小話
会長目線
さくらの女子力アップ大作戦を
こんな風に感じてました。
最近さくらさんがよく話しかけてくれる。
まぁ僕が一年の棟に相変わらず入り浸っているからなのだけど。
ある時は、凄みながら強い眼力で見つめてきて。あのまま別宅の日本家屋の屋根の瓦に取り付けたいくらい可愛いかった。
そしてある時は、袖のボタンを引きちぎり、握りしめてプルプルしていた。
これはひょっとして「会長の第二ボタンが欲しいんです♡」みたいなことかな?
望むところだよ。それはもう是非に。
第二ボタンどころか全てを捧げようと勢いよくシャツを脱いだら、殴られた。
さらにある時は、突然、「わたしは意地汚い人間です…」と頭を下げ去っていった。
側にいた友人の佐伯さんが苦笑して頷いていたので大事ではなさそうだったけど。
次は何をしてくれるんだろう?
本当にさくらさんを見てると飽きない。
少しでも会いたいがために放課後にもこうして生徒会の用事を済ませてから、一年の棟に来てしまう。
「さくらさんいるかなー…」
もし帰るところならば捕まえて一緒に下校イベントに突入しよう。
端から見るとしごく真面目な顔でそんなことを考えていた僕の目に飛び込んできたのは、許しがたい光景だった。
お読みくださりありがとうございます。
会長がだんだんキモいキャラになってくんですけど……
止められなくて困ってます。