序:空を飛ぶ夢 -Briefing-
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空がある。
視界の全ては紺碧に染まっている。全身を包み抱く雲一つない蒼穹は果てもなく広がり、どれだけ目を凝らそうが、その空間に『青の色彩』以外のなにかを見出すことはできない。
叶う限りに腕を伸ばしたところで触れるものはなく、ただ、爪先が虚空を掻くだけだ。それでも五指の間をすり抜ける冷やりとした風の流れが、その空間が完全な虚無でないことを教えてくれた。
空に投げ出されている。そう自覚した瞬間に、無限大の浮遊感と落下感が同時に襲い掛かった。途端、猛烈な運動量が五体を叩きのめす。まるで木の葉か羽毛のように身を弄ばれながら、自分は何処かへと凄まじい勢いで運び去られていく。
昇っているのか、落ちているのか、それさえも分からない。酷い絶望と混乱、そして恐怖が胃の腑を焼いた。行く先に待ち受ける結末は抗いようもない死だろうか。地に叩きつけられ砕け散るか、その前に大気に引き裂かれるか、どちらにしても大した違いはない。
諦観を受け入れかけた時、はたと気付く。何故、自分は飛べないと思っているのか。疑問はそのまま行動へと変化し、自分は無意識のうちに両腕を左右へ大きく広げていた。すると、指先が風を掴んだ。思わず握り込むと、手の中に確かな実感が返った。
飛べる。直感が信頼を経て事実へと変わるのにそう時間は掛からなかった。胸を張り、顎を引き、爪先を揃えて十字架のような姿勢を取る。イメージとしては飛行機に近い。意思を構えて虚空を睨み、握り込んだ空を手繰るようにして、羽撃く。
直後に与えられたのは限りない自由。自分は、思うがままに空を飛んでいた。
先程まであれだけ恐ろしかったこの広大な空間が、今では楽園も同然に思える。先程まで濁流のように叩きつけてきた風は、今では肌を優しくなぞるせせらぎのようで、己が身を前へ前へ進ませる原動力へと変わっていた。
心臓が熱い。鼓動は雷鳴の如く響き、血流が溢れんばかりの歓喜を乗せて全身を駆け巡る。胸を突き破って飛び出しそうな興奮と感動に従い、身を捩って空と踊る。ここではなに一つとして、自分を縛り付けるものは存在しない。笑い声が口から零れる。堪らなく愉快だった。
飛び続けている内、いつの間にか自分が一羽の鳥になっていることに気付く。まるで、生まれた時からそうであったような自然な感覚だ。
疑念も迷いもなく、翼を翻して急旋回し、身軽になった身体を天頂へと向ける。遥か彼方で輝く太陽を視界に納め、その眩い光を目指して駆け上った。疲れなどありはしない。何処までも行けると、確信が漲っていた。
ああ、なんと、なんと素晴らしいのだろう。
重力から解き放たれ、なにもかもを置き去りにし、ただそれだけの為に飛ぶ。
それだけで良い。それ以外にはなにも要らない。この蒼穹こそ世界の全てだ。
太陽が徐々に近付き、大きくなっていく。
光は益々強くなって、今では目を焼かんばかりだ。
一方で、背に置いた空の色は深く沈んだ濃紺へと移って行く。
終端へ近付きつつあるのだ。
その先にはなにがあるのか。
知りたいと思うが故に進む。
もはやこの身はそれだけを目的としていた。
思考さえ停滞として切り捨て、進んで行く。
生まれてきた意味が分かるような気がした。
やがて視界の全てが光に包まれ、色彩を失い完全に漂白された世界へと飛び込んだこの身は、緩やかに空へと溶け込み輪郭を失っていき――
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――そこで、目が覚めた。
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「――……、」
重い、という感覚が最初に生じた。
身体が重力に抑え込まれるあの重さだ。普段は当然に受け入れている筈のそれも、直前まで味わっていた自由な飛翔感の後では酷く煩わしい。なまじ意識がはっきりとしている分、実際に空から突き落されたような落差を感じた。
