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TS転生してドラゴン娘になりました。  作者: ぎゅうどん
TS転生ドラゴン娘、大型船での激闘。
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第87話 ドラゴン娘、オーツクの港町から旅立つ。

Cランク昇格のお祝いをしてもらった2日後の朝、俺はトーチの町に帰ることにした。


「リュウカちゃん。もう帰っちゃうのね。」


「はい。俺の帰りを待ってくれている人達がいますから。」


「そうよね。でも寂しくなるわ。あなたのこと本当の娘のように思えてきてたから。」


「ローラさん。」


「いつでも帰って来てね。」


「ありがとうございます。」


「世話になったな。リュウカ。冒険者ギルド、いやオーツクの町を代表してお礼を言うよ。ありがとう。」


「今日は真面目ですね…?」 


「こんな時ぐらい当たり前だろ。悪い領主達を捕まえることが出来たのは全て、リュウカのおかげだ。君のことは絶対に忘れない。あたいの親友だ。」


「ロードさん。」


ギルマスのロードの差し出した手をリュウカは握った。


「何か困ったことがあったら今度は私達が君を助ける。いつでも頼ってくれな。」


「はい。覚えておきます。それじゃ。」


「元気でね!」


「皆さんも!」


「気をつけて帰るんだぞ!」


「はーい!」


リュウカは笑顔で手を振り返すと走って行った。


「今度は夫や息子と娘にも会わせてあげたいわね。」


「そうっすね。うぐー。さて、あたいは仕事の時間だ。頑張らねば。」


「サボらないようにね?」


「ガクッ。叔母さん…?」


「ふっふ。それにしても次の町の領主はどんな人がなるのかしらね?」


「まだわからないっす。叔母さんはどんな領主がいいんすか?」


「リュウカちゃんみたいな人。」


「言えてますね。」


一方、当の本人のリュウカは町を出ると、少し距離を歩き、人目のつかない場所で完全なドラゴン状態になり、空高く飛んでトーチの町を目指した。


「今回、異世界に来て初めて旅、色々と大変だったけど楽しかったな。無事に囮役も果たせたし。それに今回の旅でアズキ村ではララやレノさんに村長さん、オーツクの港町ではローラさんとギルマスのロードさんって知り合いも出来た。それと…サリーちゃんも…」


リュウカはあの猫の半人の少女サリーからの頬のキスを思い出した。


「不思議だけど、きっとあの子とはまた会える気がする…その時、俺は全力であの子達がしようとしている目的を止められるんだろうか…まぁ、今、考えた所で答えが出るわけないか。トーチの町に着いた時にこんなテンションだったら、アリア達を心配させるはず。気分を変えよう。スピードアップだー。」


リュウカは物凄い速さで飛行した。


「うひょー。レベルアップしたからか。前よりさらに速く飛べるようになった気がするぞー。これならトーチの町まで一日もかからずに着けそうだー。」


《いいね!Hey!案内するこっちもテンション爆アゲだ、Yo!》


「そうだろ!マップルン!案内頼むぜ!」


《任せなさい、yeah!》


「んじゃあ、さらに飛ばすぞー!やっほー!」


リュウカがトーチの町を目指していた頃、オーツクの町でサリーが定食屋を訪ねていた。


「そうかい?これから旅に出るねぇ?」


「そうにゃ。お世話になったにゃ。」


「世話になったのはこっちのほうだ。サリーちゃんはうちの一番のお得意様だったからな。また町に来たら食べに来てくれな。」


「必ず来るにゃ。」


「あんた。」


「ああ。わかってりゃ。」


「何にゃ?」


すると頼んでいないのにサリーがいつも注文していた鯖の味噌煮定食を出した。


「これは私と亭主からの餞別だよ。食べていきな。」


「いいのかにゃ…?」


「ああ。遠慮するな。」


「頂きます…」


サリーはゆっくりと味わうように食べ始めた。


「どうだ?今日の味は?」


「うぐ…美味いにゃ…」


「そうかい。」


「よかったね。あんた。」


「うぐ、うぐっ…絶対にまた食べにくるにゃ…だからそれまで二人とも元気でいてにゃ…?」


「グスッ、当たりめえだ。俺はくたばるまで定食屋をやるぜ。」


「また若い子の前だからって格好つけちゃってぇ。でも私も同じ気持ちだよ。待ってるからね。」


「にゃはは…ありがとうにゃ…」


食べ終わると、いつものようにお土産に袋いっぱいの林檎までくれた。サリーはそんな二人の優しさに耐えきれず涙を流しながら一礼すると店を出た。すると老夫婦は店先まで来てサリーが見えなくなるまでひたすら手を振り見送ってくれたのだ。


「あの人達…本当に優しすぎにゃ…」


「ちゃんと別れは言えたようじゃな?」


「うん。待たせてごめんにゃ。それじゃあ。アジトに戻るにゃ。」


「妾、お腹が空いたぞ。」


「これ。もらったお土産の林檎にゃ。食べるかにゃ。」


「お主、妾に丸かじりしろと言うのか?」


「美味しいにゃよ?」


「仕方ないのう。ガブッ。おっ。確かに美味じゃのう。新鮮で甘みがある。」


「にゃはは。ガブッ。美味しいにゃ。ありがとう。」


サリーはまた涙が出そうになったが、笑顔で誤魔化した。


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