39.すべての終わり
事件解決から数日後俺「西達志」は未だ現実味を帯びていなかった生活に疑いを向けている。結局あの後は矢島組に全てを任せた。相当働きかけたのだろう。華舞伎町内であの組織が経営していたであろう店が恐るべき速さで無くなっていった。事件解決報告を夜回り先生と結衣ちゃんにも伝えた。川崎がどうやってコピーとして作られたのか、矢島組についてだったり敦のことだったり。もう隠す必要無いので全てを伝えた。もう関わることが無いと思ったが、結衣ちゃんの熱い勧誘と夜回り先生のご意向で俺は結局夜回り先生を手伝うこととなった。
「井出さん来てるかな?」
今日は初めて井出さんと2人で敦のお墓へ行く。勝利報告をするために。
「達志君ここだよ〜」
「あ、すみません!早かったですね」
「さっき来たばっかりだよ。それより警察の兄ちゃんのお墓場所知らないから連れてってね」
「はい!こちらです」
今日はとてもいい天気である。今までずっと夜に活動していたのに、こんな日が差す昼間で活動をするなんておかしな話だ。
「ここです」
敦のお墓に来るのも久しぶりかもしれない。
「敦久しぶりだね」
「警察の兄ちゃん久しぶりだねぇ。お墓参りに来たよ」
もう敦はこの世にいない。だが、生前敦が託した決意は俺らが命懸けで達成した。文句は言われないだろう。
「お前のせいで死にかけたんだぞ敦」
「本当だよね。無茶な作戦を投げてきてさ」
「昔からこんなんですよこいつは」
「でも、1番伝えないといけないことあるよね達志君」
「そうですね。敦…川崎の事件は全て解決したよ。俺たちの大勝利だ」
これを生きて伝えられる日を敦は確信していたのだろうか。
「あたしもお墓参りに呼ぶべきではないかしら」
「え?」
俺と井出さんは後ろを振り向いた。シェリーがお花を持ってそこに立っていた。
「シェリー…来てくれたんですね」
「事件の解決は太田敦が我々に情報を持ってきたからよ。警察のデータベースから奴ら組織に関わりそうなものを全てウチに教えてくれた。だから解決できたの」
「敦が…」
「太田敦が死ぬ前最後に会った味方側の人間は多分私よ。ちょくちょく組に来てたから」「そうだったんですね。何回か訪れる中で作戦を伝えてきたってことで合ってますか?」「そうよ。太田敦はあなたの幸運体質に賭けた。見事それが達成されたということ」
敦は古い仲だ。俺が運のいい男だということを誰よりも知っている。だからこそ、こんな命を賭けねばならぬ無茶な作戦を振ってきた。なんでやつだ。
「シェリー。達志君。とりあえずお線香あげようか」
「はい。そうしましょう」
お線香の煙は天高く飛び立つ。敦への勝利の狼煙。シェリーが一言発した。
「燦々と光り輝く太陽でもあなたは起きないのね」
初めての旅行記以外での長編作品でした。
拙い部分多かったと思われます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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