第88話 ドラゴン娘、トーチの町に帰る。
「見えてきた、見えてきた!トーチの町だ!」
リュウカはレベルアップしてステータスが強くなり+長時間の飛行で飛ぶコツを掴んで飛行速度が大幅に上がったからか、旅に出た最初はおよそ2日かかった道のりをわずか半日、まだ明るいうちに戻ってきた。
「完全なドラゴンから人型に戻ったし。さぁ帰るぞ。待ってろ。アリア。アンナ。」
そしてリュウカは約一週間ぶりにトーチの町に入った。
「リュウカちゃんだ!」
「帰ってきたのね!」
「帰ってきました。」
「お帰り!」
「お帰りなさい!」
「ただいまです。」
リュウカは町の人達に笑顔で応えながら歩いた。
(さて、すぐにアリア達に会いたい所だが。冒険者だし、先にギルマスに依頼を達成したことを報告しなきゃだよな。)
冒険者ギルドに向かった。
「リュウカちゃんよ!」
「本当だ!」
「無事に帰って来たんだね!」
「お帰りなさい!」
「どうも。」
そして受付に行って、ギルマスとの面会を頼むと、状況をわかっているのか、すんなりと話が通り、トーチのギルマスであるアスカ・マスカレイドと会えて、色々とあったがオーツクの港町での囮役作戦は成功し、誘拐団を一網打尽に出来たことを半人同盟であるサリー達と出会ったことは伏せて話した。
「オーツクの町のギルドマスターから聞いた通りのようですね。ボクからもお礼を言わせてください。ありがとうございました。」
「頭を上げてください!俺は半人として同じ半人である人達を救いたかっただけですから!」
「あなたは本当に素晴らしい人格の方だ。まるで女神のようです。」
「女神なんて…」
(また女神か…嬉しいんだけど本物の女神がいるからな?どう反応したらいいもんか…)
「所で一つ質問なのですが、誘拐団のボスと一部の下っ端連中が取り調べで半人の猫の少女と目隠しをした半人の女の子にやられたと供述しているようなのです、その方達と協力して戦ったということなのでしょうか?」
「えっ!それは!」
(あいつら、サリーちゃん達の事を話しやがったのか!)
「その話を信じているわけではありません、解放された半人達はそんなのは知らないと言っていたようですし、オーツクの冒険者ギルドの方もきっと嘘の情報を話し、我々を混乱させようとしているのだろうと。」
「なっ何だ。」
「ボクもただ気になって聞いただけです。そんな方達が実在するなら、その方達にも感謝を伝えねばなりませんからね。」
「おっ俺もそう思います。」
「実在していないでよろしいんですね?」
「はっはい…」
(本当は言いたい…理由はどうであれ、半人達を救えたのはサリーちゃん達のおかげだから…でも…)
「ならその事は決して誰にも口外しないでください?」
「えっ…?」
「お願いします。」
「えっええ…?」
意味深な言葉に少し戸惑いつつもリュウカは今回の依頼の報酬をもらい部屋を出た。するとギルマスは眼鏡を外して、部屋の隅に隠れていた蝙蝠が姿を現した。
「キルキルキル、主様、あの程度の口封じでよろしいので?どうやらサリー様はスカウトに失敗したようではありませんか?あの半人の少女、我らの情報を漏らす可能性がありますよ?」
「考えすぎだ、奴は話さない、何もしなくてよい。」
「ではまだ仲間に出来る可能性があると?」
「ある、というより是が非でもする、奴はボスと同じドラゴンの半人、やはり強い、今回の戦いでそれが100%立証出来たわけだ。」
「確かにボスも相当お喜びになられるでしょうね。」
「ああ、リュウカ・マジ、奴を絶対に我ら半人同盟に加えてみせる。またいずれチャンスは来るはずだ、それまで待つ。」
「かしこまりました。」
「しかし、それまであの国がこの国に戦争を起こさなければの話だけどな…」




