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親が再婚したら、まさかの同級生が...!?

作者: K.A

俺には、父親がいない。俺が小さいころに交通事故でなくなったからだ。だから、俺は父親のことをあまり覚えていない。

そして、俺は高校生になり、高校生活をそれなりに楽しんでいた。しかし、その生活が一変する事態が起きた。いつものように部活動から帰ってくると、唯一の親である母から突拍子もないことを言われた。「お母さんね、再婚することになったの」と。これを聞いたとき、まぁ母さんが幸せになるならいっかと思っていたが、そんな考えは甘々だった。砂糖よりも甘かった。


母親に連れられて近くのファミレスに向かう。そう、これから父親となる相手と初顔合わせだ。


ファミレスについて俺は目を見開いた。

俺「…は?」

俺の目に映っているのは、これから父親になる相手とその娘であるクラスメイトの涼香(すずか)がいた。

俺「なんでお前がここにいんの…?」考えるよりも先に口が動いていた。

涼香「え?いやだって私、お父さんの娘だもん」

そもそも、母親から再婚するとは聞いていたが、娘がいるとは聞いていなかった。

俺「ねぇねぇ、母さん、娘がいるなんて俺聞いてないんだけど!」

母「あれ、言ってなかったっけ」

俺「言ってねーよ!」

俺ら親子がコントみたいなことをやっていると、涼香の父が話し始めた。

父「君が柊太(しゅうた)君だね。こちらは私の娘の涼香。よろしくね。」

俺「あ、はい。よろしくお願いします。」

父「ほら、涼香、柊太君にあいさつしなさい」

涼香「涼香です。よ、よろしく…」

俺「お、おう…」

俺と、涼香の間に微妙な空気が流れる。そこに母が話題を変える。

母「そういえば!柊太と涼香ちゃんは同じ高校なんだってね!」

父「お!そうなのか、ならちょうどよかったな!」

いや何がだよ!心の中で思わず叫んでしまった。

母「明日から一緒に住むことになるからね。」

俺・涼香「…は?」

母「じゃあ今日はこれで解散としましょうかね。」

そして、無事に?顔合わせは終了した。


そして家にて。

母「柊太、涼香ちゃんが来ても絶対に変なことするんじゃないよ!」

いや、変なことってどんなことだよ…と思いながらその日は寝床についた。


そして翌日…

涼香たちを迎え入れる準備をしていると家のインターホンが鳴った。

母「おっ来た来た」

母は非常にルンルンだ。

父「こんにちはー」

そして、涼香たち親子が入ってくる。

父「これからよろしくね。柊太君」

俺「はい、よろしくお願いします。」

着々と引っ越しの準備が進められていくなか、俺と涼香は、未だに話せないでいた。それもそうだ。そもそも涼香はクラスの中ではカースト上位の存在。対して、俺はカースト下位の陰キャ。そんな二人が同じ屋根の下で過ごすなんておかしいのだ。


涼香たち親子が引っ越してきた日の夜、俺たち家族は4人で夕飯を食べていた。親たちが話し始めるがそんなことは気にせず黙々と食べる俺と涼香。何もしゃべらない俺らを見て何を思ったのか、両親が話題を俺たちに振ってきた。

母「柊太と涼香ちゃんって学校では仲いいの?」

俺「いや別に」

涼香「あまり話さないですね」

父「そうなのか、じゃあこれを機に仲良くなれるといいな!」

俺「そ、そうですね…」

母「涼香ちゃんも柊太に何かされたらすぐに言っていいからね!」

涼香「ありがとうございます…」

わが母よ、何かとはなんだ、何かとは…

そしてまた話題が変わった。

母「そういえば、明日から私たちでハワイに新婚旅行に行ってくるから二人ともお留守番よろしくね!」

俺・涼香「は?」

何を言ってるんだこの人たちは…?

俺と涼香は思わず目を見開いた。

翌日、本当に両親はハワイに行ってしまった。

俺「本当に行っちゃったな…」

涼香「そうだね…」

やはり涼香とは話が続かない。何を話せばいいのか、わからない。そしてとても気まずい。

そういえば、まだ朝食をとってなかった。

俺「いまパン焼くから待ってて」

涼香「…わかった」

この焼いている時間にも微妙な沈黙が訪れる。ここで俺は話を振ってみた。

俺「涼香はさ、好きなゲームとかあるの?」

涼香「どうしたの急に」

俺「いや何となく聞いてみただけ」

涼香「好きなゲームかぁ…」

チーン!

ちょうどパンが焼けた。ジャムを塗ってサクっと食べる

俺「ご馳走さま。」

やはりご飯の時でも沈黙だ。

逆に静かすぎて怖い。

何か話題を振らなければと部屋で考えてた時。

コンコン

ノックだ。

涼香「柊太、入っていい?」

まさか、涼香から自分の部屋に来るとは思ってなかった俺は、驚いた。

俺「い、いいよ」

 「どうしたの?」

涼香「ちょっと相談したいことがあって…」

相談?スクールカースト上位の子でも悩みってあるんだなぁと思いながらも

俺「どうしたの?」

と返したらまさかの相談が出てきた。

涼香「兄妹同士が付き合うってどう思う?」

…は?何を言っているんだ。兄妹?付き合う?ダメだろ。と思っていたら涼香が口を開いた。

涼香「血がつながっていない兄妹は結婚できるんだって。」

俺「どゆこと?」

涼香「もう!鈍感だな!」

顔を真っ赤にしながら涼香は続ける。

涼香「だから!あんたのことが好きって言ってんの!」

俺「はい!?」

もう何が何だかわかんない。涼香が俺を好き?そんなことありえるはずがない。どうせ罰ゲームだろうと思って

俺「罰ゲーム?」

と聞くと、涼香の瞳からポロポロと涙があふれてきた。

涼香「こっちは本気なのに…」

俺「え、マジ?」

泣き出してしまったことに驚きつつも聞き返す。

涼香「返事は…?」

涙を流しながら俺に聞いてくる。俺も好きだけど…と考えながら言葉を探す。そして思いついたものは言葉でなく行動だった。俺は涼香に抱き着いたのである。涼香はとても満足そうな顔をしていた。

そして一言。

俺「涼香、俺たち、付き合おう。」

涼香は元気よく、

涼香「うん!」


俺たちが付き合い始めたことを両親に言うと、

母「血はつながってないしいいんじゃない?」

父「隣に同じく。」

と、あっさり認めてくれた。


そして、俺たちは結婚し、子供も生まれるのだが、それはまた別のお話。


Fin




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