表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/33

第十三話勇者誕生



「ゆ、勇者?」


僕のステータスの職業には勇者としっかり書かれていた。


「えっ、ガチ……?幻覚?ほん……とに?」


パクパクと口を動かせながら職業を見つめる。

何度見てもやはり勇者と書いてある。


「って事は……僕が…本当に勇者なんだ……」


こうしてはいられないと、レイナはすぐさま家を飛び出してコトリの家に向かう。

コトリの家は結構近いのだ。歩いて数分の所だから走ればすぐに着く。

そう思って走り始めたが、体感いつもの10倍は速い。


「うわっ!!」


そのスピードに慣れることができず、途中の小石に躓いて倒れてしまった。


「いてて……そうか、勇者の職業の効果か」


今度から気をつけねばなるまい。

確認の為ステータスを開いて勇者の効果を見てみると、あらゆる能力が10倍近くまで伸びている。


「ハハハ……こりゃ練習が必要だな」


起きあがろうとすると、目の前にコトリがいた。


「えーっと……大丈夫?」


「ちょ!なんでいるの!?」


「そりゃ居るわよ。ここうちの庭なんだから……」


よく見るとあまりの速さで10秒足らずのうちにコトリの家についてしまったようだ。

コトリは申し訳なそうな顔をして此方を見て……暫くして頭を下げた。


「ごめんなさい。昼間は叩いちゃって……あなたは何も悪くないのに私……私……怖くって」


「もう良いよそんな事」


「良くないわよ!痛かったでょ?大丈夫?」


「へっちゃらさ!そんな事よりコトリ……僕からも一つ言いたいことがある」


「何?」


「僕ね、勇者になったんだ。だから安心して。僕が君を守ってあげるから」


「え………うそ…でしょ……」


「嘘じゃないよ本当さ。試しにもう一度叩いてみてよ」


「……Mなの?」


「違うわ!もう痛くもないよって事」


「本当?」


「僕を信じろって」


「……わかったわ。後悔しないでね?えいっ!」


そう言ってコトリは僕の顔を叩いた。

今度は昼間のように遠くまで吹っ飛ばされず、

少し頬が赤くなったくらいで済んだ。

まあ痛い事は痛いが、昼間のようなレベルではない。


「ほん……とだ。て事は本当に勇者になったの?」


「もちろん。これから例えどこに行くとしても、僕が君を守ってあげる」


途端、コトリは嬉しそうな顔をして僕に抱きついてきた。


「ちょ、コトリ?」


「……私ね…本当は戦うことそのものが怖かったんじゃないの。本当はお母さんやお父さん……レイナやココアと離れ離れになって戦わなきゃいけない事が1番怖かったの……でもね、あなたが居るなら私はどこにでも行ける……いつでも戦える!」


心底嬉しそうに僕を見つめるとゆっくりと顔を近づけてキスをした。


「こ、コトリ?」


「ふふふ、ファーストキス……」


僕にもたれかかるコトリは月明かりに照らされて実に幻想的だ。その天女のような彼女を僕は力一杯抱きしめた。




勇者は男もいるし女もいる

聖騎士は男もいるし女もいる

賢者は男確定

聖女は女確定

職業は決まった性別でないとなれない場合がある。この決まりから外れる事はあまり無いが、稀に性別限定の職業で異なる性別の職業を手に入れることがある。

例えば、ユニーク職業で相手の職業をコピー出来るなどの職業だった場合は違う性別の職業にもなれる。 

性別限定と書いたが、あくまで肉体の性別であり、心の性別は残念ながら考慮されない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