転生初日ーーーオリエンテーリング前
入学式も無事終わり、初めてのオリエンテーリングを受けるべく割り当てられた教室に向かったのだが、
「…え、なにあれ?」
「補欠じゃない?」
「来る部屋間違えてるんじゃない?」
くすくすと漏れる嘲笑の声。
この学校には幾つかの科があり、一応俺も上位の科に入れたはずなのだが、俺の場合、それは補欠という形でのことだった。
其れがわかるように、俺と他の奴らとでは若干だがデザインが違う。とりわけ違うのは、胸についたワッペンの形だろう。
他の連中が六星なのに対し、俺のは無地。なーんにもついていない。
これほどあからさまな差別だが、どうすることも今はできない。
「何なんですかみんな…」
その様子に美波も憤りを隠さない。
「全くですっ、そんなたかがワッペン一つのことで」
先ほど介抱した女の子ーーー伊野のどかという少女も続いて同意する。
「って、なんで一緒にいるの?」
俺は突っ込みを兼ねて彼女に問いかけると、
「だって、さっき助けようとしてくれてたのは、その、水瀬さんと柳楽さんだけだったし…
それに、その、まだお礼もちゃんと…」
顔をほんのり赤らめながら少し恥ずかしそうにもじもじと手を持て余す。
いや、俺も特に助けようとしていたわけではない。ゴミが勝手に絡んできたから清掃局にダストシュートしただけだ。
ほんとのことを言えば彼女も気分を害するだろうから、とりあえず黙っておこう。
そんなことを思いながら少し周りを見ると、女子は相変わらずだが、男子の視線は少し違う。
嘲笑と蔑視に加え、羨望と嫉妬が入り混じったものになっている。
それはそうか。
美波という高校屈指の美少女に、それにやや引けはとるものの、美波とはまた違う魅力を持つのどかがいるのだから。
のどかの持つ女の子らしいおしとやかな雰囲気に、それにあった穏やかな容貌。そして、それとはアンバランスまでに発達した胸の厚みに男子生徒たちもくぎ付けになろうというものだ。
しかし、彼女はその他の男子には全く興味を持たず、俺とばかり喋っている。他の生徒ならばうらやむのも致し方ないことだろう。
と、そこで始業のチャイムが鳴る。
しばらく美波と喋っていたのどかも指定された自分の席に戻り、美波も一つ頭を下げてから席に帰る。
そうして、オリエンテーリング始まろうとしていた。




