第3話
「そういえば楠本くんは趣味とかってあるの?」
「そうだな、サッカーの試合とか見るの結構好きだけど」
他にもゲーム実況とか見るな、と付け加える。
ってか、寺田ってサッカー部じゃなかった?と聞き返す。
寺田くんは頷く。
サッカー部!
ラブコメではかませ犬的な立ち位置。
そしてヒロインに接触しようとするあの不届きもの。
まさか近くに敵がいるとは・・・
「なんでサッカー部に入ったの?」
様子をうかがうように尋ねる。
「中学からサッカー始めたんだけど、その時はモテたいからだったな」
「へぇ、実際どうなんだ?」
楠本くんは興味を示したようだ。
僕はあんまり知りたくないけどね。
「僕の中学が強豪だったからか、平日は死ぬほど走らされて、休日は遠征とかだったから、恋愛どころじゃなかったなぁ」
本当?
「ラブコメとかでモテるサッカー部のキャラとかいるじゃん」
「いるね」
僕は応える。
「あの人たち、サッカー以外に現を抜かしてる、サッカーモグリだろって思うね」
サッカーモグリ?
そんな言葉、初めて聞いたんだけど。
最初のモテたいっていう動機はどこに行ったの?
サッカー部の印象、改善。
楠本くんは寺田くんに加えて質問をする。
「へぇ、じゃあサッカーの試合とかも見る感じ?」
「いや、僕サッカーの試合は見ないんだよね。つまらなくって眠くなるから」
そう言って頭を掻く。
寺田くんもサッカーモグリなのね。
ちなみに、と寺田くんは続ける。
「サッカー部って、性格が悪くて下世話な話が好きな人が多いね」
え?
「実際、モテる人もいるし」
サッカー部の印象、悪化。




