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ヘンタイさんが、通る

作者: 永永

あなたがもし女性なら、1度は遭遇した事があるかもしれない。ヤツは暗い夜道に出没する事が多いが、早朝や真昼頃でもたまに出て来る。顔ぶれは毎回様々だ。私は奴らを「変態さん」と呼んでいる。

中学3年生の頃、土曜日の晴れた昼頃、友達と別れて1人で歩いていると、いきなり後ろから抱えこまれ、そのまま壁に押し付けられた。スカートに手を突っ込み、口を手で塞ごうとしたので振り切り、デカイ声で「バカヤロウ!死ね!」とどなり付けた。ヤツは猛スピードで走って逃げて行った。全身黒づくめの男で、足音の立たない、黒足袋を履いていた。

高校生の頃。本屋に行って参考書を探していると、左隣に大学生位の男が並んで立った。佇まいだけでなく、グロテスクなデカくなった具を取り出して黙って見せびらかして来た。私は反対側にカニ歩きしながら少しずつ、少しずつ離れ、それから二度と、そこの本屋に行かなかった。

浪人生の頃はジジイだった。駅のホームに座っていると、いきなり隣に座って来て、「ホテル行かない?」と誘って来る。「イヤですよ。警察行きます。」と都度断るが、色々な駅を降りても私を探し当て、同じように何回も声を掛けて来る。

大学生の頃。古本屋で1人、店番をしていたら、真夏なのにマスクを付けて背広を来た男が独りでやって来た。来たな、と思いつつ知らん顔して座っていると、いきなり、自らの具を目の前に出して来て、「僕変態なんです。」と名乗って来た。「隣のパン屋に女の子沢山いますよ。その格好でパン屋行ったらどうですか。」と返したら、「あの、用を済ませたら帰ります。」と言って、勝手に独りで昇天して帰って言った。帰る時彼は、「最近ストレスが溜まっていたのです。有難うございました」と言って去って行った。

大学卒業した頃、21時頃自転車に乗っていると、どこからともなく白いワゴン車が走って来て、10m後をゆっくりしたスピードで着いてくる。車の通れない道に入り込むとその車は諦めて去って行ったが、これは2年近く何回も遭遇した。

ある晴れた昼頃、線路添いの道を歩いていると、「キャー!」と云う叫び声が車の中から聞こえてきた。あの白いワゴン車だ。車体No.を覚えるにも速すぎて追えない。その頃は携帯すら無かった時代で、近くに公衆電話も無く、通報も出来なかった。

オバサンになっても変態さんに遭遇する。通りすがりに車に乗った男から道を聞かれる。簡潔に説明すると「道が判りにくいので、ちょっと乗って教えてもらえませんか」と誘って来る。「私家すぐそこなんです。近くに交番あるので聞いてみては?」と説明すると黙って去って行った。一見普通の青年ぶってるけど、バレてんだよクソが。と内心思っていた。この手口は何度も遭遇した。変態さんの良くある手口だったと判ったのは10年以上も後だった。

また別の日。始発の電車に乗ろうとすると、グラサン男が近づいて来た。いきなりお尻を触り、「気持ちいいことしよう。」と言ってニヤリとされた。「ヤだよ。アンタ下手そうじゃん」と返したら黙って去って行った。

つい2年位前の事。東京のど真ん中にまた違うヤツが居た。終電に乗ろうと駅のホームを歩いていると、サラリーマン風の男がすれ違い様私に向かって「Cカップ位」とささやいて来た。制汗スプレー顔に撒いたら死ぬかなコイツ、と思いながら無視していると、数日後、降車駅を出た所で同じヤツと遭遇した。目の前に交番があると言うのに、ドアが閉まっているのを良い事に自身の具をズボン越しに持ち上げながら「オッパイオッパイ!」と話しかけて来る。「頭大丈夫かよ?そこ警察だよ!」と返してやると、警察と反対方向に黙って去って行った。

明日も遭遇したらイヤだなあと思っていたら、父が他界してしまい、降車駅でしばらく降りずに実家に一旦戻る事になる。

ああ今回は父に助けられたかも。悲しいけど有難う、と思っていたら、ある晩、父が夢に出てきた。父はビジネスホテルのベッドに座って私に話しかけた。「もう父娘じゃないから思う存分愛しあおう。」父まで変態さんか、と飽きれた所で目が覚めた。

私がババアになったら変態さんに遭わなくなるだろうか。それともやっぱり、私が変態さんなんだろうか。その割に何だか全然絞まらないが、この話はこれでおしまい。

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