表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/124

経験値稼ぎ 2

 食事が終わると、少し休憩をして、僕らはキャンピングカーのような居住馬車(きょじゅうばしゃ)を出る。


「さあ、狩りまくって、今日中にレベルを上げようぜ」


 急ぐタカオに、僕が軽く忠告をする。


「まあ、無理をしないくらいで行こうよ。冒険者になって、まだ2日目なんだし」


「うーん、そうだな。じゃあ、レベルが上がらなくても、日が(かたむ)いて来たら帰ろうか」


 そんな話をしながら、僕が倉庫魔法で居住馬車を格納する。休憩が終り、再び狩りの時間が始まった。



 僕らは畑沿いの道を散策(さんさく)していると、偶然にもジャッカロープの群れに出くわした。どうやら縄張り争いをしているようで、二つのグループがにらみ合って威嚇(いかく)し合っている。


一網打尽(いちもうだじん)にしてやるぜ!」


 タカオはそう言いながら、両手にそれぞれ剣とナイフを持ち、二つの群れの中心に突っ込んで行く。おそらく両方のグループを同時に相手にするつもりなのだろう。


 そして、中央に突っ込む。すると、両方のジャッカロープが、同時にタカオを攻撃してきた。

 タカオは両側からの攻撃を、華麗(かれい)(さば)ける…… ハズも無く、両側から角で激しくつつかれる。


「いた、いたた。二人がかりとは卑怯だぞ。ちょ、まっ、まって。た、助けて、ユウリ」


「分ってるよ。『回復の息吹(ヒール)』」


「あ、ありがとう。いや、そうじゃなくて」



 タカオへの攻撃から始まった戦闘は、いつの間にか群れの全体にも拡大していた。あちこちでジャッカロープ同志が、激しく角を打ちつけている。僕は回復役なので、あまり前に出て戦闘に巻き込まれるのは得策ではないだろう。


「タカオ、僕は後方支援に回るから、前線は任せるよ」


「えっ、ちょっと…… ああ、もう、こうなったら、やってやる!」


 戦闘は殴り殴られの、泥くさい戦いになった。角で叩き合い、HP(ヒットポイント)を少しずつ削る持久戦だ。それぞれの体力が減っている中、タカオのHPだけ僕が回復させているので、そのうち決着がつくと思う。



 やがて、長い戦闘が終わり、二つのグループはそれぞれの方向へ逃げていった。

 激しい打ち合いの後には、ジャッカロープの死骸が6体ほど残されている。切り傷もいくつかあるので、タカオの攻撃も当っていたようだ。


 タカオが息を切らせながら言う。


「はぁ、はぁ、やってやったぜ!」


「怪我はない? 大丈夫?」


「ああ、ユウリが定期的にヒールを掛けてくれていたらか平気だと思う。一応、ギルドカードで確認してみるか」


 ギルドカードは、魔法の効果で、HPやMP、状態異常などをリアルタイムで表示してくれる、とても便利なアイテムだ。


「HPは大丈夫だ、最大値のままになっている。あれ? HPの最大が増えてるぞ、もしかして…… レベルが上がっている!」


「ちょっと見せてよ」



 僕はタカオのカードを見せて貰う。すると、最大HPが12だったはずが、16に増えていた。もちろんレベルの数字も2に上がっている。


 もしかして、僕も上がっているのだろうか?

 ギルドカードを見てみると、僕は最大HPが22だったが、34に増えていた。


 僕のギルドカードを覗き込みながら、タカオが言う。


「HP34って、俺の倍あるじゃん」


「ま、まあ、神様だから少し優遇されているのかも。あっ、ここにスキルポイントとかあるよ、これで何か新しくスキルが覚えられるかも」


「お、良いね。それじゃあ、さっそくギルドに戻って、スキルを習得しようか」


 僕らは近くにあったジャッカロープの死骸を倉庫魔法で収納すると、街へと帰りはじめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 範囲魔法さえ使えれば… まあたかおさんはまたアレなことにスキル使いそう [気になる点] ユウリさん よく考えたら駄女神でもなんでもねえ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