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世界樹転生 異世界支配とビキニアーマー開発史  作者: 藤井ことなり
帝国との触発編
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娘の成長

 フタハのところに行く前に、アンナに現状を伝えてしばらく留守にすることも伝える。


「どのくらいですか」


「そんなにかからないよ、真夜中までには戻る。ただ油断はしないでね」


※ ※ ※ ※ ※


 世界樹の森の北側は、ほぼほぼ草原である。

 森の西側にある広大な[ピザトラ大砂漠]は海のようにきめ細やかな砂が波打っている。それはおそらく地下水と風、それに天体の動きが作用しているのが原因らしい。

 そんな砂海を受け止めて拡がらないようにしているのがぶ厚くて強固な岩盤だ。それゆえ砂海からかなりの広範囲が不毛な荒野となっている。


 そこにオレが植物を植え生やしているので緑化しつつある。おかげで今現在戦争になってしまったのは本当に予定外だがな。


 フタハは草原にたまに立っている、はかなげな木に憑いていた。

 これだけ硬い岩盤だと芝生のような地面の表面に生える草が精一杯で、カーキ=ツバタ王国との連絡路に力を入れていたのも手伝って、北方は森林化がかなり遅れている。


──フタハ、お疲れ様。変わったことは無かったかい──


──今のところないっぺ。マナが少なくて困ってるっぺよ──


──ああそう……──


 上級ドライアド(アドバンス)は皆んなアディのコピーみたいな顔姿で言葉も同じようだったのに何か変な言い方になってるな。

 とりあえずアディを挟んでおでこをくっつけ、同期(シンクロ)、アプリを送る。


 上級ドライアド(アドバンス)に直接送ることも可能なのだが、高位樹木精霊(ハイドライアド)のアディより能力が落ちるので、オーバーフローを起こす可能性がある。

 だからアディを経由して安全かつ正確に送る必要があるのだ。


 よし、無事終了。とっぷり日が落ちた周りを見ると、微かに灯りがともっているのが見えた。


──フタハ、あれは?──


──ああ、村だっぺ。ヒトハんが[はじまりの村]とか言ってたっぺよ──


ああ、あれが[はじまりの村]か。なるほど不便そうなところにあるな。

 この辺りの岩盤では水が手に入らないだろう、だから水を求めて川沿いにしたのか。


 商隊(キャラバン)や旅商人だったモーリによると、ここからさらに北に遊牧民族が多数住んでいて、もともとの街道は海の産物を[はじまりの村]を経由して北の遊牧民族に売るのがはじまりだったらしい。


──塩か──


 いつの頃かどういう経緯でそうなったかは分からないが、とにかく生きるのに必要な塩と水が街道ができた理由のようだ。


──とりあえず異常は無いようだな。フタハ、引き続きこの辺りの見張りを頼むぞ──


 オレとアディはミツハのところへと向かった。


※ ※ ※ ※ ※


 おかしいな……。


 ミツハはゾフィとエニスタのサポートを頼んだから街道沿いのどこかにいるはずなのに、なぜかヒトハと一緒にカーキ=ツバタ王国にいるぞ。


──ミツハ、どうしてここにいるんだ──


──お、オヤジか。どうしたんでぇ──


……。


 アディに小声(?)で訊ねる。


──あの、アディさん。上級ドライアド(アドバンス)の皆さんの言葉遣いがおかしくなってるんですけど──


──前に同期(シンクロ)したときに上級ドライアド(アドバンス)の区別がつかないって言ってたでしょ。だから言葉遣いで個性を出すようにしたんだけど、イヤだった? ──


ああ気を遣ってくれたのか。それなら外見で変化をつけてほしかったなぁ。まあいいか。


 王国の限定対魔術結界のおかげでミツハは城壁の外にいる。


──言われたとおりによぉ、ゾフィ達の面倒をみてやったんだよぉ。んでもよぉ、なんやかやでココに来ちまったんだよぉ──


──アディ、通訳を頼む──


 ミツハとアディが同期(シンクロ)してから、オレに同期(シンクロ)する。ついでにミツハにアップデートをすませる。


 ミツハの見聞きしたことがオレの中に入り、ざっと確認。ふむ、昨夜ゾフィ達は王国までの街道を走り抜け、明け方頃に外周り街道との辻まで来たと。

 そこから外周り街道を南下して、帝国軍からの部隊、男3人に遭遇。おおすごい、ふたりで鎮圧したぞ。

 それから……ん、なんだ、なにか書類を見てもめてるぞ。それから……あ、3人とも始末してもどって来た。なんかずいぶんと慌てているな、表情も険しいぞ。で、そのまま王国に来たと。


──ミツハ、死体はどうした──


──そのままでぃ──


──触手ツタをつかって隠してきてくれ。あとで分かるようなところに埋めてくれればいい──


──がってんでぃ──


 ミツハが行ったあと、何が起きたかを考えてみたが、やはりよく分からない。


──とりあえずヒトハとユーリに連絡をとるか──


 ユーリの部屋のデンワツタにつなげると、ヒトハが出た。


──お父様、お母様、ヒトハです。どうかなされましたか──


──ヒトハか。王国の外に来ているんだが、何処にいるんだい──


──王宮です。今そちらに向かいますね──


 王宮のなかだと?! ヒトハは中に入れなかったのになんで入れたんだ。


 すぐにやってきたヒトハは、姿が変わっていた。

 他の上級ドライアド(アドバンス)と似ているが耳がエルフのように長くなり、何というか落ち着いている、知的な感じがする。


──ヒトハ、なんか変わったな──


──ユーリ様と永遠契約(マリッジ)しましたので──


 どういうこと? その疑問にはアディが答えてくれた。

 精霊との契約でも永遠契約(マリッジ)は契約者の影響を受けやすいそうだ。

 つまりユーリの影響を受けたからエルフっぽい顔になり落ち着いた性格になったのか。


──あの甘ったれた感じのヒトハがねぇ──


 ひとり暮らしした娘が帰省したら大人っぽくなってたって、こんな感じかな。


お読みいただきありがとうございます。


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