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管理者アスラの夢帳簿  作者: ゆん
世界を望む少年編
25/35

捜索

世界は多くの願いが落ちている。

 ーお金が欲しいー

 ー空を飛びたいー

 ー過去に戻りたいー

いろんな願いだ。

もしも、どんなに実現不可能な願いでも叶うチャンスがあるのなら。

これはいろんな願いを持つ者たちと願いの管理者の記録。

寒い。

どうしようもなく寒い。

あんな風に強がっていたが、やはり寒すぎる。

ベトにもらった湯たんぽみたいなのでは全然あったまりそうにない。

「うぅ……。どうしよう……。この吹雪じゃどこに進めばいいのかすらわかんないし……。って言うかここどこだよ……?」

悪態をつきながらとりあえず吹雪を凌げそうな場所を探して少しずつ前へと進んでいった。

「やばいなぁ……そろそろ手足の感覚が無い……。まだ……私には……やらなきゃ……いけないから……。何だっけな……。……誰……か……助けて……。」

視界がグラリと傾き、そこで私の意識は途切れた。


「何故エリーの位置がこんなにも動くんです?おかしいですね。一体何をしているんでしょうか……。」

「なんかあったんじゃねぇか?ヤバいな……。」

焦るアルとそれを助長させるテル達を見て、一緒についてきた2号は首を傾げていた。

「何ヲ、シテル?」

「……2号?何故ここにいるのですか?」

「ツイテキタ。何カ、オモシロソウダッタ、カラ。」

悪びれもなく2号は言う。

「はぁ……。そういうところですよ、あなたの悪いところは。自分の仕事はどうなっているんですか?」

「2号ジャ手ニ負エナイモノハ1号ニ投ゲタ。他ハ終ワッテイル。」

「……そうですか。では僕達と働いてもらいましょう。」

「……ワカッタ。」

不満げな様子だが、2号は反抗する訳では無いようだ。

「……それで、エリーはどうなんだ?あいつのことだ、動くといってもそこまで動かねぇ気がするが。」

焦ったい様子でテルは言う。

どんどん仲間が消えていき、1番焦っているのは彼なのかもしれない。

「だからですよ。付近の探索はするとしてもそこまでは動かないはずです。その地域の特定ですら、あまりはっきりしていないのに……。」

落ち込むアルに2号が聞いた。

「人、探シテイル?エリー探ス?」

「ええ。ですが……あ!」

「いきなり何だ?見つかったのか?」

「いいえ。2号、フェンにあげた人形を覚えていますか?あれの信号を辿れませんか?」

「……フェン?」

あまりわかっていないような2号を揺さぶりながら言った。

「思い出してください、ラフェナですよ!200年前にあの子の手伝いをして怒られたじゃないですか!」

「……アア、思イ出シマシタ。……揺ラスノヤメテ。頭落チチャウ。」

少し落ち着いたのか、アルは一息をついて言った。

「辿れますか?」

「出来ルカナ……、ア、出来タ……。信号少シ、イヤ、ダイブ弱イナ……。今死ニカケテルカモ。」

「え?死にかけている?ヤバいじゃねぇか!」

テルが叫ぶ。

「ウルサイ……見逃スカラダマッテ……。」

ピシャリと言うと、2号はかなり集中し出した。

しばらくして、2号は言った。

「ノルメルディ……、ノフォル山……東……イヤ、北東……?北北東アタリ……、中腹……。」

「ノフォル山⁉︎何てとこにいるんだ!急がないと!」

そう言うと、アルは地面に落ちていた枝で魔法陣を描いていく。

「……イヤ、少シ動イテイル……。マダ自力デ動ケルノカ……?」

「それだけ分かれば十分です。テル、2号、転移しますよ!」

アルは完成した魔法陣に魔力を流し、魔法陣が発動できるようにする。

「分かった。おい、行くぞ!」

そう言うが、2号はまだ集中しているのか、動かない。

「あぁ、もう!」

そう言うと、テルは2号を抱えて光る魔法陣の中に飛び込んだ。アルもそれに続き、その場には静寂が訪れた。


気づくと周りは水で濡れていた。

「何をやっているんだ!」

ドタドタと大人たちが女子トイレに入ってくる音がする。

ビショビショの私はゆっくりと声の方を向いた。

「この子が、この子がタバコを吸っていてっ!止めようとしたらあの子の手に火のついた方が当たってっ……。」

そんなあいつらの声が聞こえる。

あぁ、また夢だ。

これは、トイレの時の夢の続きか。

「君は優等生だったろう!何故こんなことをしたんだ!」

そう言う担任の声が聞こえる。

「聞いているのか!どうしてなんだ!君の成績ならどんな大学だって行けたのに!」

うるさいなぁ。

どうせあいつらの言うことを信じて私の話なんか聞いちゃくれないんだ。

根性焼きの後だって、あの時いくら訴えても私のせいにされて。

一回分ならまだしも、何回も“偶然”つくわけがないのに。

「君ならこんなくだらないことで人生を台無しにする子じゃないと、信じてたのに!」

「……信じる?嘘つきだね。」

「何を言っているんだ?今ならまだ間に合う。さぁ、こっちへ来なさい。親御さんへ連絡しないとなんだから。さぁ。」

手を掴まれ、生徒指導室へ無様に引きづられていく私をクスクス笑いながらあいつらは意気揚々と教室へ戻っていった。

私はというと、数人の先生から何かを言われ続けたが、もう何度も何度も同じことを言われ続けている。

「……もういいか。諦めようかな。」

そう呟いた時だった。周りは一瞬にして暗闇に塗りつぶされ、まるで私の今の心情を表してるかのようだった。

「……え!?おめさん大丈夫か!?ちょ、ちょっと!誰か来て!」

そんな時に聞こえたのを最後に私は意識を完全に手放した。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回は多分次の水曜日に出す予定です。

土曜日にも出せたら出します(多分予定詰まりまくってて無理かも)。

感想お待ちしてます。



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