最終章 アレンシアの魔女 03話 ばいばい
「できた……」
石碑は、一ヶ月で完成した。
この石碑には、私からあなただけの、特別なメッセージを込めた。
だから読んだら忘れるとか、そういった魔法はかけていない。
余力がなかった、というのが正直なところかな。
私は石碑の台座に背を預け、ずずず、と音を当てて座り込んだ。
多分、もう立てないだろう。
「あ、そうだ」
私は最後の力を振り絞って、魔法を唱える。
これはとても大切な、思い出の魔法。
そして私の想いを、遠い遠い、あなたに届けてくれる魔法。
やったよ。
全てやりきったよ。
……愛してる。
ずーっと、愛してきた。
あなたがいない、この世界で死ぬのは不本意だけど。
私の想いは、きっとあなたに届いてくれる。
これは予想でも願望でもなく、う、うんめい、だから。
どうか、なかないでね。
あなたが私を愛してくれたのは、じゅうぶんつたわってるから。
あなたになら、たべられてもよかったなあ。
そうだ、腕輪、ここにおいておくね。
きっと、気づいてく、れると、おも、うから、さ。
ああ、ねむい。
わた、しは、あなたが、だいすき。
わがままで、りふじんで、わけわかんなくて、ごめんね。
さい、しょから……さいごまで、ね。
ほんと……に、ありが……とう。
さいご、くら、い……い、いいよね。
わた、しは、マール、じゃ……。
…………。




