第38話 ドラゴン娘、冒険者登録する。
「お話はギルドマスターから聞きました。リュウカさんの冒険者の登録を行いたいと思います。」
「よろしくお願いします。」
「おぉ!リュウカちゃんが冒険者になるのか!」
「こりゃ大型ルーキーの誕生だぞ。」
「私、後で絶対にパーティーに誘うわ!」
「断られるからやめときなさいって。」
「ただ冒険者登録するだけなのに、みんなから注目されてるべ。」
「なんか照れるな。」
「ではまず身元確認としてステータスを拝見させて頂きます。この鏡に手を合わせたください。」
受け付け嬢は机の上に鏡を置いた。
「あっあの、ステータスは見ないと駄目ですか…?ちょっと知られたくない事があるんですが…」
「ああ、あの事だべ。大丈夫だぞ。」
「大丈夫って?」
「ギルマスから事情は聞いてあります。ですがご安心ください。ステータスで表示されるのはランクに名前とLv、性別、年齢と現在の職業だけとなります。あなたが何の半人かまでは表示されませんから。」
「なっなんだ。そうだったんですね。」
「だから言ったろう。」
(しかし、そこまで自分が何の半人か隠すなんて、余程、人前じゃ言えない半人なのか…?)
「手を合わせればよかったんですよね。」
リュウカは鏡に手を合わせた。すると目の前にステータスが現れた。
〚リュウカ・マジ Lv10〛ランク未定
性別:女 年齢:15歳
職業:ポーション屋の従業員(変更可能)
(本当だ、俺がドラゴン娘だってことは書いてない。)
「へえ?おめえさん、オラより二つも歳下だったんだな?てっきり同い年か一つ年上だと思ってたべ。」
「えっ?ヨーコって17歳だったのか?」
「アンナだってそうだべ。オラ達同い年だもん。」
「そういえば前に聞いたような…?」
「はい。身元確認には済みました。こちらの情報をもとに冒険者カードを作成致しますので、少しお待ち下さい。」
「はっはい!」
「オラのこと、これからは先輩って呼んでもいいだぞ?」
「おいおい…?今さら先輩ヅラされてもな?」
「アハハハッ。冗談だ。今まで通りフレンドリーな関係でいるべ。」
「フレンドリーね…?」
「お待たせ致しました。冒険者カードが完成したのでお渡しします。」
「おぉ。これが冒険者カードか。」
受け付け嬢から冒険者カードを受け取った。
「カードに間違った記載がないか、確認をお願いします。」
〚リュウカ・マジ Lv10〛Eランク
性別:女 年齢:15歳
職業:ポーション屋の従業員(変更可能)
「大丈夫ですね。ランク以外はステータスに書いてあるのと同じです。」
「では手続きは以上です。あなたの冒険者としての活躍を当ギルド一同期待しています。」
「はい。ありがとうございます。」
「おめでとう!」
「これからの活躍が楽しみだな!」
「困った事があったら先輩の私達に何でも聞きなさいね!」
「そうだぞ!遠慮なく頼れ!」
「私はリュウカちゃんの好きなタイプが知りたい!」
「あんたは黙ってなさい。」
「皆さん、ありがとうございます。」
「さっそくだけどオラと!ぐへっ!」
「ねぇ!私達のパーティーに入らない!」
「ぜひ、俺らのパーティーに入ってくれ!」
「いや、ボクらのパーティーに!」
「私の!」
「俺の!」
リュウカの周りにパーティーに入らないかと人が集まった!
「ちょちょっと!こんなに一斉に押しかけられても!」
「むぅぅ!オラが最初に誘ったんだぞー!」
それからどうにか誘われたパーティー全部を断り、ヨーコが俺のアイテム・ボックスに預けていたダンジョンで手に入れた素材を買い取り場で売って用事は済んだので家に帰っていた。
「いやぁ。参った。参った。あんな大勢にパーティーに誘われるとはな。まぁ俺は美少女で強いし、当然だとは思うが。」
「自分でいうとか本当にナルシストだべ。」
「あれれ?ヨーコがまず先に誘ってきたくせに?」
「そっそうだよな…」
「俺も今日から冒険者か。すげえ冒険したくなってきたな〜!」
「だったらオラと本格的にパーティー組んで冒険の旅に出るべ!」
「俺もヨーコとなら冒険してもいいと思う。」
「本当か!」
「でもな、今の暮らしにも満足してるんだ。アンナ達との生活は楽しくて町から出るのに躊躇いがある。」
「そうか、アンナも大事な店の従業員のリュウカが居なくなると困るよな。」
「ああ、だからこないだも言ったが、すぐには決められないな。」
「じゃあ、1週間待つ。」
「何で1週間?」
「実はオラ、この町のギルド以外にも依頼を頼まれてるんだ。だから早くて1週間後にはそこに向かうためにこの町を出るんだ。」
「だからなのか。それはアンナとアリアは知ってるのか?」
「ギリギリまで言わない、オラ、変に気を使われたり、辛気臭いのは嫌いなんだ。」
「そうか、わかった。1週間以内には返事を出すよ。」
「よろしく頼むべ。」
「かしこまるなよ。ヨーコらしくもない。」
「だったよな。」
「ってあれっ?店の前に馬車が停まってるぞ?」
「本当だ。馬車で買い物に来る客なんて、オラ初めて見たべ。」
すると執事みたいな白髪の老人が日傘を差して、見るからにお嬢様な金髪の女の子を馬車から手を引いて降ろした。
「セバスチャン、ありがとう。」
「いえいえ。お嬢様。」
「あんな高そうな服着た奴見たことないべ…?相当な金持ちの娘なのは確かだぞ…?」
「だっだよな…?」
するとそのお嬢様と執事が俺らに近寄ってきた。
「あの子、オラ達に用があるんだべか…?」
「ヨーコもそう思うか…?」
「きゃはぁぁ♡リュウカ様♡」
「えっ!?」
「何!?」
お嬢様はリュウカに抱きついた。
「はぁぁ♡また会える日を待ち焦がれていましたの♡」
「また会える日を待ち焦がれてた…?」
「状況が全く読めないんだけど…?君は一体、誰だい…?」
「紹介が遅れました。この方はトーチの町を治めていらっしゃる領主、ミール・クラウン男爵の一人娘であらせられる、メグお嬢様でございます。」
「そうですの!」
«この子がこの町の領主の一人娘!?»




