表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/32

3.悪役令嬢の計画

ナリアンヌ・ハーマートがこれからすべきこと


・ばあやを殺させない→毎年の献血でなんとかならないか模索 入学直前は注意!


・お母様と交流する→お母様は忙しいけど、攻略本ではわたくしを守ろうとしていた描写があったから、交流を深めて問題行動をとがめてもらえるようにする


・お兄様と交流する→お兄様も傍若無人な妹を嫌っているだけで現状では、比較的仲の良い兄弟(わたくしが倒れてからは、面会をばあやによって禁止されており、ちらりとしかお姿を拝見できていません)のため、現状を維持する


・第一王子と婚約しない→王家に嫁ぐことのできる年齢の子女では、わたくし以外女子がいないため、回避は難しいかもしれないが、回避したい お母様にお願いできるような関係性を


・素行不良ではなく、素行は問題ないように注意する





「学園入園前では、このくらいかしら……? あと、せっかくの異世界ですもの。わたくしのしたいことも考えましょう」




ナリアンヌ・ハーマートが実現したいこと


・ペットを飼う→時間がなくて実現できなかった前世からの夢。できれば、愛らしい子猫


・いろんなところを見て回る→実現するには、魔法使いとしての技術を磨いて、魔法使い協会に派遣されるような実力者になる、その他の方法も探す


・容姿を磨く→せっかく愛らしいナリアンヌに転生したのだから、持てるものは使う 前世はゆっくり美容を楽しむ時間もなかったから











「とりあえずのところは、これくらいかな?」


 ふふん、と満足げにわたくしは、たちあがりましたわ。




「では、ばあやがいない隙に、お兄様との交流を深めますわよ!」











「お嬢様に坊ちゃま? どういう状況でしょうか?」


 部屋を抜け出し、あっさりとお兄様を見つけたわたくしが、逃げ回るお兄様を捕まえようとしていたところ、ばあやが戻ってきました。


「あら? ばあや、早かったわね?」


「お嬢様? まだ安静にしていないとだめでしょう!? 皆のものも、何をしているのです!?」


「しかし、お嬢様がお坊ちゃまをお捜しにいかれると……」


「だまらっしゃい! いいですか!?」



 そうでしたわ。ばあやは、怒ると怖いのです。わたくしには甘いものの、叱るところは叱るタイプです。



「ばあや、みんなを怒らないでちょうだい? わたくしが、ばあやを守るためにお兄様に鍛えて欲しいとお願いしに来ただけなの!」


「そうなんだ、ばあや。ばあやを守るために強くしろって突然追いかけ回されて、でも、安静にするために面会禁止とばあやに言われていたから、必死に逃げていたんだ……。でも、僕もばあやを守るために強くなりたい!」


「まぁまぁ! お嬢様に坊ちゃま!! なんてお強く育たれたのでしょう! まるで奥様のようで、ばあやも心強いですわ! そんな愛らしいお二人は、わたくしが守って見せますわぁ! 今夜は宴ですわよ! ばあやは、ドラゴン肉を急いでとってきますからね? お二人でゆっくり待っていてくださいな? お嬢様が回復なさったら、ばあやと一緒に訓練いたしましょうね?」


 そう言って、優しく微笑んだばあやは、わたくしとお兄様の頭を撫でていそいそと出て行きました。



「お兄様。さっきばあや、王丸鳥をとっていらしたの……」


「王丸鳥はまだ……丸一日かければ、僕も一人で討伐可能だから……ばあやほどの実力者なら……」


「ドラゴンって一人で討伐可能なのかしら?」


「……歴史上、そんな情報はどこにもないね」



 お兄様が、第一王子殿下を越える実力派の隠しキャラだった理由がわかりました。確か王丸鳥も全長2mで凶暴な丸鳥です。それを子供の身でお一人で討伐できる……そんな英才教育をばあやにほどこされていたのです。納得いたしましたわ。


「ばあやが戻ってくるまでに、わたくしと一緒にトレーニングプランを考えてくださいませんか?」


「もちろんだよ、ナリアンヌ。身体は強く、でも、淑女として体付きががっしりとしすぎないように、一緒に考えようか?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