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使い魔生活スタート!2

めちゃくちゃ苛立ちながらカップを洗っていると、テオさんはすぐ私室から戻ってきた。

手にはノートのようなものと何か…箱を持って。



「それは?」


「お前はバカだ。」


「ちょ、テオさん失礼ぶっこき選手権一位取れるレベルですね???」


「お前はバカだ。だから、必要だろう。これが。」



そう言って渡してきたノートと、箱…これはいわゆる、筆箱?



「僕が使っていいってことですか?」


「それ以外になにがある。」


「いーいーかーたー!!!もう腹たってきました!

そうだ、って言えばいいんですよ!いちいち煽るな!」


「そこに必要なことや気になったこと、忘れたくないことを書け。紙は特別製、水に濡れても汚れても材質が劣化しない。」


「うわあスルーですか!

って、え、それはすごいですね…」


「今の状態を『定着』させてある。文字が書かれるたびに『定着』される。

このノートくらいなら、お前も勉強すれば作れるようになるだろう。目標の一つにでもすればいい。」


「…ありがとうございます。」



どんな状態でも使えるノートを、私のために用意してくれた。

私が文句言っても流してくれるし、やっぱり根本的にはいい人だ、と…わかってはいる。

もしかしたら私、煽り耐性が低いのかもしれない。



「それで決まりごとと言ったな。

一日二食、掃除は一日一回。買出しは行かなくていい。私が外出する日にまとめて補充する。

それ以外は好きにすごせ。ゴミは溜まったら言え。洗濯物は風呂場に干せ。私が気づいたら乾燥させる。それだけでいい。

食事はこだわる必要はない。最低限私よりまともなものを作ればそれでいい。」


「…僕の仕事少なすぎません?」


「お前は勉強があるだろう。」


「…でも」


「使い魔を一人前に育てるのも私の仕事だ。」


「いやだから使い魔じゃないんですって!!!」



まあ名前刻まれるし契約で縛られるしアクセサリー貰って身に付けさせられるし、衣食住のお世話されて、育成されているわけだけど!

…もうこれ否定要素がないなあ…



「……まあ使い魔でもいいです、もう…」



諦めてがくっと肩を落とすと、テオさんは喉の奥でククっと笑った。

だからその邪悪な笑い、好みすぎるから止めてほしいんだって。



「さて、まずはお前の魔力がどれほどの素質を持っているのか、自覚するところから始めるとするか。外へ出ろ。」


「はあい

あ、その前に身だしなみ整えていいですか?」


「…そういえばお前、着替えは」


「数着ありますよ!」



これでも旅に出るときにそろえたのだ。全部少年が着るような服で、丈夫なものだ。

なるべく似たようなデザインの服で、飾り気のないものを選んだ。

動きやすさに関して言えば、最高だ。


それを聞いたテオさんは、はあ、とため息をついた。



「まあ、いい。数着買い足しておく。」


「え、別にいいですよ? いまある分で問題ないです。」


「少ないだろう。」


「大丈夫ですって。お金かかりますし、出してもらうわけにもいかないですし。

そもそも僕のサイズ知らないでしょう?」


「お前は私にお前が言う『浄化』をされたことを忘れたのか。」


「……それって、あれですか。全身魔力で包んだんだからサイズ把握したぞってやつですか。」


「そうだが。」



………っていうか、あの。

それってさすがに私が女だってバレたのでは????

……かといって「僕の性別どっちだと思います?」とか聞いて「女」と返ってきたら確定になっちゃうし、もう下手に話題に出さないほうがいっそいい…かな…。



「………僕、それなかなかのセクハラだと思うんですよ。」


「お前は『セクハラ』という言葉が好きだな。使い方を何度か見るに、ようは『いかがわしいことをされた』と言いたいんだろう。」


「まあだいたい合ってます。正確には『合意ではないいかがわしいこと』です。」


「安心しろ。お前のような子供にいちいち劣情を抱くことはない。そもそも私はそういったことに興味がない。」



えっと、魅力を感じないし自分も興味ないから危機感持つ必要はないと言いたいんだよね?

それは、なんというか、とっても安心なんだけど…やっぱりセクハラしていい理由にはならないのでは???????



「でもでも、僕の服はいらないので!」


「お前の意思確認はいらない。私が必要だと思ったから用意する、それだけだ。」


ひええーーーー着るの私なのになんて自由な…

…でも買い与えてくれるのであれば、もう大人しく受け取っておこう。これ何言っても無駄ってやつだ。


「はあい…」


「他にも必要なものがあれば都度私に言え。」


「…はあい、あ、そうだ、テオさん僕の部屋の入り口に鏡があったんですけど、あれって」


「お前が必要だと言っていたから、お前の部屋にとりつけた。」


「あーやっぱり、ありがとうございます!」



そもそも部屋に入ってくるなっていうのは言いづらい話だし(なにせ居候)、用事がなければ入ってこないだろう。

もうそんなこと気にならないレベルのセクハラを受けているんだ、気にしたら負けだ、と思った。


ノートと筆箱をもらうってあまりに小学一年生。


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