表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

悪役女帝と計画

1話を読んでいただきありがとうございます。

「ということで、九条みやびはポンコツになろうと思うの!」

「へぇ~そうですか。いいんじゃないですか。お、このケーキ甘さ控えめでおいしいですね!」

「ちょっとケーキばかり食べていないで私の話聞いてよ!」

思わず席を立つ私に対して蓮はまだケーキを食べている。

入学式は無事終了し、クラスでの顔合わせも終えて、私たちは食堂に設置されているカフェに来ていた。

ちなみに私がクラスに入った途端、それまでにぎやかだったクラスは驚くほど静かになった。悲しい。

「いつまで落ち込んでいるんですか。お嬢様の顔がこわいのは元からでしょ。」

「主人が落ち込んでいるのになんてこと言うのよ!あと私の顔こわくないし!可愛いし!」

「はいはい、可愛い可愛い。お嬢様、ケーキ食べないならもらっていいですか?」

「あげないわよバカ!」


話しが脱線してしまったが、私たちは今作戦会議中だ。題して『九条みやびポンコツ化計画』!

ポンコツになればゲームと同じストーリーで進むのではないかというのが私の考えだ。せめて卒業はさせてほしい!それ以降ならどこに飛ばされてもいいから!それにポンコツ属性が付けばもしかしたらお友達もできるかもしれない!花の女子高生なのに放課後は自宅直帰、休日は家に引きこもりは切なすぎる。


「女帝って影で呼ばれている人がいきなりポンコツになっても、みんな恐怖するだけですよ。」

「お友達ができたら学校帰りにカフェに寄ったり、休日は一緒にお買い物に行くのよ!楽しみー!!」

「だめだ…聞いてない…」

「さて、まずはどうポンコツアピールしていこうかしら…とりあえず明日の登校時にパジャマ着ていく?」

「それは本当にやめてください。九条の名前に傷がつきます。」

「そのくらいで傷つくほどうちの家名はやわではないわ!」

「隣にいる俺が恥ずかしくて死んじゃう…」

うーん、思った以上にポンコツって難しいわね…私だってパジャマ登校はちょっと…さすがに常識が無さすぎるわ。

「ゲームのポンコツお嬢様はどのようなことをしてポンコツ扱いされていたのですか?」

「たしか…毎日忘れ物をしていたり、何もないところで転んだりしていたわ。あとカレーとか制服に付いていたわね。」

「まさかお嬢様も同じことをするつもりですか…?」

蓮の声が震えている。顔色も少し悪い。

「するつもりだけど…でも安心して!周りに迷惑がかかるようなことはしないわ!」

「本当に大丈夫かな…」

「もう!心配性なんだから!九条家の品位を落とすようなことはしなわよ。」

「そこは別に心配してないんですけどね…」

「?」


蓮は一体何を心配しているのかしら?まぁけどいいわ。やりすぎなようならきっと蓮が止めてくれるし…

私は完璧にポンコツを演じるだけ!この3年間でお友達を捕まえるわよ!

「お嬢様、お友達はつくるものであって捕らえるものではありませんよ。」

「おおっと、間違えた。こんな風に放課後にお話ししながらケーキを食べるの!女子会!」

「お嬢様が一緒にケーキ食べる相手は俺だけですもんね。かわいそうに…」

「何が悲しくて従者とお茶しているのかしら…そういえば蓮、そのケーキ食べないの?半分残っているわ。」

「あぁ、これはお嬢様と交換しようと思って残していました。味に飽きてしまって…」

「あら、そうなの?しょうがないわね、交換しましょうか。ナイフいただける?半分にするわ。」

本当は蓮のケーキと迷っていたのよね。両方食べられてラッキー。

「おいしいですか?お嬢様」

「どちらもおいしいわ!けど一番は蓮のつくったケーキね!」

「ありがとうございます。家に帰ったら何かつくりましょうか。」

「やったー!蓮ありがとう!」

「そろそろ帰りましょうか。お迎えが来る頃です。」

「…そうね。」


さぁ、明日からいよいよ『九条みやびポンコツ化計画』スタートよ!


ここまで読んでいただきありがとうございます。

亀更新ですが、温かい目で見守っていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