全身義体化を施された者の目覚めは常に一瞬であり、そこには僅かな微睡みさえ介入することはない。寝惚けるという生理反応は単にリスクを生み出す要因でしかなく、逆に、曖昧な睡眠も体力の回復を阻害するからだ。必要なのは、完全な覚醒状態か、完全な睡眠状態のどちらかのみ。
現状で求められるのは前者だった。脳殻内で自動分泌される覚醒物質の働きによって、俺は瞬時に目覚めていた。瞼の裏に広がっていた情景は跡形もなく掻き消え、代わりに完全な暗闇が現れる。文字通りに閉ざされた視界の中、あの果てしない紺碧の空はもう何処にも存在しない。
微かな名残惜しさが胸に蟠るが、いつまでも目を瞑っている意味がないことも理解している。夢を見る時間は終わりだ。俺は未練を断ち切るべく目を開いた。すると多機能視覚装置を経由して、ありのままの現実が脳殻へと入力される。
まず目に入ったのは、淡いオレンジ色の光に照らし出される鈍色の床面だ。そこからゆっくりと首を持ち上げれば、床面と同じ色彩の壁に閉ざされた、伽藍洞と呼ぶに相応しい空間が視界に入り込む。一般的には格納庫と呼ばれるその区画を、俺は普段から仮の寝床代わりに利用していた。
蒲鉾型――と表現するとジェイやエルたちは怪訝な表情をする――に構築された空間内は、多種多様な設備類に埋め尽くされている。収容物を固定する為のワイヤーフックや、簡易的な整備作業をする為の工具などが主に目に付いた。
もっとも、それらは今のところ俺以外の利用者が存在しない所為で、無用の長物と化している物品が大半である。唯一使用されているのは、俺が腰掛けている折り畳み式の固定具付き座椅子くらいのものだった。
暗がりに溶け込むそれらの造作を、多機能視覚装置によって補正された視覚が、一つ一つ個性付けてくっきりと浮かび上がらせた。複雑な陰影を形作る品々を改めて眺めてみると、存外賑やかに思えてくるが、所詮は物言わぬ無機物の集合体だ。寒々しい印象の方が先に立ち、表現するならば殺風景の一言で片付く。
「……クッ」
そこまで考えて、つい苦笑が漏れる。
無機物云々で語るならば、今の俺自身も大して変わりはないだろうに。身体の材料を金属類と炭素材と合成樹脂に置き換えられ、脳味噌も電子部品と生体式半導体からなる集積回路に過ぎず、それらの隙間を流れるものは潤滑材と人工血液だ。
鋼撃兵。通称SST。その運用理論は、戦闘行為の最小単位である兵士個人に、一個大隊クラスの戦闘能力を付与するという途方もなく狂ったものだ。
狂科学の産物とも呼ぶべき、人という容器に鉄と武を極限まで詰め込んだ、破壊と殲滅を義務付けられた人型戦術兵器。そのシリーズの中に於いて、運用開始としては十一番目に数えられる一個体。それが俺という存在の違得られない本質だ。
その身にほんの少しも肉を残していないような人間擬きが、今更になって親戚連中を見下すのも可笑しい話だろう。違いを挙げれば動けることと喋れることくらいだが、そこに本来の意味で自由と呼べるものがあるかと言えば――
《お目覚めですか、ケイ》
――その時、不意に耳元で響いた声に、俺は益体もない思考を中断させられた。
一切の情感を含まない機械的な音律で呼ばれたのは、俺自身を指し示す名称に他ならない。電子的に合成された『落ち着いた女性の声音』は耳障りの良さを考慮されたものだ。俺が応じないでいると、再びその声は流れ出す。
《お目覚めですか、ケイ・サーヴァー少尉。貴官の脳殻機能は正常な覚醒状態にあり、発声機能にも障害が生じていないことを確認済みです。もし、何らかの副次的要因の為に発話での返答が不可能な場合、筆記もしくは思考共有での会話を提案しま――》
「……聞こえているさ、<イチョウ>」
無感情につらつらと並べ立てられる文言へ、ややあってから俺は嘆息交じりに返答した。この補助知能――固有名称<イチョウ>――はこちらが黙っている限り、恐らく一日中飽きることも疲れることもなく喋り続けるだろう。
