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今日もサイレンは鳴り響く  作者: 野賀田 ん
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まるで異世界転移

裂け目に飲まれ、一瞬暗闇の中へ。

すぐに裂け目から出られた。

出られたと言うよりも放り出されたと言うふうが適当かもしれない。

彼が覚悟していたよりも裂け目の向こう側はとても平凡であった。

さっきと変わらない場所。同じ5階にたっていた。

しかし窓に目を向けてみるとその認識は間違っていることが示されていた。

まるで一面に絵の具をベタ塗りしたかのような真っ赤な空。

全ての建物の外側は真っ黒になり

まるで幼い子供が描いた夕焼けの街のよう。

そして街の中を蠢く何か青いモノ。

それは人の輪郭をぼやかしたようなモノもいれば、

丸い、半液体のようなモノもいた。

一緒に飲み込まれた彼女の方に彼は目を向ける。

とても驚いている彼とは真逆に彼女の顔は

何一つ変わっていなく、むしろ冷静に見えた。

「あなたには驚いた。まさか魔法を消されるとは思わなかったわ。でもその話は後で。

今はじっとしていてね。」

そういうと彼女は屋上に行くための扉を蹴破った。

鍵がかかっており、なおかつ鉄の扉である。

もはや彼は頭がおかしくなりそうであった。

屋上に出た彼女は助走をつけ、一気に下へ飛び降りた。

慌てて彼女の後に続き屋上に出た彼は

「あっ!!!」

思わず声が出る。

彼は手を伸ばすがもちろん届かない。

凄惨な光景が現れると思いながらも彼女が飛び降りた先を見た。

彼女は何事もなかったかのように校舎の横を走っていた。

5階から飛び降りて死ななかったという驚きだけでなく、彼は彼女がとんでもない速さで走っているのを見ても驚いた。

もはや彼は一生分の驚きを体験しているのではないか。


屋上から飛び降りて行った彼女。

どんどん学校から離れていき青い怪物に向かっていく。

彼女の背丈の5倍はあろうかという半液体状の怪物と対峙する。

彼女の周りにはまさに妖精というべきであろう光達が浮かんでいる。


「爆裂」


彼女がそう唱えると怪物は爆散。

怪物が消えたことを確認すると次の怪物へ一目散に走り出す。

その姿は狩人そのものである。


一方屋上に取り残された彼。

唯一この世界で理解のできる存在であった彼女は理解のできない挙動で屋上から消え去り、とても不安であった。

まるで異世界かのような風景、

街に蠢くたくさんの青い怪物。

彼には怯え、現状を把握する以外の選択肢はなかった。

良ければ評価つけてってください。

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