決めました!
「なんだかんだで、さくらも情に弱いよね〜。」
ここ最近の押され具合にもいい加減みんな見慣れてきたのか、会長が教室に来ても注目を浴びることはない。
最初は女子がキャーキャー言ってたけど、おデブな私に夢中な会長に、なにか(デブ専ということ)を察したのか、それ以来比較的平和だ。
そんな訳で、別に喋ったりするぶんにはもうあまり気にならないけど、彼の言う「結婚」となるともちろん話は別だ。
女子のやっかみ、妬み嫉みは怖すぎる。くわばらくわばら。
「情っていうか食べ物に弱い…このままだとヤバイわ!律しないと取り込まれる!」
「そう思ってる人の食べる量じゃないよね。」
「だって〜」
お弁当の豚丼(×2)にデカ盛りラーメンを平らげ、会長が置いていったおやつに手を伸ばしながらも頭をかく。
「よく考えたら、王子会長がデブ専ていうなら、痩せたらいいんじゃない?」
「簡単に言ってくれるね、ミカ。うーん、痩せる…ねぇ……」
苦い記憶が蘇る。
「ねぇミカ、私がどんな姿になっても、友達でいてくれる?」
「は?何そんなゲッソリするの?よくわかんないけど、別に太っていようがいまいが、私はさくらの性格が好きなんだし変わんないよ?」
ぎゅうっと抱きつく。
すぐにギブギブ、と腕をたたかれ、予期せず技をかけていたことを謝る。
ミカのお陰で心は決まった!
もうすぐ夏休み。始めるにはベストタイミングかも。
「よし、決めた…!わたし、ダイエットするわ!」
そうとなれば、お兄ちゃんに連絡だ!
目指せ!イケメン御曹司の非・好み!!
あと数話です