<イチョウ>は俺の脳殻内に増設された量子メモリを住処とし、その動力源は俺の心臓部である熱素機関から供給される純熱量エネルギーを共有している。即ち、こいつが完全に沈黙するのは「俺が死亡する」という状況を除いては、まず有り得えない。
俺たちは正しく運命共同体と呼ぶに相応しい存在であり、この饒舌な脳殻の同居者を黙らせる為には、話に付き合ってやる以外の方法は最初からないのだ。
《おはようございます、ケイ》
俺が応じたことで<イチョウ>は言葉を区切り、そんな挨拶をした。かと思えば、それを皮切りに次々と形式ばった言葉を垂れ流し始める。
《ご気分は如何でしょうか。なお、私のスキャンによれば貴官のバイタルサインは全て正常値にあり、脳殻内の神経伝達機能にも異常は見受けられませんでした。ご安心ください。貴官は至って健康体です》
この過保護な補助知能は、俺の身体状況を常に把握している。その機能検査行為の影響力は脳殻内は当然として人工血管の一本にまで及び、僅かな機能異常や誤動作さえも見逃さず、即時の調整と補修を行う。
言うなれば、全裸に剥かれた上で爪先から尻の穴に至るまで細長い棒を突っ込まれ、その中身をじっくり覗き込まれ続けているようなものだ。
それが<イチョウ>の仕事であるとは理解しており、とっくに慣れたので嫌悪感はないのだが、流石にこう何度も繰り返されると辟易するものがある。
なので――
「……健康体か、そりゃそうだろうさ」
――寝起きの不機嫌も手伝い、俺はつい皮肉っぽいことを言ってしまう。
「むしろ、この身体が風邪をひいたりするなら、その方が驚きだからな。それとも胃潰瘍か、蕁麻疹か、なんなら水虫か? プラスチックを食うカビってのはあるらしいけど。大体、不摂生をしようにもまともな食事ひとつできない身体なんだぞ、俺は」
存外に口を衝いて出た言葉数は多かった。俺が夢と現実の落差に感じた失望は、自覚していたよりも大きかったらしい。大人げないにも程があると言い終えてから気付いたが、時すでに遅しだ。
しかし、そもそも実年齢で数えると俺はまだ十代後半だった筈だ。この身体になる前は、どうにも朧気だが、学校に通っていたような気もする。ならば、これくらいの稚気は大目に見てもらえるだろうか。言い訳じみた思いが益々子供っぽく感じられ、我ながら無性に情けない。
俺はいっそ開き直るような心持ちで<イチョウ>の返答を待った。
さあ、どう返してくる? 怒るか、哀しむか、それとも呆れるか。
俺の想定に対して、数秒程の沈黙を挟んで<イチョウ>が発した言葉は、
《……お望みでしたら、仮想体験としての疾病状態を再現することは可能です。風邪の場合、疑似痛覚を発生させ、関節部に意図的な発熱と干渉を施せば再現度も上がるかと。また、食事に関してもエネルギー補給用の熱量棒に不満があるなら、疑似味覚の再現によりお望みのものを提供できますよ。ハンバーガー味とマカロニ・アンド・チーズ味がポピュラーですが、変わり種としては鯖寿司味やタン塩レモン味、あとは最近追加されたウナギゼリー味など如何でしょう》
普段にも増して饒舌な上、俺の皮肉を要求と捉えた上で真っ向から応じるという、身も蓋もないものだった。堪らず俺は項垂れ、嘆息する。
極まり切った愚直さ。<イチョウ>は昔からこういう奴だ。今回それを失念していたのは、紛れもなく俺の落ち度だろう。そもそも、補助知能としての性格指向が事前にプログラミングされた内容を外れる訳はない。悪意すら持たない相手へ突っ掛かるという行為を、不毛以外になんと呼べば良いのだろうか。
「分かった、俺が悪かった。すまない。ごめん。謝る」
非を認めて俺は謝罪を口にした。それに、<イチョウ>は放っておくと冗談抜きで風邪状態を再現しかねない。食事の際に奇天烈な味覚を体験するハメになるのも、御免被りたかった。と言うか、そんな趣味の悪い疑似味覚のデータを作った馬鹿はどこのどいつだ……?
