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今日もサイレンは鳴り響く  作者: 野賀田 ん
1/3

12時

サイレンが鳴る街

ウーーーーーーーーーーー

12時。まるで空襲警報のようなサイレンの音がこの街に響く。

ここは校舎の5階、屋上に出るためだけ小さな場所。目の前には4階に続く階段がある。

その4階に続く階段の踊り場にある窓から見える街の景色はなかなかいいものだった。

この学校で最も高い場所。そして最も人のこない場所でもある。

そこにはチー牛顔よりは少しマシな顔をした男がいた。

彼は先日見つけたこの最適なサボり場で授業をサボっていた。

お腹が痛いのでトイレに、とでも言ったのだろう。

彼の手にはある小説。

こんな顔のヒョロがりもやし少年ではあったが実はあるeスポーツの世界一のプレイヤーなのである。普段大会に出ても顔出しの時は覆面であるためまだ家族以外の誰にもバレてはいない。

それはさておき彼は今何をするでもなくひんやりとした床の上で小説を読んでいた。

特段人気でもなく売れてない訳でもない普通の小説。

彼はなんともなく小説を読みながら毎日響くサイレンを聞いていた。

そのサイレンがそろそろと終わるかと言った時、彼の目の前の空間には裂け目があった。

目がおかしくなったとかはたまた夢の中とかでは無い。

本当に空間に裂け目があったのだ。

向こう側は見えない。裂け目の中は真っ暗だ。

もちろん彼は目を疑う。

「なんだ…これ……」

普段は無口な彼ではあったがさすがに独り言が漏れる。

「……誰かいるの?」

足元の床をへだてた4階から女の声がする。

慌てて息を潜める。

まだ普通なら授業中。もし先生にバレでもしたならば生徒指導だろう。

彼の来るな!という願いは裏腹に女の慎重な足音は近づいてくる。

「なんでゲートに人がいるの……」

女は驚きながらそう言った。

そんなことを言われても彼は慌てるばかりだったがその女はもう踊り場に足をかけていた。

もうどうすることも出来ない。

彼はとても焦り背中は一気に湿り気をもつ。

そして2人は見つめ合う。

彼は1年生を表す制服。

そして先生かと思われた女は2年生の制服を着ていた。

「見られたのなら記憶を消すしかないね。」

なかなか物騒であるが彼には意味がわからなかった。

ゲート……?記憶を消す……?

彼には魔法のように思えた。


「忘却」


彼女がそう唱えるとまるで氷の礫のような青いなにかが彼に向かって飛んでいく。

彼は咄嗟に顔を腕で庇った。

なにかが彼に当たった瞬間 そのなにかは砕け散った。

「なんでレジストされたの!?」

彼女は驚きの表情を隠せない。

「まさか魔物……?いやそんなわけは無い……まさかモグリ……?」

彼女はブツブツつぶやく。

一方の彼もまた驚きの表情。

もはや何があったのか分からない。

彼は呆然とし、彼女は考察をしていると、

黙っていた裂け目はどんどんひろがっていった。

「まずい!」

彼女は飲み込まれる寸前叫ぶが時すでに遅し。

あっという間に2人とも裂け目の中に吸い込まれていった。

初投稿ということです。

良ければ評価したってください。

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