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第46話:新しい拠点

 ログハウスのように新しくなった拠点に、俺とアーリィは恐る恐る足を踏み入れていく。


 新鮮な木の香りが鼻を刺激する中、まず最初に目に飛び込んできたのは、広々としたリビング。


 鍛冶システムや調理システムが使える作業部屋とも繋がっていて、カウンターキッチンのようになっていた。


 そして、一番の大きな変化は、部屋数が増えていること。


 寝室が二つもできていて、二人以上で住むように設計されている。


 これには、戸惑っていたアーリィも口をポカンッと開けて驚いていた。


「思った以上に広くなったし、家具も増えたのね。机や椅子だけじゃなくて、ベッドも増えているわ」

「そうみたいだな。アイテムボックスに入れておいた布製品がなくなっているから、それで作られているんだろう」

「とても便利なスキルね」

「同感だが、ここまで素材を消費するとは思わなかった。早いうちに買い出しに行く必要ができてしまったな」

「街まで距離があると、億劫になる気持ちはわかるわ。必要なものを言ってもらえたら、私とクレアで買ってくるわよ」

「助かるよ。でも、俺も街に顔を出したいから、その時は護衛を頼む」

「わかったわ」


 さすがに街に向かう度、軍隊蜂に護衛を頼むわけにはいかない。


 ウサ太を連れて行くのも危険なので、アーリィが護衛してくれると望ましい状況だった。


 まあ、必要最低限の物資はアイテムボックスに残っているから、すぐに行動に移す必要はない。


 今回、拠点レベルを上げたことで、ようやく異世界生活の基盤が整ったんだ。


 これまでいろいろあっただけに、少しはゆっくりしたい気持ちが芽生えている。


「ひとまず、そっちの大きい寝室は、アーリィたちで使ってくれ」

「ダメよ。この拠点はトオルのものなんだから、大きい方はトオルが使うべきね」

「そう言ってくれるのはありがたいんだが……、部屋が広すぎると落ち着かないんだよな。俺はこじんまりとした寝室の方が助かるよ」


 別に開放感のある部屋が嫌いなわけではない。


 寝室にするならば、狭い部屋の方が落ち着くというだけの話だ。


「トオルがいいなら、お言葉に甘えさせてもらうけど……。なんだか気遣ってもらってばかりで、申し訳ないわね」

「いや、本当に狭い部屋の方が落ち着くんだ。気にしないでくれ」

「そう? じゃあ、大切に使わせてもらうね。ありがとう」


 アーリィと話がついた後、調理システムで昼ごはんの準備をするため、キッチンに足を運ぶ。


 彼女が捕ってきてくれた魚を食べようと、調理システムで焼き魚のレシピを選択すると、いつもよりリズミカルに調理され始めた。


 こんなところにも拠点レベルを上げた影響が出ているみたいなので、スキル画面で詳細を確認する。


 ――――――――――


 拠点Lv.2:ログハウス、畑(中)、テラスハウス、アイテムボックス(容量:中)

 工房Lv.2:鍛冶、錬金術、料理


 ――――――――――


 どうやら拠点レベルと一緒に工房レベルも上がる仕様みたいだ。


 工房システムに大きな変化は見られないが、作業時間が短縮されただけではなく、レシピの数が増えている。


 思いを寄せていたシャンプーや自家製パンだけでなく、ワインといった嗜好品まで作れるようになっていた。


 また素材を集める必要は出てくるが、頑張った分だけ生活の質を向上させることができるのであれば、やる気に満ちてくる。


 まさかレベルが一つ上がっただけで、これほど大きな影響を受けるとは……!


 今後、もっと快適に過ごせるようにするために、拠点レベルを上げることを一つの目標にするのもいいだろう。


 少なくとも、レベルを上げても損をすることはないのだから。

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