会長がクラスにやってきた
「えーーーと、鳳センパイ…でしたっけ?なんのご冗談でしょう。あっ、罰ゲームか何かで?」
それにしても求婚するレベルの罰ゲームって相当だぞ。
ていうかこの人、なんか恍惚とした表情でちょっとキモい。
「罰ゲームなわけないじゃないか。それにしても、僕の名前を知っててくれたなんて感激だな…」
フワリと微笑むと、周りで見守っていた女子達から黄色い悲鳴があがる。
そらあなた、入学してすぐにあなたの存在は興味なくても耳に入りますよ。
鳳 司。
高校2年で生徒会会長。
日本とドイツのハーフらしく、金髪碧眼という乙女ゲームから飛び出してきたような王子風イケメン。
なおかつ、大企業の御曹司。
なにこの完璧な肩書き。怖いわ。近寄ら無いに限るわ。
そう思ってたのに、最近やたらとこのセンパイが一年の校舎に出入りしていたから、人より人目につきやすい私はガクブルで息を潜めていたんだけど。
「君に、一目惚れしたんだ」
爆弾投下。
悪ふざけが過ぎると思って睨むと、……うわぁこの人目がマジだ!
こ、怖い!!無理無理!!!
思わぬ事態にクラクラして、
私はそのまま意識を手放した。
あぁ…早く食べないとチョコレート菓子が溶けちゃう……