表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/33

第十九話ミツナの研究



「いやぁ~、ミツナ殿の訓練は中々にキツいでござるな!拙者倒れるかと思いましたぞ!」


「いやいやいや、初日で倒れなかったんだから寧ろやばいだろ。それ以前に模擬戦負けそうでヒャッとしたんだけど。本当に戦闘経験ないの?」


「ああ、模擬戦の時はなんだか頭に戦い方が思い浮かんで……自分が自分じゃないような感じがしたんでござるよ。そういうのお二人はないでござるか?デュフ、デュフフ」


「いや、僕は特にないよ。コトリは?」


「私も無いわよ。あんたそれ才能あるんじゃないの?」


「そ、そうでござるか?嬉しいですな!デュフフフフフ」


「……その喋り方なんとかならないの?」


「なんともならないでござる!」


こうして、僕達は賢者の塔に戻ってきたのだが、夕飯を食べようというところでコトリが顔を青ざめて言った。


「あっ!……どうしようマズイ」


「何が?」


「今日……お肉の特売日なのよ。えーっと……7時までだから今から行けばギリ間に合うかも」


「あと15分しか無いじゃん。ここから特売スーパーまで結構遠いし諦めたら?」


「舐めたこと言ってんじゃ無いわよ!お肉の安売りなんて滅多に無いじゃない!レイナ、私に身体強化かけて。走って買ってくる」


そこまでしてか……別に良いけど

僕が身体強化をかけたら、コトリは急いでスーパーに行った。

あいつ、財布持ってなくね?


「まぁ良いか。リエ、今日の晩飯何にする?」


「拙者はカレーか肉じゃががいいでござるな!デュフフ」


「OKどっちもそんなに材料変わらないな。肉以外はあるものでいけるだろ。コトリが帰ってくるまで他の食材調理しとくか……」


そう思ってキッチンに向かおうとした時、

師匠が僕たちを呼んだ。


「おーい!2人とも、ちょっとこっちを手伝っておくれ!」


「はいはい、何ですか?」


「この本たちをあの棚に片付けたいんじゃが、ワシじゃ手が届かんくてな。下の段はワシがやるから上は主らに頼む」


見ると、数百冊にも及ぶ本が山積みになっていた。本棚は高く、師匠はどうやら1段目までしか届かないらしい。


「分かりました。リエは魔法で1番上を頼む。僕は2段目をやるから」


「了解でありますぞ!」


そうして片付けること20分ほど……

案外早く片付きおわり、3人でチョコレートを食べていた。


「ふぅ……というかよく考えたら師匠も魔法使えるんだから1人でできたはずじゃ?」


「……」


「この人、初めから手伝わせる為だったんだな」


「なんですと!許せませんなそれは」


「ええい!うるさいワイ!年寄りは敬えぃ!」


「そもそも、この本たちは一体何なんですか?」


「……研究の一環じゃわい」


「そういえば気になってたんですけど、師匠って何の研究してるんです?」


「何でもええじゃろ、子供が見るもんじゃないわい!」


「おいリエ、そこら辺のやつちょっと開いてみろ」


「了解でござる」


「ヤメローーー!!!!!」


すると、本を開いたリエが興味津々にページを巡り始めた。


「おい、一体何があったんだよ」


「これは……凄いでござる。巨乳から貧乳、熟女からロリまで幅広く対応してるでござるよ!」


「何見てんだよこの変態!」


「はぁ〜。バレてしまっては仕方ないのう。……一緒に見るか?」


「嫌すぎるわ!師匠とエロ本読むとか何の罰ゲームだよ。てかリエもいい加減読むのやめろよ」


「ほお?リエはこういうのがわかるようじゃな。お主はどれが好みじゃ?」


「はい、拙者の好みは……」


どうやらえらく気に入ったようで、リエと師匠が2人して読み始めてしまった。

なんだか僕だけ除け者みたいで嫌なんだが……


「……レイナよ。恥ずかしがることはない。こういうのに興味を持つのも修行の一環じゃ」


「んなわけあるか!大体もうすぐコトリも帰ってくるんだし程々にしといて下さい!」


しかし、あまりに嬉しそうに読むので少し気になってしまう。


「まったく……読みたいと顔にでとるぞ?ほれ、これでも読めい」


「ん……」


パッと渡されたエロ本を流れで素直に読み始める。


「へぇ…意外と……ふぅ…ん」


そのまま少しだけ読んでいたら後ろに気配を感じた。


「ねぇ……何読んでるの?レイナ」


「こ、コトリ……帰ってたんだ。お肉は買えた?」


いつの間にやら師匠とリエはいなくなっていた。コトリは全て知っている上で質問をしてきている。だって目が冷たいもん。


「お財布忘れたから買えなかったわ。それより、何読んでたの?」


「えーっと……これは……」


「な、に、読んでたの?」


「エロ本です……」


「レイナ、1週間晩飯抜きね」


「えっ……死んじゃう」


「抜きね」


「……はい」


コトリが部屋から出て行き、暫くして師匠とリエが本棚の裏から出てきた。


「ふぅ……まったくレイナよ。程々にしておけと言ったのに」


「お前らのせいだろうが!」


「そんなことより、お主ら良い加減戻らんか。また怪しまれるぞ?」


「グッ……師匠が正論言ってるの腹立つ……」


仕方なくレイナとリエは自分達の部屋に戻ったのだった。


「……ふぅ、やれやれ行ったか。それにしてもよかったわい。見られたのがエロ本の方で……こっちの研究は……まだあやつらには見せれんからのう……」


ミツナはそう呟くき、物陰でニヤリと笑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