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第四話「保健室の中の誰か」

シリアスとシュールの区別がつかなくなってきた。

だがこれは言える。

これはカオスだと。


いままでのあらすじ

恐怖体験、饅頭と二人っきり。



 私はのんびりとお茶を啜っていた。

 カーテンを開けると眩しい光が差し込み部屋を照らす。どうやらここは保健室のようで手術台の周りにいくつか白いシーツが清潔感を感じさせるベッドが並んでいた。中央にある手術台は移動式+折りたたみ式で収納に困らない作りになっていたので部屋の隅に片付けておいた。

 私はこの饅頭が淹れてくれたお茶をのんびり外を眺めながら飲んでいた。

「たまにはゆっくりするのもいいな」

「ゆっくりしていってね!」

 饅頭と一緒にお茶をするのもたまにはいいだろう。饅頭といっても生首だけど。


「さて、そろそろ行くか」

 そう言って席を立ったのは三時間目のチャイムが鳴った後だった。

 今日は午前までしか学校はないのでこのままここにいれば授業に出なくても帰れるのだが、何故いまになって戻ろうと思ったのだろうか。自分の行動に疑問を感じる。

 そういえばまだ担任にすら会っていないな。クラスメイトは絶望的だが先生がまともならまだ希望は残っているはずだ。できればクラスメイトも他はまともであってほしい。外ではなく校内からなにやら怪獣の雄たけびのような音がするが気のせいであってほしい。

 謎の生物がたくさんいる学校だと関心することもできず、忘れ物がないかもう一度部屋を見渡すと床に一枚の紙切れが落ちていることに気が付いた。

 拾ってみてみると綺麗な筆跡で私宛に何か短いメモのようなものが書かれている。


『ようこそ偽理学園へ。一年五組は君を歓迎するよ。

                        ヤブ医者より』


 偽理学園とはこの学校のこと。一年五組とは私が入ったクラス。ちょっとおかしな文章だがヤブ医者の精一杯の歓迎なのだろうと私は勝手に納得して部屋を出ようとドアに手をかける。

 その前にと、私は饅頭にお茶の例を言おうと振り帰った。

「お茶ありがとう。おいしかった……?」

 言葉を繋げているうちに気づいた。

 部屋には私以外誰もいない。あの饅頭の姿が何もなかったように消えていた。

 ドアに近づくまでちゃんとそばにいた。窓には鍵がかかっていて開かない。そもそも手のないゆっくりが鍵を開けることもできなかったはずだ。いったいどうやって。

 私はそこまで思考し、結論の代わりに一言。

「やっぱりこの学校オカシイ!」

 きっとこの学校で起きる非常識で不思議な出来事は全てこの台詞で解決できるだろう。

 何も解決できてないけど。

 私は叫んだ後部屋を出て教室に向かった。


つづく

次回は教室に潜入。

作品内での日にちが異様なほど進まない。



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