逃げろ
寒い。痛い。苦しい。
だけど走ることはやめられない。
なぜなら、後ろから確実に悪魔が近づいてきてる。
まさにリアル鬼ごっこ。(鬼じゃなくて悪魔だけど)
「まってよぉ〜」
悪魔はばったばったと木をなぎ倒しながら追いかけてくる。
マジで、本当、勘弁してほしい。
こっちは土砂降りの中1時間近く全力で走らされてもう死にそうなんだって。
奴に捕まってもどっちみち死ぬってのがまた辛い。辛すぎる。
ルアはただただ走り続けた。
リアード……!
早く、助けを呼ばなければ。
でも、まず後ろにいる奴をどうすればいい。
ああ、分かんないっ!!
まともに頭が働くわけがなかった。冷たい雨で視線は定まらず、足元が滑りやすくなっている山道を全力疾走しているのだ。
ルアはとっくのとうに限界を超えていた。
その時。
前から灯が近づいてくるのが分かった。
誰かいるっ!
「ちっ!」
舌打ちが聞こえて振り向くと、悪魔が空に向かって飛んでいくところだった。
あいつ、逃げる気だ!
ふざけるなっ!
近くにあった石を掴みとりぶん投げる。が、綺麗にかわされてしまった。
「悪魔だっ!悪魔が逃げるぞっ!」
「くそっ、ダメだ。逃げられる。」
「あっちに人がいるぞっ!」
「大丈夫かっ!?」
ああ、前から声がする。
人がいる。
助かった……。
一気に体の力が抜けてしまった。
その場に崩れ落ちる。
なんだか暖かい。人に抱かれているのか。
ああ、そうだ。リアードが……
「山の奥、家……ひ、とが、たおれて……」
ルアは残りの力を振り絞り、助けを求める。
ルアを抱えた人が頷く。
「分かった。すぐに人を行かせる。おい、お前た…」
そこでルアの意識は途切れてしまった。
やっと助けが来ました。
次は新キャラが登場です。
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