始まりー何なの!
旅人と放浪者の違いをご存知だろうか?
旅人は行く先を決めているが、放浪者はそうではない。
旅はその日の宿があるが、放浪はそうは行かない。
それでは、私は?
「曾祖母?」
「長く、お一人で、お暮らしだったようです。」
名前だけは、聞いたことがあるが、会ったことはない。
しかも、血縁は私が、一番近いと云う。
連絡をしてきた弁護士は随分探したと言った。
「いえ、こちらこそ、ご連絡が遅くなり申し訳ございませんでした。」
仕事はとんでもなく忙しかった、
その上、私は暫くの間倒れていた。いろいろな意味で・・・・
「お渡ししたいものは、コレになります。」
示された包は人の背丈ほどある。
持ち上げろと言われたので、手にする。すると、その意外な軽さに驚いた。
「こんなに、大きいのに・・・・」
「ほう・・・・!」
「それでは、これを頂いて、御暇いたします。」
「あっ、申し訳ございません。もう一点ございます。」
「・・・・」
「その品を落つことが出来た者を、此処に案内するようにと、地図が添付されています。」
連れてゆかれたのは郊外の、山の麓、
そこには、突然の密林が出現していた。
弁護士は、「それでは」と、言葉を残し去ってしまった。
「えっ!、どうして、・・・」置いて行かないで・・・・
その時、・・・・携えてきた包が震えだした。そして、・・・何か、聞こえた。