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十、食事の改善

その夜、田邊は再び粗末な夕食を受け取った。

昨夜と同じ、雑穀の粥と野菜。

味気ない食事だ。

だが、田邊は文句を言わなかった。

ここでは、これが当たり前なのだ。

食べながら、田邊は考えた。

この食事を、少しでも改善できないか。

栄養価を上げ、味も良くする方法はないか。

田邊の頭に、いくつかのアイデアが浮かんだ。

まず、タンパク質の摂取。

肉や魚が手に入らないなら、豆類を使えばいい。

大豆は、この時代にもある。味噌や醤油の原料だ。

豆腐も、すでに存在する。

これらを食事に取り入れれば、タンパク質不足を補える。

次に、野菜の種類を増やす。

現代日本で一般的な野菜の多くは、戦国時代にはまだない。

トマト、ジャガイモ、トウモロコシなどは、南米原産で、日本に伝わるのはもっと後だ。

だが、大根、ニンジン、ゴボウ、ネギなどは、すでにある。

これらをもっと積極的に栽培すれば、ビタミンやミネラルを補える。

そして、調味料の工夫。

塩が貴重なら、他の方法で味をつければいい。

例えば、出汁。

昆布や鰹節は、この時代にもある。

出汁を使えば、塩を多く使わなくても、旨味が出る。

「よし、少しずつ提案してみよう」

田邊は、決意した。

もちろん、いきなり大きな変化は無理だ。

だが、小さなことから始めれば、徐々に改善できるかもしれない。

そして、それは領民たちの健康にもつながる。

栄養状態が良くなれば、病気にもかかりにくくなる。

労働力も向上する。

結果的に、領地全体の生産性が上がる。

「これも、生き延びるための戦略だ」

田邊は、そう自分に言い聞かせた。


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