第8話 ドラゴン娘、ツンデレ美少女に会う。
「お姉ちゃん!」
「また一人で森に入ったのね!心配させて、もう!」
「ごめんなさい。」
「あっあの子がアリアのお姉さん…?」
俺は思わず息を呑んだ。アリアと同じく金髪で赤い瞳、背が高くスレンダーなスタイル、何より美しい顔立ち、この世界には俺みたいな美少女は存在しないと思ってたけど、撤回する。アリアのお姉さんも絶世の美少女だ。
「それでアリア、その子は…?」
「リュウカお姉さんだよ。」
「はっ!どっどうも…」
「あなた、人間じゃないわね?それもかなり強い力を持ってる…」
「そんなことがわかるのか…?」
「いや、角と尻尾と翼がある人間がどこにいるのよ…?」
「あー。忘れてたわ。」
「妹に近づいてどうするつもりだったの、事と次第によっては今すぐに殺して…」
「なっ!」
ナイフを取り出すと俺に向けた!
「人間の娘だからって舐めないことね、私もこう見えて強いわよ、さらにこのポーションを飲めば…」
「ちょちょっと!」
(この目、マジだ!)
「待って!」
アリアは俺らの間に入った!
「アリア!」
「危ないから、そこをどきなさい!」
「リュウカお姉さんは私が熊に襲われそうな所を助けてくれたんだ!そしてここまで連れてきてもくれたんだよ!」
「あなた、熊に襲われたの!」
「うっうん…」
「だから言ったじゃない!森は一人で入っちゃ駄目だって!」
「だって、お店の手伝いがしたかったんだもん…」
「手伝い…?」
「これっ…」
アリアは背負っていたバッグに詰め込んである木の実を見せた。
「これは回復ポーションに使う木の実の一種…」
「お姉ちゃん、パパ、ママが居なくなってから、店を一人で切り盛りしてて、いつも大変そうだから…少しでも役に立ちたかったの…」
「アリア…」
「少しは役に立てた…?」
「もうちょっと大きいの厳選しないと駄目よ。」
「むぅぅ。だって、大きいのは高い所にあるんだもん、取れないよ。」
「フッフ、でもありがとう?仕事量が少し減ったわ。」
「本当!」
「あなた、リュウカだったかしら…?」
「うっうん!」
「私の名前はアンナ・ホワイト、一様、お礼言っておくわね…妹を助けてくれてありがとう…」
「いいよ。お礼なんて。俺がほっとけなかっただけだし。」
「俺?あなた女じゃないの?」
「そういうのがクセなんだって。」
「あはは、そう、そう、クセなの。」
「変な子ね。」
「ぐはっ、可愛い顔して毒舌。」
「まぁいいわ、アリア、帰りましょう。あなたも付いてきなさい?」
「俺も?」
「このまま恩だけ与えられるのは私のプライドが許さないのよ…せめて晩御飯ぐらいご馳走させなさい…?」
「いいのか?」
「くどい、まさか断るつもりじゃないでしょうね?」
「いや、お言葉に甘えるよ。」
「なら早く来なさい、置いて行っても構わないのよ。」
「ツンデレだな。」
アリアの姉、アンナはテンプレなツンデレ美少女らしい。
「お姉ちゃんの料理は美味しいよ。」
「へぇ。そりゃ楽しみだ。」
「私の料理を美味しくないって言ってみなさい、その角を引っこ抜いて、新しいポーション作りの材料にしてやるんだから?」
「いちいち怖いな?というかポーション作りの材料って…?」
「お姉ちゃんはね。ポーション職人なんだ。」
「ポーション職人?ってことは…アリアの実家はポーション屋?」
「そうだよ。」
「なるほどな…」
(だからアリアはドラゴンってことを隠せって言ってたのか…)