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第11話

中間試験の結果が返された。


俺たち4人は成績を見せ合うために集まっている。


「誰が最初に見せる?」

吉川が聞いたので、


「俺は2番目」

と応える。


「じゃあ僕は3番目で」

と寺田。


「4番目でいいか?」

と瀬野。


そうなると吉川が一番か。


「オッケー、じゃあ僕は5番目ね」

と吉川は呟く。


4人しかいないけど。


他の2人は「まぁ、5番目でも・・・」と渋々と認めた。


だから、4人しかいないんだって。


仕方がないので、俺は自分の成績を最初に見せることにした。


「・・・なんか、まさに楠本くんって感じの成績だね。」

吉川が俺の成績を見ながら呟く。


「俺っぽい成績ってなんだよ」

「全科目が平均点前後でつまらない」

吉川は言い切った。


成績に面白いってあるか?


じゃあ次は、と寺田が成績表を見せた。


どうせいつも寝てるんだから、俺より成績は悪いはず・・・


「本当に成績悪いのかよ」


ある意味、予想通りの点数だった。


「でも、成績表としては楠本くんより面白いよ?」

と吉川。


さっきからコイツは成績に何を求めているんだ。


次は俺だな、と言って瀬野は自分の成績表を開く。


「瀬野くん、生真面目な生徒としての地位を我が物とする成績だね!」

成績表を見ながら瀬野を称える吉川。


そういえば、瀬野が前にそんなこと言ってたな。


優等生と言われるような成績だ。

正直、羨ましい。


最後は僕だね、そう答えて吉川は自分の成績表を開く。


こいつ、やけに成績に面白さを求めてたけど、お前自身はどうなんだ、と思いながら見ると・・・



「・・・全科目0点?」


ビックリした。


「なんか、ちゃんと名前を書いてなかったら全科目0点になったらしい。」

「なんかっていうか、お前それどころの話じゃないだろ」

名前書くの忘れてたのか?と聞くと、


「いや、ちゃんと書いたよ。名前の欄に」

「名前を書いてたのに全科目0点ってことあり得ないだろ」


勘でやっても1点は取れる。


「分からないけど『自分なんか、名乗るほどの人物じゃありません』って書いたのがマズかったのかな」

「名前の欄なんだから名前書けよ」


人助けしたときとかに言うセリフじゃん。

テストで謙虚さをアピールするな。


「ところで、僕に言うことあるよね?」

この成績を踏まえてさ、と吉川は付け加える。


「わかってるって」

「なに?」

「実はお前に借りてたラノベ、失くしちゃったってことだろ?」


悪かったな、と謝った。


「初めて知ったんだけど。まぁそれは別の件として・・・」

全然この成績踏まえてないじゃん、と言って俺たちに鋭い視線を向ける。


「・・・すいません、僕がやりました」

「寺田くん、何の話をしているの?」

「吉川くんのラノベ失くしちゃったの、楠本くんじゃなくって僕です」

「いや、だからその話はしてな・・・え?」


いつのまにか真犯人見つけちゃったんだけど、と吉川。


「そうじゃなくって、クラスの平均点下げてくれてありがとう、でしょ」

寺田くんなんか、僕が平均点下げなかったら全科目補習だったんだからね、と付け加える。


自分の名前書いてなかっただけで、そんな大きく出れる?


「ありがとう吉川くん。お礼に・・・」


寺田はリュックから何か取り出す。



別に感謝する要素なんてないけどな。



「・・・失くしてたラノベ、ちゃんと買ってきたから!」

そういって寺田は吉川に小説を手渡す。


「まぁ、そこまで言うなら・・・」

と言って吉川はラノベを受け取った。


吉川が貸した小説がただ元に戻ってきただけだぞ。

そんなんでいいのか?


しかし本人は喜んでいるようだ。


付け加えて説明すると、吉川の成績表は全科目0点となっているが『自分なんか、名乗るほどの人物じゃありません』の成績表も一緒に貰ったらしい。


ちなみに俺よりも成績は良かった。

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