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第8話

ゴールデンウィーク。



楠本くん。


「やっと宿題終わった」


ゴールデンウィークの課題を終わらせ、動画サイトを開く。


「ホラーゲームの実況上がってるじゃん」


最近、ホラーゲームにはまっている。

というかホラーゲームの実況動画を見るのにハマっている。


その動画でも見ようかとクリックしようとする直前、


「このボカロP、昨日の20時に新曲投稿してたんだ」


おすすめの欄に新曲が目についた。


ゲーム実況の動画は再生リストに追加してから、新曲を聴くことにした。


結局、あのゲーム実況の動画って見たっけ?

・・・あとで覚えてたら見よう。





吉川くん。


親戚が集まっている。


「もう高校生になったらしいね」

おじさんは僕を見て尋ねる。


はい、今年の4月から、と応えた。


「・・・おじさんって今年で還暦ですよね?」


話題を変えた。

話すことがないと困る。


「あぁ、気が付いたらもう60だね」


へぇ、そうなんですか、と呟く。


まずい。

どうやって話を広げよう。


こういうとき、相手と似たようなことを言えば良いって聞いたことがあるぞ。


そういえば、と言って続ける。

「僕も小学生みたいだねって言われますよ!」


それ、マイナスの意味だと思うけど、という弟の声は聞かなかったことにした。





寺田くん。


皆さんこんにちは。


ゴールデンウィークの真っただ中、練習試合が行われています。


天気は快晴。

絶好のサッカー日和と言ったところでしょうか。


実況は現役高校生の寺田、そして解説は元中学生の寺田でお送りいたします。



練習試合の中、頭の中で実況をしながらプレイをしていた。

他の人に聞いたことないけど、やったことある人は多そう。


ところで、サッカーをしている中で面倒なことが1つある。

それは、接触プレイで相手に怪我させたときとか、させそうになったとき。


中学生や高校生の場合は小競り合いが生まれることも。



まさに今、相手チームの守備と自分チームの攻撃の選手が接触して倒れた。



練習試合でゲームが止まったときは空気を読んでボールを外に出す。


理由は分からないけど、そういう雰囲気だからやってるっていう感じ。

僕はボールを外に出してから自分チームの選手へと近づいた。


大丈夫?と声をかける。


「相手の3番、絶対俺のユニフォームつかみやがった」


かなり不満そう。


審判が近くにいるため小さい声だ。


練習試合の場合、審判は顧問の先生がする。

自分が悪口を言っているのを先生に聞かれたくない。


彼は立ち上がって、相手チームの接触をした選手に近づく。


「お前さぁ、今の何なんだよ?」

マジでいい加減にしろよ、と毒づく。


小競り合いになったとき、相手に詰める選手もいる。


「いや、お前もさっきコーナーの時俺の足踏んだろ」

なめたことしてんじゃねぇぞ、と応える。


相手に詰める選手がいれば、それを煽る選手もいる。


もうすぐ始まるから、となだめて元の位置に戻った。


背後から声が聞こえる。


「・・・お前マジでふざけんなよ、寺田!!」


え、僕?


いきなり味方を怒鳴る選手は流石に見たことないですね。



寺田でした。

現場からは以上です。


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