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世界樹転生 異世界支配とビキニアーマー開発史  作者: 藤井ことなり
帝国との触発編
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無礼な訪問者たち

 ──外に出てみると、日が落ちかけていた。いつの間にか一日経っていたらしい。

 3Dプリンタの試作と四号機組み立て待ちで、時間をくったか。


「とりあえずモーリのところに行って、デンワツタの設置と、こちらの要求を伝えるか」


世界樹庭園(マイガーデン)からモーリのところに行くのも、わりと時間がかかる。これが解消されると思うと、足取りが軽い。


※ ※ ※ ※ ※


 大使館代わりの大型馬車が見えてくると、様子がおかしい。


「……ウマがいるな。モーリのものはユーリが使ってカーキ=ツバタにいるはずだから、別のものか。となると王国の使者が来ているのかな」


 来客中ならすこし待とうと思ったが、なにか騒がしい。

 気になって側により中の様子を伺う。


「だから、そのような事実はないと言っているでしょう」


──モーリの声だ、めずらしく声を荒らげている。


「この森を見て廻ったが、人っ子一人いないではないか、カーキ=ツバタがでっち上げた国なんだろう? この事実を他国にふれまわれば貴国の信用はがた落ちだぞ」


──こっちは知らない声だな。どうやら王国の者ではないらしい。


「ユグドラシル樹立国はちゃんと存在している、国王は現在不在だが、ここは間違いなく彼の人の領地だ」


「ならば貴国というか貴殿はなぜここに居るのだ。弁舌で誤魔化すためであろう。旅商人にも確認したが、ヒトが住んでいる気配は無いという証言しかなかったぞ」


「それは……、この国は精霊の国だからだ。だから気配を感じられなかっただけだ」


「ふん、語るに落ちたな。つまりヒトが住んでいないんだろう、ならば誰のものではないということだ」


──なんとなく分かったぞ。どうやら帝国の者がモーリに問い詰めているらしい。ならばオレが出ないといけない場面だな。


「となると──アディ、アディ、訓練しているところ悪いけど手伝ってくれ」


精神通話で打ち合わせしたあと、気を取り直して馬車の扉をノックする。


「モーリ殿、夜分に失礼する」


突然の訪問者に、中で驚く気配がした。


「ど、どなたかな」


「ユグドラシル樹立国国王、クチキ・ユグドラシル・シゲルだ。遠征から戻ってきたので挨拶に来た」


そう言うと、助かったと言わんばかりなのはテンションで、お入りくださいと言われる。


 扉を開けて中を見ると、いつもの応接スペースでモーリに二人の男が詰め寄っていた。


 旅姿だが身なりの良い服装で、それなりの地位の立場とわかる。


「モーリ殿、こちらはどなたかな」


「御紹介します、クチキ様。海神ファスティトカロン帝国の御使者です。今日の昼過ぎにお越しになられて、わたくしめが応接差せていただきました」


 モーリが瞬時に空気を読んでくれたので、いつものくだけた態度ではなく、芝居がかった物言いをしてくれた。


 さあ、寸劇のはじまりだ。


「お初にお目にかかります、当国の代表、クチキ・ユグドラシル・シゲルです」


「…………」


 返礼をせず、ジロジロと見られて無礼にも目の前でヒソヒソと話される。礼儀知らずなのかな。


「……貴公がこの国、いや、森の主だと」


「その通りです」


「…………」


またしてもジロジロと見られて胡散臭そうな態度とともに鼻の先で笑われた。


「ふははは、これは面白い、こんな山猿が国王だと。こんな滑稽な出来事ははじめてだ」


「左様左様、ヒトの言葉を喋れるようだが、こんなみずぼらしい格好で国王だと。まるで子供の王様ごっこではないか」


 使者ってこんなに無礼なのかな? モーリとは大違いだ。さすがに不愉快になってきた。


 オレは口をひらきかけたが、その前にモーリが口出しをする。


「御使者殿、口が過ぎますぞ。この御方は次期世界樹候補にして、昨年のカイマ襲撃事件でカーキ=ツバタ王国を救ってくれた英雄なのですぞ」


「はん、カーキ=ツバタの災難は聞き及んでいる、一夜にして森に囲まれ獣人の大群を退けたとな」


「左様左様、公式の使者からも聞いておるから間違いないないだろうが、此奴がやったなどと信じられませんなぁ」


「まったくだ。それに世界樹候補だと? たかが精霊ではないか」


その言葉にカチンときた。


「精霊がどうかしましたか」


さっきから無礼な態度をとってる方を睨む。


「ふふん、神霊族の信徒としては精霊を崇め奉るなどとできはしませんなぁ。モーリ殿、貴殿もそうでしょう」


話をふられてモーリは慌てる。


「そ、それは、そのぅ……」


え、なに、その反応? モーリって腹の中ではオレのこと、いや、精霊のことをバカにしているのか?!


「貴国も神霊族の女神フレイヤ殿を信仰していましたなぁ。ならば精霊を崇め奉るなどと裏切る行為はしていないでしょう」


「それは──」


モーリが何か言い返そうとしたときだった。突如、馬車全体が揺れて全員が倒れそうになる。

 そして窓から扉から無数の触手ツタが入り込んできて、使者達の手足に巻きつき宙づりにする。


「わわっ、な。なんなんだこれは」


「うわぁ、離せ、離せぇ」


 宙づりになったふたりの前にスピーカーツタが一本やってくる。


「ずいぶんとナメたこと言ってくれたわねぇ、高位樹木精霊(ハイドライアド)のアディ様を怒らせたらどうなるか教えてあげるわ」

お読みいただきありがとうございます。


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