12.なんと酷い
おまたせしました
「いいわよ〜♪」
は?
「何をポカンと口を開けているのよこの子ったら淑女としてせめて驚くにしても口は閉じなさい…ね?」
そう言って私の頭上を抑えて、もう片方の手で顎を押し上げて閉じさせる
「……うん、これでいいわね♪」
私と妹ちゃんが家に帰ると私はすぐにお母様にダメで元でお願いしてみたら、なんとあっさりOKを貰えて契約内容の4番目を変更してくれた。
「本当にいいのですか、お母様?」
「もぉ〜、私をなんだと思ってるの?大事な娘だもん、例え向こうが王様だろうがなんだろうが娘の意見が第一よ?家族は………守るわっ!」
お母様………いや、待って!
「流石に王様に逆らうのはどうかと…」
「そこは大丈夫よ」
人差し指を立ててニッコリと笑うお母様、秘策があるのだろうか?
「そもそも家は、家格を上げたくもないし報酬も貰いたくないしそもそも貴族になりたくなんてなかったのよ」
?
「強いくせに権力欲はなくて傭兵上がりでね〜」
それは、純貴族様にはうっとおしい存在でしょうに…
「だからね、王城とかに行った際に」
お母様は1つのお父様の面白エピソードを話した
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『ほぅ、成り上がりが恥ずかしげもなく王城に来おったぞ!』
『然り然り、なんとも王の気遣いに甘えて来るとは、辞退すれば良いものを』
お父様はそれを聞くとズンズンとコソコソと話す貴族2人のもとへ歩いていき
『そのとおりだ!ほんっとうにそのとおりだ!』
と近くで大声を出し
『頼む助けてくれ、家に帰りたいのだ!』
言うと同時に頭を下げる。そして言葉を続けた
『どうか、貴族様達の署名を集めて私を貴族にふさわしくないと、王様に進言して私に自由を与えてはくれないだろうか!』
そして書類を1枚取り出し、頭の上に掲げ
『コチラに署名を!私を助けると思って!!!』
そう願ったが誰も署名してくれなかった。だかその署名はしておくべきであった。戦勝パーティーの最終日、王様は言った
『ヴァンドルフととある賭けをしていたのだよ、このヴァンドルフは貴族になりたく無いと言った。だが我としては他国に勧誘されてよそへ行かれても困るので、爵位を与え国に止めようと思ったのでな……
だから賭けをしたのだよ。一定数の署名を集めることができれば望むようにしてやると、集められなければ貴族の仲間入りだとな……
くっふふふ、結果はどうだ?誰一人署名用紙に名を書いてはおらなかったぞ、つまり誰も文句はないという貴殿たちの意志は受け取った!彼は今日から貴族の仲間入りを果たしたのだそれが我が国の総意だ!』
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「そこで署名をしてくれていれば、静かにのんびり暮らせたのにね〜?」
「いや無理でしょ!」
大戦果を上げた人に報酬を与えないわけにもいかないし、それに万が一よそに行かれても困るから当然の処置だと思いますし、何より王様の罠にしか思えないから署名もできない……
署名したらしたらそれはそれで罠っぽい
署名しなかったら王様の思惑通り、署名したら罠ってもう自身の安全を考えたらしない1択ですよね
まだ英雄たる我が父を貴族になってもらってから蹴落とす方が安全性が高いですから……
はぁ〜……まあ無理やりではないですし、一応王子がどんなやつか一度行かなければいけばいならついでに顔でも拝みますか
そして王都への移動に数日使い、それからのパーティー当日までの数日は礼儀作法とダンスの練習を詰め込まれたあっという間にパーティ当日!
