第55話 ドラゴン娘、お姉様と呼ばれる。
俺らは温泉からお屋敷に戻ると、まだ寝るには早いだろうとメグの部屋でパジャマパーティーをすることになった。
「いやぁ、温泉ではご心配かけました。」
「全くよ?逆上せたからってあんなに鼻血出す人初めて見たわよ?」
「ははっ…面目なくて返す言葉もないな…」
どうにか鼻血が出たのは逆上せたからだと誤魔化せた。到底、アンナの裸を間近で見たからだからとは口が裂けても言えない…
「ワタクシはリュウカ様の意外な一面が見れて嬉しかったですわ♡だから結果オーライですの♡」
「君はブレないね…?」
「リュウカお姉さんってお風呂で逆上せる方だったけ?」
「ギグッ!そうだぞ!知らなかったけ!」
「うっうん…?」
「そういえばオラと一緒に入った時も鼻血出してたもんな?」
「だっだろ!」
(ナイスアシストだ!ヨーコ!)
「私と入ってる時には逆上せたりしないのにね…?不思議…?」
「不思議だよな、あはは。」
「リュウカは女の裸に興奮して鼻血出すタイプだもんな?」
«えっ!»
「ぐふっ!ゴホッ、ゴホッ。」
「ちょっと何やってるの!」
「大丈夫ですか!」
「あっああ。」
(それは言っちゃ駄目だろ!ヨーコ!)
「もう?ヨーコちゃんが変なこと言うからだよ?」
「そうよ。リュウカは自分大好きナルシスト人間だけど。そこまで変態なわけないわ。ねっ?リュウカ?」
「そっそうだ…?」
(アリアとアンナの信頼に良心が痛むなぁ…?)
「えっ?でも前にリュウカは…」
「ストーーップ!!」
「むぐっ!」
俺はお喋りヨーコの口を手で塞いで後ろを向かせた。
「ぷはぁ。何するんだよ?」
「おまえ絶対に俺が女好きだぞって言おうとしたろう?」
「駄目なのか?」
「それはおまえと俺の約束なって言ったよな?」
「そんな約束したっけ?」
「あれっ…?してなかったっけ…?まぁいい、今したって事で、絶対に他の人に軽々しく言うなよ?いいな?」
「へいへい。わかったよ。」
「二人で何ヒソヒソ話してるの…?」
「あっいや!勘違してる部分があるみたいだから修正しただけだ!」
「そっそう…?ふわぁぁ…」
「アリア?眠いんじゃない?」
「うん…」
「ではパジャマパーティーはこのぐらいにして。そろそろ寝ましょうか。」
「気を遣ってもらってありがとうございます。」
「いえいえ。」
「明日の朝ご飯が待ち遠しいべ。」
「あんたはそればっかりね…?」
「ふぅ。」
俺は深く言及されなくてよかったと胸をなでおろして立ち上がるとアリア達と客人用の部屋に移動しようとした。
「リュウカ様!どちらへ!」
「えっ…?俺らが寝る部屋に戻るだけだけど…?」
「何を仰ってるんですか!リュウカ様はワタクシと一緒に寝てくれるはずですよね!」
«えっ!?»
「あれ、本気だったのか!?」
「もちろんです♡約束は守ってください♡」
「わっわかったよ…?」
「やったぁ♡」
「というわけだから。俺はメグと寝るな…?」
「うっうん…?」
「わかったべ…?」
「了解よ…?」
「では皆さん!おやすみなさい!」
«おやすみです…»
「おやすみ…」
「おやすみな…?」
三人が部屋を出ると、メグが少し申し訳無さそうな顔をした。
「強引すぎましたよね…ワタクシがリュウカ様と一緒に寝るの…?」
「自覚はあったんだな?」
「きっと皆さん今頃…ワタクシが世間知らずのお嬢様だと思ってたりして…?」
「アリア達はそんなこと思わないって。」
「でっですよね…あの人達いい人ばかりですもんね…」
「メグ。君も良い子だな。」
「そうですか…?わがままじゃありません…?」
「他人のことを思いやれる時点でわがままじゃない。お嬢様ってもっと生意気なイメージがあったのに真逆だぞ。俺、メグみたいなお嬢様好きだな。」
「リュウカ様…」
「寝ようか。」
「はい♡」
二人でベッドに入った。
「ワタクシは一人っ子ですから。こうやって姉妹みたいに寝るの夢だったんですの。」
「俺がお姉ちゃんってこと?」
「そうです♡リュウカお姉様です♡」
「お姉様か…そんな感じに呼ばれたの初めてだから…どう反応したらいいか…」
「リュウカお姉様♡」
「お姉様呼びが固定しちゃったな…?何?」
「チュッ。」
メグが俺の頬にキスをした。
「なっなっなっ!何でキスした!?」
「まぁ♡昨日、頬にキスしてきたのに♡リュウカお姉様がそれをいうのはおかしくありませんか♡」
「そっそうだけどさ!あの時はアリアが偽物だって見破るためにしたのであって!メグだってそれは知ってるはずだろう…?」
「理由はどうであれ♡キスされたことは事実です♡ワタクシがキスを返しても構わないはずですよね♡」
「ぐっ、わかったよ。俺の負けだ。キスされても文句は言えません。」
「じゃあ♡もう一度しても♡」
「だからって調子に乗らない。キスは将来、好きな人が出来た時のために大事に取っておいた方がいいぞ?」
「ワタクシ。リュウカお姉様が大好きですぅ。」
「はいはい。俺も友達として大好きだって。」
「リュウカお姉様って鈍感だって言われたことありません?」
「あるけど…?」
「やっぱり。まぁ今はいいです。焦らずにアピールしていきますから♡」
「そうか…?」
(何をアピールするんだろう…?)
リュウカは自分の恋愛に関しては本当に鈍感なタイプであった。
「スゥゥ…スゥゥ…」
「抱きついたまま寝ちゃった…?この子、多分、ぬいぐるみとか抱き枕にしないと寝れないタイプなんだろうな…?」
「えへへ…リュウカお姉様…」
「寝言まで俺かよ。本当に可愛い奴だな。」
リュウカは自分の胸に抱きついて眠るメグを見ながら、ゆっくり眠りについた。
〘リュウカ達が気になって眠れない…〙
客人用の部屋で寝ている三人が寝れずに寝不足になったのは言うまでもない。




