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大樹の陰から

静かな木陰でまどろみ目覚めて


膨らむばかりのカタチのない想い


捉えどころの無さに心細さおぼえて


のばした腕 指先にカサリと触れたのは


去年の蝉のヌケガラ



違う姿になって飛んで行ってしまっても


こうして過去のカタチ残してる



それは


残骸でも未練でもなく 


力強く飛び立ったという証拠



あなたがあなたであった証で 


次のステップに挑んだ証明



今はカラになってしまっても 


かつて確かに満たされていたウツワ



今更もとのカタチに収めなくてもいい


収まるものじゃない



あなたは知ってた



もうそのカタチに収まらないくらい広がって


自由に


風に 雲に 雨に 煌めきに 


散らばって 降り注いで


そして


届いたよ




同じ時代を生きているのに


同じに流れない時間のせいで


私たち離れてしまったの



だけども届いた


確かにあったこころ




大きな樹


守るように塞ぐように


覆い被さる真っ黒な重い陰



強く風に揺さぶられた瞬間だけ


秘密みたいに落ちた木漏れ陽は


細い糸のように煌めいて


針のように真っ直ぐに


少しの温度と痛みをもって


届けてくれた


こころを



途切れた風の親切な静寂は


私に考える時間をくれた



どこへ飛び去ったかわからない


自分という翼を持ったあの人は


過去にくれたこころが今私に届いたことを知らない


知る必要もない




いつか見た夕焼けより


もっと綺麗な夕焼けを2人で見ようね


果たされなかった約束


いつか見た夕焼けより


もっと綺麗な夕焼けを2人で見ようね


今なら果たせるよ



違う場所から


今の自分の居場所から





守るように塞ぐように


覆い被さる安全な大樹の陰から


自分の足で歩いて行くよ



私にはまだ翼がないから


歩いてみるよ


空が見えるところまで




いつか見た夕焼けより


もっと綺麗な夕焼けを2人で見ようね


果たされなかった約束


いつか見た夕焼けより


もっと綺麗な夕焼けを2人で見ようね


今なら果たせるよ



違う場所から


自分の居場所から



きっと同じ空見上げてる



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