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異世界転移先が殺人事件だらけの小さな村だった〜田舎パンとマリトッツォ殺人事件〜  作者: 地野千塩


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37話 閃いた!

 医院から出た後、図書館に行こうかと思った。


 しかし図書館の扉に閉館日という看板がぶら下がっているのが見えた。そういえば司書のジャスミンは王都に行くと行っていた。


 仕方ない。今日がこの国の歴史や文化の勉強は中止し、事件の調査を再開するしか無いようである。


 まず一番怪しい魔老婆。次に何か事情を知っていそうなロブ。


 魔老婆の家はどこのあるかわから無い。とりあえずロブに会おうと思い、図書館から商店街の方に歩き始めた。


 日本より空気がサラリとしているとはいえ、日差しが強い。舗装されていない田舎に畦道を歩いているだけで汗びっしょりである。この田舎に住むだけでいい運動である。村人でリリー以外太っている人物はいない事が頷ける。


「ハイ! マスミ!」


 途中でアナに出会う。昨日と同じ場所で同じようにジュースを売っていた。そういえば喉が乾いている。


「何かジュース買おうかな。この赤いのは、ベリー?」

「うん、木苺のジュース。うちの農家で採れたやつで美味しいのよ。甘酸っぱくて、ビタミンCが豊富でお肌は綺麗になるわよ!」


 どうやらアナは木苺が最推しらしい。私は小銭をいくつか払い、木苺のジュースを注文した。


 しばらくしてアナからジュースを受け取る。氷が入りよく冷えたジュースである。濃い赤い色が鮮やかである。一瞬杏奈先生が流した血を思い出しそうになるが、無理矢理頭から追い払う。


「ところでマスミ、事件の捜査をしてるって聞いたわよ」

「ええ。そんな噂になってる?」


 犯人にその事がバレるのはあまり良い事ではない。

 木苺のジュースを口をつける。甘酸っぱさと冷たさが口いっぱい広がり、噂の事など忘れそうになる。昨日のレモンジュースもおいしかったが、やはり青空の下で飲むジュースは室内で飲むより数倍美味しく感じる。今日のように少々暑い日は尚更である。


「おいしい、ジュース」

「あら、気に入ってもらってよかったわ。トッピングでレモン入れる?」

「いえ、それはいいわ。ところでアナ、あの占い師の家ってどこにあるか知らない?」

「ああ、チェリーの事?」


 アナも魔老婆に良い印象は無いのだろう。可哀想だとも思っているのも事実だろうが、話題に出されtら嬉しいとおう人物でも無いらしい。


「もしかしてチェリーが犯人だったりするの?」

「うーん。まだ何とも言えないけど、怪しいとは思っている。何か話が聞ければ良いと思って」

「チェリーの家は教会の側の湖をずっと先にある森にあるって噂」

「噂?」

「誰もあの人の家を見た事無いらしいわ。私も知らない。噂では、魔女とか言われてるわね〜」


 アナはちょっと面白そうにヒヒヒと笑っていた。ちょっと私を怖がらせて面白がっているようだ。若い娘らしい無邪気さを感じる。テレビやスマフォのない世界に若い娘や子供は無邪気に見える。教会の子供達だってヤンチャではあるが、日本の子供より生命力みたいなものがあるように感じる。


「でも行ってみようかな」

「え、本当? 気をつけて、あの占い師に食べられてしまうかもよ〜」

「そんな事無いでしょ。とりあえず行ってみるわ」


 私は木苺のジュースをちびちびと飲みながら、教会の前を歩き、湖にほとりを歩く。


 湖の表面は、太陽の光が反射して綺麗だ。まるでビーズがばらまかれたようにキラキラとしている。こんな事件の捜査中でなければ、昨日初めておいしいと思った田舎パンやジュースペーストでも持ってピクニックにでも行きたい気分だ。残念ながら今はあの魔老婆について調べなければならない。


 湖のほとりを抜けて、薄暗い森に足を踏み入れる。木陰に入り、風も心地よい。


 一見家らしきものは見えないが、とりあえず歩いて見る事にした。しかし、途中から誰かの気配を感じた。


 鳥の鳴き声も何か別の恐ろしい動物の鳴き声にまで聴こえてしまう。気のせいだと思い込み、木苺のジュースを飲み干した。


 しかし、背後からひたひたと誰かの気配が感じてしまう。


 しばらく歩き続け、オンボロ小屋を見つけたが、この人の気配にわたしはすっかり怖気付いていた。


「誰? 誰かいるの?」


 大きな声で叫んだが返事はない。

 やっぱりあの嫌がらせは、自分に向けたもの?火事も私に向けたもの?そんな確信がだんだん強くなっている。


 しかし一旦立ち止まり、事件についてメモしたノートを冷静になって読み返す。

 そして一行だけペンで書く。


 ・私を殺したい人間がいる?



 書いていて怖くなったが、ここで怖がっても意味が無い。私は自分に冷静になれと自分に言い聞かせて、考える。


 ・私を殺したい理由は何?もしかして転移者だけが知っている事実が、犯人にとって都合が悪い?


 私は目を瞑り、この世界の森の新鮮な空気吸う。深呼吸しているとどんどん冷静になって来る。


 ・犯人は日本の知識(または財産)を悪用してこの世界で得してた?


 杏奈先生も得していた一人であるが、犯人にとって都合の悪い事実を知って殺された?あるいは犯人と共謀して悪い事をしていたが、お金の取り分などで揉めて犯人に殺された?


 だとすると辻褄があう。自分を殺したい犯人の意図もありありとわかる。


 問題は日本の何をネタに悪い事をしていたのか?やっぱり本?だとしたら犯人は一人しかいないだろう。


 証拠も無いし、この犯人には何となく負けそうなきもするが、これ以上魔老婆の事を探っても意味がないだろう。


 犯人はやっぱりあの人だ。

 問題はどうやって自白させるかである。

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