諸々の懊悩に頭を抱える俺に、<イチョウ>は問うてくる。
《……申し訳ありませんが、ケイが謝罪をする理由が私には分かりません》
「俺が個人的な不機嫌を理由に無意味に突っ掛かって、無駄にお前の時間と思考を費やさせたってのは立派な謝罪理由になるだろ。当て付けみたいなことを言って、悪かったよ」
《不機嫌、ですか――》
俺が返答すると、<イチョウ>は戸惑うような――実際には感情から由来するものでなく、思考計算の為の――沈黙を挟んだ後、やはり例の落ち着いた声色でこう続けた。
《――ケイ、私には機嫌という概念がない為、想像ができないのですが。貴官がもし何らかの理由で精神的な不調に陥っているのならば、私にはそれを解決する義務があります。もし話して楽になるのならば、遠慮なく患いごとを仰ってください》
「……それは、あー」
俺は迷い、唸った。
そもそもの原因は俺の下らない稚気でしかなく、それを言語化すれば「まだ夢を見ていたかった」などという子供の駄々にも等しい理由だ。改めて口にすることは非常に気恥ずかしく、なにより<イチョウ>にこれ以上余計な思考をさせるのも気が引ける。
しかし、ここで誤魔化したところで<イチョウ>は納得しないだろうし、場合によっては強制的に思考を共有される可能性もある。しばらく悩んだ後、結局俺は先程見ていた夢の内容を話すことにした。鳥になって空を自由に飛ぶという、なんとも幻想的な、現実乖離も甚だしい白昼夢を。
「……おかしいかな? 俺が、そんな夢を見るなんて」
一通り語り終え、俺は自嘲を漏らした。
まったく、これを馬鹿馬鹿しい以外にどう表現すれば良いのだろう。もしジェイが聞けば――あの気さくなようでいて、実状は冷徹な現実主義者である男は――腹を抱えて笑うに違いない。否、いっそ笑い飛ばしてほしい心持ちの方が今となっては大きい。下らないことを考えるなと、切り捨てて欲しかった。
そうして自虐的な思考に嵌り込んでいく俺に……<イチョウ>は言った。
《まず、私には貴官の情緒面に於ける異常を、ある程度までは判定し修正する為の判断基準が備わっています。それは貴官が命令内容に対して明らかな叛意を示したり、或いは論理的に考慮してまったく正当性を見出せない行動を起こしたり、今までにサンプリングされた貴官の行動原理から著しく逸脱した思考を行った場合などに対して発揮されるものです》
いつも通り<イチョウ>の前置きは長い。内容も今までに何度か聞いたものの繰り返しだが、俺は我慢して聞く。訊ねたのは俺の方なのだから、文句を言う筋合いもない。
合いの手として「それで?」とだけ返すと、興が乗ったのか<イチョウ>は一層雄弁に続けた。
《その上で申し上げますが、夢、という領域にまで踏み込んでの判断は私には不可能なのです。何故なら私は眠ることもなければ、夢を見ることもないからです。嘗てジークムント・フロイト氏が提唱した精神分析学を当て嵌めるならば、恐らくは心理的欲求の現れということになるのでしょうが、貴官のそれを主観的に「おかしい」と断じる基準が私にはそもそも存在し得ません。……ここまでは宜しいですか?》
「ああ、つまり?」
《つまり、ですね》
そこから数秒時間が空いた。俺が前言を咀嚼する為の<イチョウ>の配慮だろう。その上で彼女は「良いですか」と一言置いてから、告げた。
