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世界樹転生─目的は異世界支配とビキニアーマー開発─  作者: 藤井ことなり
帝国との触発編
99/120

決闘(VSホクトウ・ノーケン)

 撲殺拳闘士という格闘技でもあるのかなと思いながらも、週一でひと月だけいった空手教室を思い出しつつ構えをとる。

 それを見てをホクトウ・ノーケンがせせら笑う、どうやら素人丸出しだと見抜かれたようだ。だがこちらは痛覚を消すというチート能力ともいえる男性型世界樹製躯体(マリオネット)だ、それこそ指先ひとつでダウンできるくらいにな。


「噴!!」


 互いに間合いに近づくと、ノーケンが右ストレートを顔面に打ってきたので避ける、と同時に左フックが右脇腹に打たれた。

 後ろに下がりピーカーブースタイルの防御をすると、待ってましたとばかりにノーケンが連打してくる。今度は下がらずに打たれるにまかせる。


「わぁたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた」


 おおすごい威力だ、構えが外せない、しかも上下左右斜めとそれぞれを重かったり軽かったりして、考える余裕を与えさせない打ち方、なるほどこれが撲殺拳闘士ということか。


 腕鎧(アームアーマー)精霊力盾(ソウル・シールド)を薄く出しているがそれが打ち砕かれる。そのたびに生成させているから、はたから見るとオレが壊れまくっているように見えるだろうな。

 だがちゃんと考えている。あえて壊れるようにして打撃軽減効果(ショックアブソーバー)にしているのだ。


 ノーケンの攻撃が止まり、下がって間合いをとる。


「ふん、なかなかの防御力だな。こちらが疲れるのを待ってからの反撃狙いか、だがそうはさせん」


 今度はノーケンが構えて待つ、打って来いというつもりらしい。オレの格闘技は大したことないからカウンターで倒すということか。

 じゃあ攻めなきゃいいじゃん、というところだが、ノーケンの後ろに連なる長蛇が視界に入る。やるしかないか。


 正拳突きを打つ前の構えのまますり足で近づく。間合いに入ってもノーケンは打ってこない、どういうつも──ノーケンが消え──うわあぁぁ。


 ノーケンは素早くしゃがむと両足でオレの足元をカニバサミでつかみ倒して、背後から馬乗りになり、オレの顎を両手で掴んで引っぱり上げる、キャメルクラッチだ。


「ふははは、撲殺拳闘士の名前で勘違いされがちだが、ちゃんと極め技(サブミッション)もつかえるのだ。このままその首を引き千切ってくれるわぁ」


 こ、これはちょっと困ったぞ。正直関節技の対策は考えてなかった。関節技は完全に極まると脱出できないと知識では知っていたが、本当にはずれない。いや、それだけじゃない、撲殺拳闘士と名乗るだけあってノーケンの腕力がスゴいんだ。このままでは駆体が壊れてしまう。


精霊力剣(ソウルソード)


 精霊力剣(ソウルソード)を出して見当つけて振り回す、憑依を外せばどんな位置なのかわかるんだが、そうすると駆体の防御力が無くなってそれこそ首が引き千切られてしまう。


──クッキーなにやってんだ、とっとと脱出しろよ──


──それがペッター、この撲殺拳闘士けっこう力があって……──


──そのままじゃ駆体が、俺いらの作品が壊されるだろ、なんとか脱出しろよ──


──どうやって──


──[世界樹の実]で一時的に強くなってたろ、その応用で力ずくで引き剥がせよ──


 あ、そうか。BAはまだ全力を出してないんだ。あのマンガのように全身強化みたいに精霊力(ソウル)を使えば。──精霊力を宝珠(オーブ)を通して全身に纏わせて、防御力、瞬発力、耐久力を上げる。[祝福の呪文(ブレスパスワード)]は……[精霊力装備(ソウル・コート)]。


精霊力装備(ソウル・コート)


 |男性型世界樹製躯体四号《マリオネット4》の全身が緑黄色に輝く、オレの顎を掴んでいるノーケンの両手を握り無理矢理引っ剥がす。


「な、なにぃ」


 逆エビ固めの姿勢からノーケンを前に投げ飛ばす、そしてようやく立ち上がれた。


 か、過信してたぜ。BAを身に着ければ強くなれると勘違いしてた。BAを使いこなして初めて強くなれるんだ。コイツはまだ試作品、まだ伸び代があるんだ。そしてそれをやるのは他でもない、オレ自身だ。


 ふと見るとノーケンのヤツが慄えていた。


「どうしたノーケン」


「な、なんだよそれ、バケモノみたいな闘気なんて……そんなのそんなの聞いてないぞぉぉ」


 精霊力装備(ソウル・コート)の供給源は[世界樹の森]の精霊力(ソウル)、つまりひとりのヒト族であるノーケンからすればケタ違いの闘気を纏っているように見えるのだろう。恐れおののくのは当たり前か。


「ならば負けを認めるか」


「そ、そんな恥になることはできん」


「じゃあどうする」


 静かに歩み寄る、ノーケンは後退りし闘技場の端に追い詰められる壁がわりの草はだいたい腰の高さだ。ノーケンが追い詰められているのは順番待ちの連中にも見えているだろう。進退窮まったノーケンは闘技場の外つまり草原の中に飛び込んで隠れる。


「ノーケン、闘技場の外に出たら負けだぞ」


「いーや違うね。オレはまだ負けを認めていない、負けを認めるか戦闘不能になるまでは負けてない。お前がそう言った」


 屁理屈を……。ああそういや最強兵決定戦も負けを認めてなかったな、そういう性格のヤツだったか。面倒くさい。


「ならオレもそうさせてもらおう。アディ」


 合図とともにアディの操る触手ツタがノーケンの手足と首と胴に巻きつき持ち上げ、ノーケンは磔のような格好でオレの前に連れてこられる。さぁて、どうしてくれようか。

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