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世界樹転生 異世界支配とビキニアーマー開発史  作者: 藤井ことなり
帝国との触発編
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イノベーションするぞー

 ユーリが世界樹の森を出立したその日の夕方、相変わらす工作にいそしんでいるペッターのもとに声が届いた。


「ペッター、ペッター、聴こえるかい」


世界樹本体の根と繋がる己の脊髄を通して、頭に届くその声に手を止めて反応する。


「クッキーか、どうした、まだ一日も経ってないぞ」


「え、そうなの。もうチュートリアルというか修行は終わったんだけど」


「早いな、テキトウにやったのか」


「違うわ、いっちばん面倒な顧客をピックアップして何度も説明して提案して、あーじゃないこーじゃないと言われて、投げ出さずに忍耐強く聞き取って反映させて、ようやく納品と思ったら最初からやり直してくれと言われて、それでもめげずにだな……」


「わかったわかった、その辺の苦労は理解したよ。で、本来の目的である神霊紋は解読できそうか」


「ああ、たぶんな。ビキニアーマー各部の神霊紋を比較して共通項を見いだして、記憶してある美聖女戦士の戦闘シーンで解読できると思う。とりあえずマリオネットに憑依したいんだが」


「しばらく無理だな。点検整備用に分解したばかりだ、壱号機も弐号機も分解中」


「なんで」


「なんか戦争するかもしれないんだろ。四号機と同じ性能にしておこうと思って改良するつもりだったんだ」


「……気遣いありがとう。となるとしばらく精霊体としか活動できないのか、ユーリに会えないのかぁ」


「エルフなら居ないぞ、カーキ=ツバタにいる」


「なんで」


「クッキーの代わりだ。女王に会って話してくるんだと」


「ええ?! そんな簡単にやれるもんなのか」


「さあな。とくに気後れしてる感じはなかったぞ。急ぐんならとりあえず四号機だけでも点検してすぐ組み立てるぞ」


「頼む。となると……」


 精霊体状態のオレは、依代であるマリオネットが無いと繋がっている樹木から離れられない。

 現在の行動範囲は世界樹庭園、森、そしてカーキ=ツバタの巨大生け垣とその道中の木々というところか。


 つまりカーキ=ツバタまで行けるけど、精霊体だからユーリとコミュニケーションが取れない。この状態でも話すことができればなぁ。


「あ、そうか。やってみるか」


「どうした急に」


「ペッター、試してみたいことがあるから協力してくれ」


 そう言うとオレは触手ツタを一本、スキル[品種改良]で改造する。


「ええっと、先端を二股にして、双方に薄い皮膜を張って、片方は振動を精霊力を信号状態にして送り、もう片方は送られてきたのを振動で外気を震わせると」


 そうやって作った触手ツタをペッターの前に持ってくる。


「精神会話を切るから、そこの触手ツタを耳と口にあてがってくれ」


「なんだこれ」


手に取った触手ツタをあてがうが、使い方がわからないので反対につける。


「そっちじゃない、反対、そうそう。じゃ、切るよ」


 精神接続を切って、触手ツタに精霊力で信号を送る。


「──しもし、ペッター、聞こえるかい」


「おお、何だこれ、聞こえるぞ。──そうか、振動による通信線か」


「さすがだな、すぐ原理が解るなんて」


「動物の鼓膜や喉を調べたからな。なるほど、これならオイラ以外とも会話ができるな」


「それだけじゃない、遠方とも会話ができるんだ。カーキ=ツバタにいるユーリともね」


よし、受話器作製成功だ。さっそくカーキ=ツバタに行って端末を作ってこよう。


 と、その前に。


「ペッター、工房の横を改築するぞ」


「今度は何をするつもりだ」


「うまくいけばモノ作りの手助けになることさ」


 公立学校の教室くらいのスペースを三つ、板状の根で区割りして造ると、そのうち二つに触手ツタを配置、片方の先端は樹液を固めてレンズ状にする。

 もう片方は先端を硬質の錐状にして、それぞれを菌糸のネットワークで制御装置と接続、あとは樹液を拡げ固めて、十七インチくらいのサイズにする。


「さっきから何やってんだ」


 受話器越しのペッターからの質問に答えるために樹液モニタを触手ツタを使って目の前に持っていき、精霊力を電気信号のように縦と横からオンオフで伝える。

 すると、モニタにオレのイメージ映像が映った。


「どうだいペッター、見えるかい」


「ほお、これは……いいな。眼球の反対機能って感じだな」


「まあそんなところだ。異世界の技術でテレビというヤツだよ。これで目と耳で確認できるな」


「あっちの工事は何やってんだ」


「3D……じゃなくて、えーっと、三面立体測定器と、それを自動作製するヤツを造ってる」


「なんだそれ」


「まあでき上がってからのお楽しみ」


 テレビの制作がうまくいったので、あらためて四十二インチくらいのを作り、ペッターの部屋に設置する。


 今までも精神会話で映像も送れたけど、これで二画面的な演出ができるようになるな。


「ついでに口径の大きい触手ツタ──もうスピーカーツタと呼ぶか、それを付けたし、オレのライブラリから異世界の空想映像を観れるようにした。アイデアの参考にしてくれ」


「どんなモンか知らんが一応礼を言っておく」


はいはい。相変わらずへそ曲がりなヤツだな。


 さて、ユーリのところに行こうとしたが、あまりにもスムーズに話が進むので違和感を感じて気がついた。


「ペッター、アディはどうした」


お読みいただきありがとうございます。


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