《私が貴官の見た夢の内容を「おかしい」と評価する理由はありません。空を飛ぶ夢、良いじゃないですか。貴官がなにを感じ、なにを想い、なにを尊ぶかは――我々が帰属する理念と任務内容に背かない限りで――貴官の自由なのです。貴官は、自由意志を持つ、人間なのですから》
「……そう、か」
正直に言って、かなりの驚きがあった。まさかこんな形で人間の定義を、あまつさえ人ではない存在から保証されるとは思ってもみなかったからだ。感動にも似た奇妙な思いが胸を打つのは、<イチョウ>が曲がりなりにも俺の願望を肯定してくれたから、だろうか。
その一方で、どことなく気が抜けたような思いも生まれる。俺の中の冷めた部分、引いては機械的な思考が「気休めだ」と囁くのだ。その発生源は頭の片隅にこびり付く不安と不信に違いない。何故なら、俺は俺自身が「人間であった」という記憶を、完全に信じているわけではないからだ。
そもそも、現在<エクィアス連合国軍・総司令部>の指揮下に於いて『ケイ・サーヴァー少尉』として認識される男の意識が、実際には母親の胎内ではなくどこぞのコンピューター内を出生地としている可能性も否定できない。
情報技術が発達したこのご時世、個人の記憶なんてものは後からどうとでも捏造が利くものだ。ましてや俺の意識が宿る依り代は、天然由来の蛋白質ですらないのだから……。
ただ、<イチョウ>の言葉は彼女なりに熟考し、最大限に俺の感情に寄り添った上で提示されたものだとも理解している。或いは、それすら俺の精神安定を目的とする単なるプログラム上のルーチンなのかもしれないが、実際にある程度気が休まったことは事実だった。
ならば、ここで言うべき言葉は一つだろう。
「<イチョウ>、ありがとう。お陰で気が楽になった」
《どういたしまして。お役に立てたならば光栄です》
相変わらず素っ気ない口調。その中にそこはかとなく喜びが滲んでいるように感じるのは、俺が――『無駄』と『非合理』にその大半を由来するという――人間らしい情緒と想像力を持っているから、だろうか?
いつか読んだ記録では、昔の人間は定型的な受け答えしかできない旧世代の機械にすら親近感を抱き、時にペットや恋人代わりにしていたそうだ。世界中に戦乱の火種が撒き散らされている昨今では想像もつかないが、それだけ平和な時代だったのだろう。
ともかく、夢の内容について考える時間は今後幾らでもあるだろう。俺の意識が本当に自由意志の上で成り立つ人間のそれなのだとしたら、いつかは納得のいく答えを見出すこともできるかもしれない。
……その為にはまず、目の前に迫る問題を片付けるべきだ。
任務を滞りなく達成し生き延びて帰還しなければ、全ては泡と消える。俺の存在意義とは今のところ、障害を粉砕し敵を殲滅することで、俺が所属する組織の目的を達成させることに尽きるのだから。生きていたいならば仕事を果たすしかない。
そして、俺はその仕事自体を別段嫌っているわけではなかった。故に、俺は思考から余計なノイズを取り去る為に、<イチョウ>へ問うた。
「今回の任務内容を、もう一度確認しておきたい」
《了解しました》
<イチョウ>の返答は即座。淀みのない整然とした口調での説明内容は、眠りにつく前に受けたものと寸分違わないものだった。
《発信者:<エクィアス連合国軍・総司令部>》
《対象者:<第四鋼撃兵部隊>所属、ケイ・サーヴァー少尉》
《任務概要:<マグオル共和国>で勃発した軍事クーデターの鎮圧、及び――》
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