15.埋葬
「ふーーーーーー食休食休」
部屋に戻り椅子に座りぐでぇーとしていると
「お嬢様」
「んー?」
呼ばれたので見るとクリルがなにか、大きな封筒を5つほど持ってきていた
「それは何ですか?」
「奥様からお嬢様に依頼の品を渡したいとのことです」
依頼の品?
「どうぞ」
「ん」
クリルから受け取り中を見る
「……ああ…………両親の墓のことね」
………ある意味、私のせいで早くに亡くなったと言っても過言ではない、けれども……死者の墓を豪華にしようが埋葬の品を豪華にしようが意味は無い
それらはただの自己満足に過ぎない……でも……それでも、墓暴きにあわない程度には豪華にしたいし、管理もきちんとされているお墓にするぐらいはいいよね
すると選ぶならば……良くも悪くもない…………うーん
「ここにする」
貴族墓地ではない平民の墓地の中で比較的綺麗な墓地を選んだ、書類情報では墓参りに来る人と墓守で仲が悪いということもない
「かしこまりました」
「よろしく〜」
「では、早速支度をし行きましょう」
「…………うん、分かった」
墓だし近日お伺いすね〜って言わないくていいのか?
着替え中、クリルに聞くと
「いえ、用意させますので」
などと言われた。
「いや、待ってよ。貴族だし無茶振りするのは分かるけどそこ平民墓地だよね?」
「はい、そうですが?」
クリル?分かって無い様だけどさ平民は無茶振りや無理な要求しないよ?
「平民として両親の埋葬をしたいの……理解してる?」
「はい」
『なにか問題が?』という顔をクリルさんがしている。どうやらクリルは貴族の側で日頃生活しているせいか色々と忘れているようだ、ならば…
「…そこに両親の埋葬をお願いしに行くのも、その他埋葬に必要なことをしに行くのも私自身がするね」
「いけませんお嬢様、絶対に反対です!」
「いや、平民がメイド連れていたらおかしいし、そもそも私1人で探したり埋葬の手続きする予定だったよ?」
「お嬢様に万が一のことがあってはいけませんので、付いて行きます」
万が一って何が起こるというのだろうか?
「世の中には危険が一杯ですよ?」
そりゃそうだけどさぁ
「それにナルティアーノお嬢様にそっくりである以上は、拉致監禁の可能性があります」
あるのか?あってしまうのか?そんな可能性
「いっそぉ囮にぃつかっ『ブンッ』っとぉ!」
サポリアが登場したと思ったらクリルが光の剣を取り出し振るった…サポリアに向かって
「あーぶーねーじゃねぇですかぁ!」
プンプンと、頭からエフェクトが出そうな怒りをあらわにして、拳を上下に振るって講義するサポリアを無視して私の方見るクリル
「今のサポリアの発言はお忘れください」
「いや私も囮にはなりたくないよ」
助かるのは本来ありえない事ぐらい、私にもわかってる。だって向うもある意味プロだそれで向うは生計を立てているのだから、人攫いにあって助かるのは物語だけ売られたあとに見つかれば御の字であり
捕まっている最中に発見されるのは何年もの間組織を調べてアジトらしき場所にいくつか目星がついている人がいないとまず助からない、向うも移動するし同じ場所を監禁場所にはしないし、この世界は魔法があるそれの対策もしているだろう
きっとこの2人でも見つけることは出来ないのだろう。
「まぁー攫われぇましたらぁ〜早々に救出されますことわぁ諦めましてぇー、自死することをぉオーススメェしますよぉ」
「……まじ?」
クリルを見ると
「………はい、早々に諦めて下さい」
「攫われ中の救出確率は?」
「半々といったところでしょう」
「攫われ後の救出確率は?」
「ぜっろでーーーーーすぅ♪」
なんということだろうか…
「私が万が一監禁された場合はクリル、サポリアの2人でも難しいでしょうか?」
そういった瞬間、クリルは跪いた
「誠に申し訳御座いませんが難しかと思います」
「ムリですよぉ厶ーリー」
………マジかこの世界、拉致監禁はそこまでヤバいん?
「そっか………じゃあ仕方ないね」
「申し訳御座いません。可能な限りお嬢様の要望は叶えたく思いますが我慢をして頂く他ありませんので」
「ん………分かった」
そんなに危険ならば仕方が………………?
なんだろう何かが引っ掛かる。でも、クリル、サポリア両名の言う事も理解は……でき…………る?
なんだろう私は何が引っ掛かるのだろうか?
「ではお嬢様、お嬢様がお選びになった場所へ参りましょう」
「あ、うん」
「サポリアは墓守へ連絡」
「う〜〜い」
すべての準備を終えて、仕方なく馬車に乗り移動することになった私は、移動中に気がつく
「止まって」
「………」
「ぴゅ、ぴゅ~……………」
「止めてよ、クリル、サポリア」
怒りで笑顔の私を無視する2人
「止めろと言っている…じゃないと捕まると分かっていても、毎日逃げ出すよ?」
面倒なことは避けたいでしょ?
