げればいいのか分からない。
ただ、矢と石が降り注ぐ中で、右往左往するだけだった。
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