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管理者アスラの夢帳簿  作者: ゆん
世界を望む少年編
15/35

鈴の模様

世界は多くの願いが落ちている。

 ーお金が欲しいー

 ー空を飛びたいー

 ー過去に戻りたいー

いろんな願いだ。

もしも、どんなに実現不可能な願いでも叶うチャンスがあるのなら。

これはいろんな願いを持つ者たちと願いの管理者の記録。

「どうした?この人怖い?」

「おい。あんさん。なんてことを言うねん。」

文句を言うエレンを横目に、私はおどけたように言った。

しかし、この子は口を真一文字にきっちりと閉じて一向に喋ろうとしない。

「確か……お前はリルだったか。」

「うん。あ、喋れた。」

レバルが名前を聞くと、この子――リルは怖がっていないように元気に答えた。

「なんでだろ?さっきのこと話そうとするとなんか口開かないや。」

そんなことがあるのだろうか?そう思いながらリルを観察していると、あることに気がついた。

「……!これは……?」

「何か見つけたのか?」

私が見つけたのはリルの耳の裏に描かれていた小さく鈴の模様だった。

よく見せろ、とエレンとレバルが確認するが、見つけられないようだ。

何度も目を擦るが、私にははっきりと描かれているとしか思えなかった。

「何もないぞ?」

レバルはそういうが、確かにあるのだ。

「鈴のような模様があるの。もしかして鈴の音が聞こえたりしてない?」

「ううん、聞こえてないよ。あ、でもなんかさっき怪我した時はしてたな。チリリンって。」

「なんや?鈴って。」

エレンは話についていけていないのか、首を傾げている。

もしかして知らないのだろうか。

銃も知らなかったし、あり得なくはない。

「振ったら音が鳴る飾りみたいなのなんだけど……。」

改めて説明するのは難しいなと思いながら言うと、エレンは少しキレ気味に言った。

「それくらい知ってるわ!聞きたいのはなんであんさんが鳴ってるか聞いてるかって話なんよ。」

あ、そっちか、と納得しながら私は話した。

シュダをぶっ飛ばして、アニキを追いかけて追い詰めた時に鈴の音を聞いて意識を失うほどの頭痛に襲われたこと。

シュダが石になる時にも鈴の音が頭の中に響いていて不快でしかなかったこと。

「じゃああんさんの身体のどこかにもあるんかもな。おい達にゃ、確認できんがな。なぁ、チビちゃん、どっかについてねんか?」

「んー?……あ、あった。」

どうやら私にもついているようだ。

「どこ?」

「首の左側!なんなんだろうね?」

うーんと私たちは首を傾げる。

鈴の意味を考えていると、フェンがご飯だと呼びにきてくれた。


「鈴の音で頭痛?……聞いたことないわね。」

ご飯を食べ終え、一息ついたところでフェンにも聞いてみたが、心当たりはないようだ。

「そっかぁ……。どうしようかな……。」

「うーん。もしかしたら、っていう可能性はあるにはあるのだけどねぇ。」

お皿を片付けながらフェンはボソリとつぶやいた。

「え?何?教えて!」

その言葉を私は聞き逃さなかった。

「あら、地獄耳だこと。……んー……」

フェンはお皿を拭く手を止めて、ほんの一瞬だけ、思案するように空を見た。

「本当に数%ほどの可能性なのよね。」

「それでもいいよ。バリスの声が失われるよりはマシでしょ?」

「……、まぁ……そうね。」

フェンはとある人物のことを教えてくれた。

その人はアル、というらしい。

「呪いや呪術、魔法に関してはイラヴェルナにいる誰よりも詳しい人で、私やリルの鈴の模様にも知ってるかもしれないわ。」

「なら聞いてみるのもアリだね。その人はどこに?」

「分からないの。」

申し訳なさそうな顔をしながらフェンは言った。

「分からない?」

「アルはいろんなところで魔法を教えているのよ。どこにいるのか……。」

「あぁ……。」

それだと何もできない。

どうしたらいいのだろうか。

「エレンに手紙鳩で届けてもらった方が早いと思うわ。」

「へぇ。じゃあ明日朝一でそうしてもらおう。」

鳥が手紙を届けてくれるなんて、まるでどっかの魔法使い映画だろうか。

そんなこと思いながら、私はフェンとバリスにおやすみ、と言ってベッドに入った。

なんかいろいろあったな……と思いながら私は眠りについた。

久しぶりによく眠れたような気がした。


翌朝、身体を起こしてみると、何かがおかしかった。

フェンの家の二階のベッドで寝ていたはずなのに、知らない場所にいた。

周りを見渡しても誰もいない。

不気味な風が私の頬を撫でるように吹いている。

本当にここはどこなのか確かめるためにも、もう一度今度は遠くまで注意して何かないか探した。

すると、かなり集中していないと聞こえないほどの音量で、あの鈴の音がなっていることに気が付いた。

「なんだろう……、いってみるか。」

そうつぶやきながら、私はふらふらと鈴の音に誘われるようにしてたどっていった。

しばらく歩いていると、チロリ、と舌を出した大きな蛇に出くわした。

大きな、大きな蛇だった。

食べられる、そう思ったが、蛇は何を思っているのか、チロチロとしたを出し入れするだけで私のことはまるで興味が無い様子だ。

その時、私の視界がぐらり、と歪んでいった。


気づくと今度こそ朝だった。

あれは夢だったのか?そう思いながら朝ごはんを食べに階段を下りた。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回は次の水曜日に出す予定です。

感想お待ちしてます。



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