酷い、付け焼き刃にも程がある出来上がりですせめて1ヶ月は欲しかったよ(涙)
現在馬車2台で私とお父様で1台、妹ちゃんとお母様で1台乗っているわけですが…
「かわいいかわいいかわいいなっ!もうこの可愛さを世界に知らしめる必要がありそうだが、逆にこの可愛さは危険すぎるぞ!攫われないかどうか心配だが安心しろ私とメイドや護衛が常に守っておる。お前の道を突き進で構わん、阻むものが居れば私が何とかしようかわいい娘であるお前は………」
このようにお父様は私がなにか言わなくても、ずっとずーーーーーと1人で喋り続けるのです。そんなお父様に対して私は聞いているふりをして時折うなずいたり笑ったりするだけです。
話?もちろん聞いていません最初は聞いていましたが段々と言っている言葉は違えど内容は似たようなものでありとにかく私の可愛さを広めたいけど危険は遠ざけたいという内容です
聞き飽きました
「でだな私は『バンッ!』お前の可愛さ『ボゴッ!』ぼっ!」
「…………」
突如として目の前で暴行が行われた………
「さあアルティちゃん、ついたわよ?降りてらっしゃい」
「……はい、ですがお母様」
「なぁに?」
「ノックとー」
「したわよ?因みに声もかけたわよ両方とも10回もね」
「……そうですか」
お父様の存在感と大声のせいで、私は何も聞こえないし何も感じなかったのか……
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そしてパーティ会場へ
「みなよく来て………」
王様の長ったらしいご挨拶を終えて自由……とはいかないんですね。メンドクサ
行列に並び一家族毎に、誕生をお祝いする言葉とプレゼントの目録を渡す作業が開始された。
「…………………」
「…………(ブルブルブル)」
「長いな〜暇だな~」
「退屈よね〜、サクッと終わらせればいいのにね?」
「……………」
「……(プルプルプル)」
「これどれだけ待てばよいのだ?」
「簡潔に手早く終わらせてほしいわよね〜」
「………(プルプルプル)」
『ぎゅ』
「…っ!(プル………)」
手を握ってあげたらナノちゃんとの震えが止まった。こういっちゃあなんだけどマナーモードのスマートフォンに出た気分だよ…
「……『ニコ』」
一応微笑みかけておこう
「っ!『ニコ』」
おお、可愛い笑顔だ!ってそう言っちゃうと私の妹となっているナノちゃんと瓜二つなためナルシストのなるのでは?
というちょっとした不安もあるけれど前世の記憶持ちで元男なので問題無し!…………でいいよね?
なが〜〜〜〜〜〜く待って、ようやく家の番が来ました。まあ、待つよね?最後尾だったんだから
「王子!おめでとう!」
シンプル!さすがお父様!!!笑いが込み上げてきたけど我慢しとくよ
「この度は………おめでとうございます第2王子様」
お母様………王子のご年齢は覚えてないんですか?
「っ!っ!?っ!!!『ペコ』」
妹ちゃん!声出てないよ!?横にいる私が聞こえてないんだけど!
『サポリア…第2王子様の何歳の誕生日祝ですか?』
『はぁ〜い第2王子様わぁ、同い年の7歳ですよぉ』
実は王都の屋敷にて、サポリアが親切サポートしてくれることを申し出てくれていた
サポリアの魔法は結構すごくて、影に潜むことが出来るだけではなく潜みつつ外の景色や音も聞こえるうえに、なんと潜んでいる影の人だけに自身の声を伝えることができるそうなのです。
なんともありがたいですね!
「はぁ……国王陛下、王妃様、この度は無事に、第2王子様が7歳になられたことをお祝いをもうしあげます」
ここで一度頭を下げて少しだけ第2王子様…
『左のちっこいのですよぉ〜』
………の方を向きお祝いの言葉を送る
「第2王子様、お誕生日おめでとうございます。また1つ歳を重ねるまで、王子様にとって素晴らしい1年になることを心より願っております」
………適当に言葉を並べたけどこんな感じの言葉を送れば最低限の礼儀は尽くせると思うんだけど、流石にね妹ちゃんは幼く恥ずかしがり屋の訳ありだとしても、親はしっかりとしてほしかった。
「うむ、なかなかどうして、この親からよくこのような子が誕生したものだ」
「やらんぞ!」
「いやいや、決めるのは子であろう?」
「嫌だよな!」
『ビクッ!』
「…… (ノーコメントで)」
「嫌だってさ!」
子供か!お父様、相手は王様だよもうちょっとだけ礼儀を尽して欲しい
「何もいっておらんだろうに……まあ良い、して贈り物は?」
「ない!」
「ないわね…」
「?」
「えっマジ?」
おっと言葉が…
「本当ですか、お父様……」
それって逆にやばくね?
だって、周りの貴族様が殺気だってるのが私にも分かるよ?
「なんと酷い……ふむ、ならばそうだな第2王子様と踊っってはくれんか?先程の礼儀を尽くそうとしてくれたお嬢様?」
「………………はい」
「だめに決まっているだろうっ!?」
いえその…お父様?何事も最低限というものがありますし私が踊ればこの周りの貴族の殺気を少しでも下げるために私が犠牲になるから……ねぇ少し黙って?
『う〜〜〜ん、ちょいさぁ!』
「サポリア?」
「っ!?ぬぅ………」
『今ですよぉ〜』
「………お父様、1曲だけ踊ってきますから」
「ぐぅ………しかし」
『しつこいですねぇ〜』
「1曲ですから1曲だけ…ね?」
「むむむ『あ〜らよっとぉ!』ぐぬっ!?うっうむ分かった」
サポリア……なにしてんの?
「ということですので1曲だけですがよろしいでしょうか?」
「ああ感謝するよ、ではドルクス、行ってきなさい」
「ふん、めんどくせぇがいいだろう付き合ってやる。俺様と踊れる幸福に感謝しろよ!」
アカン、アホの子や……
次話………投稿日未定




