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二十二、能力の新たな発見—時間制限と消耗の代償

宴の翌日、紘一は疲労を感じていた。

交渉の緊張、宴の疲れ。

それらが、体に蓄積していた。

だが、紘一は休むわけにはいかなかった。

やるべきことが、まだたくさんあった。

その日の午後、紘一は一人、部屋で休んでいた。

窓の外を見ると、夏の日差しが強い。

蝉の声が、うるさいくらいに響いている。

紘一はふと、描画能力のことを思い出した。

最近、薬草を描いて、宗安医師に提供している。

それは、うまくいっている。

多くの患者が、助かっている。

だが、紘一は気づいたことがあった。

描いて現実化したものには、時間制限があるのではないか。

以前、リンゴを現実化した。それを食べた。

美味しかった。だが、そのリンゴは、どれくらい保存できるのか。

紘一は実験してみることにした。

紙にリンゴを描く。丁寧に、リアルに。

絵が完成し、念じる。

机の上に、リンゴが現れた。

紘一はそのリンゴを、部屋の隅に置いた。

そして、観察することにした。

一日目。リンゴは、新鮮なままだった。

二日目。リンゴは、まだ新鮮だった。

三日目。リンゴの表面に、わずかな変化が見られた。

少し、しわが寄っている。

四日目。リンゴは、明らかに古くなっていた。

しわが増え、色が褪せている。

五日目。リンゴは、完全に腐っていた。

描いて現実化したものは、本物と同じように、時間とともに劣化する。

それは、当然のことかもしれない。

だが、確認できて良かった。

次に、紘一は別の実験をした。

現実化したものは、どれくらいの距離まで存在できるのか。

紘一はリンゴを現実化した。

そして、それを持って、部屋の外に出た。

廊下を歩く。中庭に出る。門を出る。

リンゴは、消えなかった。

次は村まで歩いた。リンゴは、まだ消えなかった。

「距離の制限は、ないようだな」紘一は理解した。

だが、その時、紘一は激しい疲労を感じた。

目の前が暗くなり、体が重くなる。

紘一はその場にしゃがみ込んだ。

「くっ……」

しばらく、動けなかった。

やがて、少しずつ回復してきた。

現実化したものを、遠くまで持っていくと、エネルギーを消費し続ける。

距離が遠いほど、消費が激しい。

「これも、制限の一つか……」

現実化できるものには、大きさの制限がある。

現実化したものは、時間とともに劣化する。

現実化したものを遠くに持っていくと、エネルギーを消費し続ける。

これらの制限を、頭に入れておかなければならない。

そして、能力を使うたびに、体力を消耗する。

使いすぎれば、倒れる。

紘一は慎重に能力を使う必要があると、改めて思った。


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