残る疑問
続きも読みたいなぁ
と、有難いお声もあったので
少しだけ、がっちりハッピーまで書こうかなと思い筆をとってみました。
あの再プロポーズの夜からしばらく経ちーーー
私と会長の距離は変わったような変わってないような。
「さくらさん、これ前に言ってた新作のお菓子、見つけたから買っておいたよ」
「うわー会長、神⁉︎これ品薄って聞いてたのに!ありがとうございます!一緒に食べます?」
「せっかくだから戴こうかな」
そんな感じでほのぼの、中庭のベンチに腰掛けお菓子を頬張る我々を見て、ミカは言う。
「え、もう付き合ってんじゃないの?」
「いや、付き合っては………いないと思う」
「プロポーズ、考えておきますって言ったんでしょ?」
「言ったけど、今すぐ結婚とかって話じゃないだろうし、付き合うとか…話題に上がらないし」
「それはさくらがハッキリ言ってあげないと会長可哀想だよー。おあずけ状態」
んなこと言われても経験なさすぎてどうしたらいいものか。
あごの肉があった名残でつい喉を触りながら考える。
正直、今は会長のこと嫌いではない。どちらかといえばきっと、好き、なんだと思う。
そこで、一つ疑問に思うことがある。
デブ専がゆえにプロポーズしてきた会長。
それをかわす為に痩せた私。
それから暫く避けられていたけど、結局再びプロポーズ。
痩せたにも関わらずプロポーズしてきたってことは、もうデブ専ではないけど私のことを好きでいてくれてる…ってこと?
脳内の乙女ゲームで使うささやかなメモリをフル回転して女子的思考を巡らせる。
あ、頭痛。
「さくらさん、大丈夫?」
サラリと揺れて優しげに光を返す金髪に長い睫毛が覆う宝石のような碧眼。スッキリと顔を通る鼻筋。
心配そうに覗き込む眉目秀麗な会長を見て、ふと思うんだよね。
これ、デブ専じゃなきゃ女子力的に、わたし釣り合わなくない?と。
数話のみの予定です。
お付き合いありがとうございます。