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転生四日目ーーー三山という人

負けました。


平たく言うと、惨敗です。


「はははははっはははは!!!」


ああ、うるせえ。そんなに嬉しそうに笑う必要ないだろうに。


勝負は一瞬だった。


三山と俺、試合開始と同時に拳銃型アーティファクトを抜く。次の瞬間、三山のかざした銃口からは三条の光が走った。


対して俺が放った光は0。


うむ、全く勝負になってないな。


「はははははは!!まあ、これが実力の差というものだよ!!


さあ、敗北者はさっさとみじめに出て行ってくれないかな!!?」


いちいち腹の立つ言い方しやがる。しかし、負けた以上は何か言おうにも言い返せないし。


はぁ、ここは引くしかないか。


と思っていたら、


「…三山さんってああいう言い方する人なんですね」


険のある言葉をわざと三山に聞こえるように呟く美波。


「ほんと、大人げないというか、度量がないというか、人柄が冷たいというか…。官位の高い人ってああいう人なんですか?」


「やめてよのどかちゃん、私まであんなのの仲間にしないでよ」


ひそひそ話のつもりが、しっかりとこっちにまで聞こえてくる真奈美さんとのどかの話声。ありゃ、絶対三山に聞かせるつもりで言ってるな、うん。


「あたしも同感」


とそれに加わる生徒会長。


「あんなのがでかい態度でああいうこと言う。これは国としての品位を損ねかねない問題」


しれっとえらい毒づくな会長。


勝ったはずなのにボロカスに言われる三山先輩。あ、ちょっと涙たまってる。


「それじゃ、いきましょう壮太さん。いつまでもお邪魔したら悪いもん」


美波が呆気に取られている俺の襟口をくいっと引く。


「そうよね、さっさと仕事に戻って片づけちゃいましょう」


「そーたを待たせるのも悪いし」


と口々に言いながら演習室を後にしようとするのどかと水理。


「そうだ、あたし壮太さんに教えてもらいたい問題があって」


「自習か、のどか?」


「はい、今日の授業で少し分からないところが…」


それならと、自習室に誘おうとすると、


「のどか、抜け駆けはだめ」


生徒会長の鋭い牽制。


「そうよ、のどか。壮太さんの独り占めは許さないんだから」


と美波も続くが、


「おいおい、そんな言い方しなくてもいいだろ?のどかも折角やる気なんだし」


と、一応のどかのやる気をフォロー。


少し顔をㇺっとさせるも、これは正論。そう感じてか三人はこの話に関してはあとは続けない。


むしろ、生徒会の仕事を早く終わらせるための段取りに興味が移っているようだ。


やれやれ、と俺は思わず苦笑した。


「---待てよ」


と、引き留めようとする声。


気にすることも完全に部屋から出ようとすると、


「待て!!」


何か聞こえるが、気にせず俺たちは部屋を後にして扉を閉める。


「お願いですから待てって言ってるんだよ、聞いてください!!」


必死になって俺たちの前に回り込み、懇願口調で制止しようとする上位官位者。


俺は彼に対して、ゆっくりと、


「---俺は勝負に負けたんですよ、先輩」


と告げる。


「だから、生徒会は辞めますし、出入りもしません。約束は守ります。それでいいでしょう?」


俺はむしろ冷たく突き放すように、敗北宣言をした。


「---っ!まだだ!まだお前は俺に謝っていない!!」


そうですか、というと


「はい、ごめんなさい」


とだけ言い、のどかと二人で自習室に向かおうとする。


どうやらのどかは能力の構築理論が分からないらしい。ここで躓くと今後にも響きかねない場所だけに、しっかりと復習しないといけないところだ。


、「だあああああああああああ!!!!だからだ!!!!」


尚も必死になって食い下がろうとする上級生。


「はぁ、いい加減にしてくれませんか?」


流石にしつこいと、対応がおざなりになってくる。


「もう一度だ!もう一度勝負しろ!!」


「嫌です」


彼の申し出をあっさりと断る。


「何で!!?お前に誇りはないのか!!!?」


と、ほとんどべそをかきながら言ってくるも、正直面倒くさい。


「お前はやられっぱなしでいいのか!!?そんなので男が立つのか!!!?」


脅しているのか、叱咤しているのか、なんだか分からないようになっているなこの人。


見ててそろそろかわいそうになってきた。


「はあ、わかりましたよ」


ついに俺は根負けして再戦を了承する。


すると、彼は顔に再び自信とあの嫌味な面を取り戻し、


「はっ!そうか、そうだろうな!!


今度こそお前のその生意気な面に吠え面かかせてやる!!!」


と威勢よく言い立てる。


そうして彼は意気揚々と、というか軽やかにステップ踏むような調子で演習室へとむかぅっていく。


「あの、再戦って今すぐなんですか?」


と、当然の疑問を浮かべるのどかに、


「いや、そんな話は一言もしていないんだけどな」


と答える。


この後、演習室で放置プレイさせるのも面白そうだが、さすがにそれは可哀そうかなと思い、俺は再び演習室へと足を運んだ。

 

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