「はぁ………『コンコン』止めてください」
クリルは御者側に合図のノックをして言葉を告げた。
「ま〜気が付きますよねぇ普通」
「ええ、ですが1日も持たないとは残念です」
そうチラリと見えた子供のはしゃぐ姿、拉致監禁が頻繁に行われていたり、そこまで危険ならば子供をそんなに外で遊ばせる訳がないし、そもそも私はこれまで親と一緒に旅商人のマネごとをしてきていた。
商人情報大事、両親が生きていた頃その中で人攫いの話はそこまで聞かなかったし、そんなに危険ならば
「ねぇ、本当に危険?」
「…………ええ」
「………危険ですよぉ?」
「じゃあ何で護衛が居ないの?」
少なくとも、メイド2人だけと移動すなんて事はないでしょうに、いくら強いといえども数は見た瞬間に簡単には拉致しづらいと思わせる抑止力にはなるだろう
「………」
「テヘッ♪」
はいはいさっきの話は一部は嘘だったんですね
「ここから歩いていきます!」
自分で開けて降りる
「お気をつけて」
「いってらぁ〜」
ついてこないし!?
「え?」
「お嬢様」
「プププ、既にぃ、着いてまぁ〜した♪」
……………くそぅ
私は墓地に併設されている教会に入る
「これはこれはお嬢様、お待ちしておりました」
お嬢様………………
私は嫌な予感がしたが…まあ、馬車が横付けされて降りてきたのが綺麗なドレスを着た私となっては、察することができないほうがおかしいですよね
その私の予感通り、終始丁寧な説明と棺を埋める予定地を見せていただき、後日埋葬することになった
******後日******
流石に埋葬の日ぐらいは、サポリアも巫山戯ることもなく黙ったまま私の生みの親の埋葬に付き合ってくれた
「…………」
ストレージを開き中に入り親を見る。あの日からスキルに書いてあった通り、時間経過はなくて当時のまま
「………………おまたせ、埋葬……するね」
そう言うと私の目から涙が流れ始める、ハンカチに吸わせても次から次へ流れて止まらない
この世界の死者は、火葬して骨を砕き、壺に骨を入れて墓石の下に入れるそうです。理由は、ゾンビやスケルトンにならないようにというのと、ネクロマンサーに利用されないようにとのこと
遺体を外に出してから、私の記憶は曖昧になり、よく覚えていないうちに両親の肉体に別れを告げていつの間にか骨となった両親の骨を砕き、骨壷に入れたと思ったら墓石の下に入れていた
「………………」
涙はずっと流れっぱなしだ
「それでは、閉めます」
骨の入った骨壷が……………………見えなくなった
胸が苦しい……痛い…………
「ふぅ……………ぐぅ……………」
抑えようと思っても嗚咽が漏れる。本当にコレでお別れなのだと自覚が今更来た。つい数時間前まで肉体のあった両親は骨となり、親が骨となった自覚を得る前に骨を壺に入れ、墓石の下に入れても呆然とするだけで言われるままに動いていただけで
骨壷が見えなくなった瞬間に、ようやく私に悲しみが一気に溢れた
「………それでは、花を添えていただきますか」
私は悲しさで震えつつも供え祈る
「………以上で終わりですが、本当に一般的な平民の埋葬でよろしかったのですか?今からでも貴族様のように神官様をお呼びして」
「いいえ、コレでいいんです」
私は貴族様の仲間入りをしたといえども、それは一時的なだけで両親は関係ないし立派な葬儀は求めていない
「ありがとうございました墓守様」
私はそう告げると馬車の方へ歩き出す
そこから私の記憶はない、きっと泣き続けて泣き付かれてしまったのだろう。
けれど次の日、目が覚めたらちょっとした胸の暖かさがあった。覚えていないけれど、きっと夢で両親に逢えたのだろう。アルティアーの気持ちの整理が少しだけ、ついたのだろう両親の埋葬が出来たのだから
私はほっぺを叩き気持ちを入れ替えてベッドから出る
「さあ、色々と頑張るぞ!」
気持ちはほっぺを叩くぐらいでは入れ替えれなかった。でも前に進まなければ、予想より遥かにダメージがデカかった埋葬だったけれどいつかはやらなければいけなかったことだ
すぐには無理でも、色褪せてやがて過去になる。でも私は生きている。にぎやかな屋敷に世話になっているから気持ちが沈むことはない、今は空元気、でもいつかは元気を出そう
私は、未だ朝の支度に来ないサポリアの名前を呼びながら部屋を出たのだった
終わりませんよ?
続きますが更新はしばらく無いでしょうメインのきよわわの作品を楽しく書いてて、こっちを最近ないがしろにしてしまっている状態です。こっちを楽しみにしているお方には申し訳ありません。ごめんなさい、しばらく更新ありません




