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第十九話「喧嘩しようぜ!」

バトル。いいえ、ケフィアです。


 戦いは激しく火花を散らしていた。

 ハルクの拳と敵の鉄パイプが激突し、火花が散る。メイドの持つペーパーナイフが敵の釘バットと交じり合い、火花が散る。執事は敵を投げ飛ばし、木村は傘で無双している。今川さんはメリケンサックで敵を過剰に攻撃して、ヤブ医者はチェーンソウを振り回している。

 この世の者とは思えない戦い方をしているクラスメイトを遠く感じる。

 だが、敵の方もなかなかしぶとい。

 投げ飛ばされようとも、素早く陣形を整えて攻めている。

 この軍勢がとっている陣形は、その人数を利用してこちら六人を分裂させるようにこちら一人につき敵五人以上で囲むものだ。

「くそっ。やりづらいな」

 ハルクが苦い顔をする。彼は十人に囲まれながら戦っている。おそらく六人の中で一番の実力者だと思われたのだろう。

 だが、それは間違いだ。

 この六人の中で一番厄介なのは言うまでもなく「ヤブ医者」だ。ヤブ医者の前ではハルクはただの実験材料に過ぎない。ヤブ医者の戦いを見ていればそれを理解いただけるだろう。

 チェーンソウを振り回しているヤブ医者に、誰も近づけないでいるのだから。

「ヒャッハァァァァァ」

 本当に楽しそうに何の迷いも無く楽しそうに振り回している。囲んでいた敵六人が涙目で逃げる。この血も涙も無い男こそがこの六人で最もヤバイ。

 おや?似たように、誰も近づけないでいる奴がいるな。こちらでは五人が戸惑って誰も近づけないでいるようだ。

 五人が囲んでいるのは今川さんだった。彼女は六人いた内の一人に馬乗りになってメリケンサックを装備した拳を絶えることなく振り下ろしている。

 目も背けたくなるような惨劇を目の前に残された五人は恐怖で動けない。

 今川さんが拳を止めた。拳と顔には返り血がこびりついている。

「次は誰?」

 その言葉に他の五人が子蜘蛛を散らすように逃げていく。

 しかし、この場に逃げ場など無い。逃げ出した五人は近くで戦っているメイドと執事の攻撃に巻き込まれて倒れていった。

 バトル展開?フェアプレイ?そんなのこのクラスに求めちゃいけないな。

 私はしみじみそれを実感した。

「なあ、あんたは戦わないのか?」

 隣でお茶を飲んでくつろいでいる隊長がたずねてくる。

「私は非戦闘員なんですよ。あなたこそいいんですか?こんなところでくつろいで」

「俺も基本非戦闘員だからな。昔から殴り合いとか嫌いなんだよ。こんな華もねえ喧嘩に参加する気は無い」

「こんなヤンキーの上に立つ人には合わない台詞ですね」

「うるせー。おめーだってあんな連中とだいぶ合ってねーぞ」

「そんなこと自分が一番自覚していますよ。それを言うなら三枝だって合わないじゃないですか。彼だってこの面子じゃかなりまともですよ」

 私の言葉に隊長の顔が渋くなる。

「そうか、お前はまだ気づいていないのか。奴はあの面子に十分な理由があるんだよ」

 三枝の方を見てみると、六人相手にボロボロになりながら殴り合っている。どう見ても普通の人だ。

「今は分からなくていい。それよりも、その隣でゆっくりしている生物はなんだ?饅頭のような生首のような……」

「ああ。『ゆっくり』って言うんですよ。私の友達です」

「ゆっくりしていってね!」

「……ふっ。あいつらよりも、こいつの方がよっぽどあの学校にあっているな」

 そう言って隊長はゆっくりの頭を撫でた。


「さて、もう決着も着いた。停戦協定に入ろう」

久しぶりに小説書いた結果がこれだよ!


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